まぁ自分で言うのもナンなのですが、わたしには「知り合い」は多くても、「友人」は少ない。
なので、昨日の30年以上付き合いのある友人ふたりとの、わが家での忘年会は、心から感謝すべき事なのです。
ありがとうございます。
以下、忘備録。
我々3人は、それこそ15〜16の頃から大真面目に
「どうすればオトコにモテるんやろうか?」
と、若かさはち切れんばかりの面付き凛々しく眉間を寄せ、各自の知識経験、想像力を交えて語り合って来た。
そしてその結論は、ほぼ20年ほど前に出ている。
「オトコにモテる方法」とは、すなわち
「もしそこら辺がゾンビだらけになったら、どうする?」
と尋ねて、相手の男性に好きなだけサバイバル方法を語らせる、と云うモノである。
コレは効く。
本当に、なぜ世の男性はあんなにゾンビの話が好きなのであろうか?
籠城するなら、何処にする?
(十中八九「ホームセンター」と答える)
さあ、そこから語る語る。
いつもは「ああ」とか「うう」としか言わない、おまえは映画「ロッキー1」のエイドリアンか? (ちなみにその後エイドリアンはなぜかメチャクチャ強いおかみさんになる。さすがはドン・コルレオーネの娘、後の実質的なドンある。違う映画だけど)男のクセに、とイライラするようなヤツでも、急に人が変わったようにペラペラと能弁に、雄弁に語り出すのである。
コチラはその様子と内容をジッと観察しておけば、相手の性格や好み、アタマの構造の良し悪し、更には質問内容によっては相手の懐具合まで、勝手にペラペラと機嫌良く教えてくれるのである。
そして好きになってくれるのである。
まぁ、絶対好きになってくれるとは絶対に言えませんが。
ゾンビの話になると、主人はいつもゾンビになったストリッパーの話をしていた。
ゾンビになっても、本能でガクッガクッと懸命に踊るゾンビちゃん。
メッチャ顔色、つーか身体色悪いのに…
そう、主人は「ゾンビちゃん」とちゃん付けで呼んでいたのだ。
なのに、肝心の名前を覚えていない点が主人らしい。
それでも主人は彼女の手振り身振り、彼女を見守る観客たちの声援、ゾンビにならなかったストリッパーたちのやっかみ、そしてストリッパーとしての矜持と熱すぎるプロ根性ゆえに自らゾンビとなる者続出、おまけに観客までゾンビ化続出など、ひとり何役も大熱演してわたしを大層笑わせ、で、主人は機嫌よく暮らしていた。
わたしの友人たちのご主人もそうらしい。
ヒドイ時には「計画書」みたいなモノまで書き出して、ムリヤリ見せて来るらしいのだが、
「コレで機嫌良う頼んだこと全部やってくれるんやもん、有難いわぁ〜」
と輝くような美貌は相変わらずで、
「それはあんたらが美人で、美人が大笑いして喜んでくれるからや」
とわたしは心の中で呟いている。
そして友人たちは粉瘤社長のゾンビ観を訊き、わたしが答えると
「ああ。それは‥‥あんた、大事にしたらなアカンわ。別れたらアカンよ」
と、ふたりとも大真面目に頷くのも不思議である。
いったい、なぜ、わたしが粉瘤社長にゾンビについて尋ねたこと確定で質問をするのだろうか? と。
そしてわたしは我々の間に過ぎ去った30年以上の時の流れを思う。
ああ、30年以上もわたしの友人でいてくれたのだから、わたしが喋りそうな事などお見通しなのだと。
それでも思う。
我々は50近くにもなって、いったい、何というアホな話をしているのだろうか‥‥
ふと目頭が熱くなる。
わたしは慌てて立ち上がり、冷蔵庫に氷なりおつまみになりそうなものを探すフリをする。
足元にわが家のアホ猫がすり寄って来る。
わたしは彼のご自慢の、それはそれは見事なシッポを挟まないよう、注意深く扉を閉める。
もう、ワイン2本とターキーほぼ飲み尽くして全員完璧な酔っ払いである。
なぜ時間は止まらないのだろうか?
アカンアカン。
時間が止まったら、コイツらのお子ちゃんたちとご主人たちはどうなるの?
って、わたしだけ時間が止まれば‥‥
アカンアカン。
ウチのアホ猫はどうなるの?
うーむ、アタマ痛い。
マジ飲み過ぎたわ。
まだ飲むって?
コイツらバケモンか?
などと。
まぁ、そんな感じの忘備録です。