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ロシマヤンのブログ

心理学の知識を元に、人間の生き方や社会のあり方について

自分なりにいろいろ考えていきたいと思っています。

感想など、コメントいただけると幸いです。

お風呂の余韻

 

少年漫画王道のお色気シーンを堪能できた第5幕の余韻が、第6幕冒頭にただよっています。

 

鳴海はエレオノールのおっぱいが頭から離れず、そわそわとして落ち着いていられません。18歳の青年ですから、これもご愛敬でしょうか。

 

 

なんとか集中してエレオノールのおっぱいを頭の中から振り払おうと拳法の練習を始めるのですが、お風呂からあがった勝が話しかけた時の一コマがこちらです。

 

 

鳴海、目がおっぱいです。こういう小ネタも後から見返すと面白いですよね。

 

雑念を振り払おうとすればするほど、それがより強く頭にこびりついてしまって離れないなんて、みなさんよく経験したことないですか。

 

トラウマとかコンプレックスとか、どういうわけだがそういう特徴を持っているんですよね。

 

PTSDなんてまさしくなんですけれど、一度深い心の傷を負うと、つらいことなのに何度も何度もそれを思い返してしまい、思い出すたびに傷つき消耗してしまいます。フラッシュバック体験ですね。

 

臨床心理学では心の仕組みを意識と無意識の二つから読みところうとするアプローチがあります。

 

意識は人間の論理的な思考回路です。もしトラウマやコンプレックスを感じているなら、それらを無視しようとします。

 

一方無意識は論理的にはコントロールできない、生理的な感情や本能をつかさどります。理屈じゃなくて本能の部分がトラウマやコンプレックスを生み出してしまうんですよね。

 

そして意識と無意識の間にトラウマやコンプレックスをめぐる葛藤がうまれます。

 

うまく葛藤を処理できればいいですが、そうでないとたとえばストレス性の胃炎を起こしてしまったり、心理症状でいえば不適応障害を起こしてしまったりします。

 

心理療法のなかでこういう症状への対応を得意とするのが自律訓練法やフォーカシング、またマイナーではありますがロシマヤンが勉強したことがある中では調整的音楽療法があります。

 

意識と無意識が対立するときに葛藤が生まれ、これが問題症状を引き起こすのだから、対立しないように上手に意識と無意識のバランスをとってあげるアプローチとロシマヤン個人は理解しています。

 

自立訓練では葛藤が生まれるのを防ぐために、意識的に手足のぬくもりや重さに集中します。

 

フォーカシングでは例えばお腹のハリや、不眠症状からくるだるさや苛立ちを否定するのではなくむしろ親しみやすい名前をつけてやって共存しようとします。

 

調整的音楽療法ではうす暗い中で音楽を聞きながら様々な音や感覚、たとえば音楽を聞いているうちに眠くなってきたとか、右に首をかしいでいることに気付いたとか、はたまた心の動き、音楽を聞いている間にどんなことを感じた、思い出したといった具合に、特定のトラウマやコンプレックスに集中してしまわないように、本来人間が感じているいろいろな感覚を想起させるんですね。

 

特にこういったセラピーの理論を、生理学的に応用したのがEMDR(Eye Movement Desensitization and Reprocessing)です。目の動きを利用した脱感作です。

 

意識が無視しようとすればするほど、否定しようとすればするほど無意識は無視されまい、否定されまいと抵抗するため葛藤が強くなり、つよい刺激となって返ってきてしまうトラウマやコンプレックスを、ほかのことをすることでそもそも意識しないようにしてしまおうという点では全く同じです。

 

辛いトラウマ体験では不眠や過覚醒といった症状を引き起こし落ち着いて過ごすことができず慢性的に消耗してしまうことがあります。

 

強烈なストレス体験を脳は記憶しているので、当時のことが想起されると体を守るためにアドレナリンによる興奮状態を作ります。

 

これは野生状態で生き抜くためには必要な体の仕組みです。

 

たとえば一度ライオンに襲われあことがあるとか、津波に飲み込まれかけたとか、生死の限界ぎりぎりの体験をした後、とうぜん同じような事態を次に経験したら上手に処理できるようにならないと生きていけません。

 

同じようなストレスにさらされたとき、同じ轍を踏むまいと体が無意識のレベルで抵抗します。よりいっそう体を守るためにアドレナリンを分泌するんですね。

 

ただ現在の野生とはかけ離れた状態では、残念ながら同様の事態にさらされることはそうそうありません。

 

そのためPTSDのような副作用を引き起こしてしまうんですね。こういった症状にEMDRは下記的な成果を残しています。

 

クライアントはお医者さんの手の動きや、専門の電気版に表示される光点を目で追いかけます。なれてきたらだんだん過去の辛いことなどを思い出しながら実施します。

 

すると過去の辛いことを意識していると同時に目を動かそうと意識するため、意識があまり強くないので無意識との葛藤が生じずなくなります。

 

こうしていくうちに思い出しても大して意識されない状態を再学習して、トラウマが解除されるんです。

 

そのためトラウマ処理にたいして非常に有効な認知行動療法の手法として近年安定した評価を得ています。

 

ちなみに認知行動療法なので精神科医の指導のもとでなら保険診療の対象になります。意識と無意識ってすごく奥深い問題ですよね。

 

ちなみに心理学の世界では、もしノーベル賞に心理学部門があれば、フロイトは真っ先にその受賞者であったはずだと言われています。

 

実は無意識って19世紀になってフロイトが心の仕組みとしてはじめてきちんと提唱した概念なんです。

 

もちろん仏教の世界では読経や瞑想を通して無意識との対話を深めるメソッドを古くから持っていましたし、西洋の合理主義と異なり東洋の科学や思想には古くから現代科学が無意識とよぶ心の仕組みを重視した科学観念を持ち合わせていましたが、現代科学のパラダイムとして無意識を定着させたのはフロイトの功績とされています。

 

フロイト自身はどちらかというと無意識よりも意識層の働きが強い神経症圏の患者を多く持っていたのに対し、弟子で同僚のユングはより無意識層の働きの強い精神病圏の患者が多かったことから、ユング派の研究成果や精神分裂・統合性失調症の医学見地とも合流して、無意識って創造と破壊の可能性を秘めた人間の根源として理解されるようになりました。

 

その最初の功労者がジークムント・フロイトだったんですよね。

 

ちなみにフロイトは性意識の研究などを近代のパラダイムではタブー視されていた当時に取り組んだりしたため、オナニストのように扱われてしまうことがあります。

 

ただしロシマヤンはわりとそういう勉強が好きです。『からくりサーカス』の第5幕だってちんちんにはじまりおっぱいに終わるじゃないですか。

 

人間そういうのがあっても悪くはないですよね。なおロシマヤンおすすめの無意識についての著作がこちらです。

 

ユング (FOR BEGINNERSシリーズ) 大住 誠

 

このシリーズ、装丁が素敵で中身も知的に素晴らしいのですが、翻訳者によっては非常にとっつきにくいときがあります。

 

日本的な価値観と親和性が高い『ユング』については作者が日本人であるため非常に読みやすいですし、ユングの心理学を幅広くカバーしています。

 

おすすめの一冊です。