毎朝5時にわが家の飼い猫がわたしを叩き起こしに、文字通り、爪を立てていない両方のお手々でわたしの頭をポコポコ殴って起こしに来てくれるのであるが、その前に、ぼんやり目を覚ます事がある。


そして思う。

ここは何処だろうかと。

(たまにではあるが、隣で堂々と眠りこけている奴がいて、一体どこの馬のホネのカスだろうか? とも笑)


そして思い出す。

ああ、ここは昨年の6月、2年近く掛かって主人の遺した膨大なメモや論文、資料や莫大な蔵書を何とか形の付くように処理したり処分したりした後、それでもまだまだ残っている主人の書き物や資料をかき集めた物と、猫と厳選した数着の私服と香水、そして10冊だけ選んだ愛読書を持って逃げ込んだ、わたしの家なのだと。


それでも夢うつつにわたしは考える。


これは夢ではないかと。

何か、自分は悪い夢を見ているに違いないのではないかと。


そしてわたしはもう一度目を閉じる。


ウチのアホ猫がわたしを叩き起こしに来るまで。