実家に住んでしばらく仕事を探していた彼

なかなか決まらないなか

家から車で5分ほどのパチンコ屋さんの仕事を見つけてきた


次の日からの仕事で私はお金のない彼のためにお弁当を作ることにした

パチンコ屋ならなれているし、何とか勤めてくれるかなぁ


仕事はまじめに通ってくれて何とか私のおなかは9ヶ月

もうすぐ産まれるね、いつ産まれても不思議じゃないね

10ヶ月に入ろうとしていた日に陣痛は来た


ちょうどその日は彼がオヤスミで家に居た

彼に病院まで連れて行ってもらった

初めてのことで陣痛はかなりきつい感じだったけど

お医者さんに言わせたら

「まだまだ 子供が降りてきてないからね、でも初めてだし不安だろうから入院しようか」


そういわれて病室に入った

あとから母が入院の準備をして持ってきてくれた

入院用の新しいパジャマに着替え寝ていたが陣痛がだんだん感覚が狭くなってくる

気がしていた


が・・・


個室だったせいもあり

母と彼が帰ったあと、一人でのんびりのテレビを見ていたら

陣痛がすっかり止まってしまった

テレビを見て大笑いをしてる私の部屋に

お医者さんが検診に来た

「あれ、陣痛起きた人ってあなた?ずいぶん元気そうだね

 まだ産まれないかなぁ」


そういいながらエコーでおなかを見てくれた


先生が行ってからも陣痛の起こる気配がなく眠りについてしまった

つぎのひみんなに挨拶をして

パチンコ屋の寮出た

私の道案内で、実家へ向かった

実家に着く前に母に電話を入れておいた


実家に着くと

父も母も家にいた

電話で妊娠のことを言ってあったけど

彼は一応車で待っていてもらい私一人で実家に帰った

「妊娠してるって本当なのか?」

と父

「病院はいってないけどたぶん間違えない」

「どうするんだ、あんな仕事の嫌いな男と育てられないだろう」

「一人で産むつもり、でも彼帰るところないし産むまで何とか居てもらいたい

 彼には一人で産むことは言ってない」

「そうだよなぁ、籍入れなくても認知してもらったほうがいいもんなぁ」

すると母が

「じゃぁ産むまではここに居るしかないよ、仕事見つけてもらわないとね

 で、勲君は?」

「車にいるよ、気が小さいからなぁ」

「じゃぁつれてきなさい」

彼を家に入れた

母が

「明日病院に連れて行くけど、どうするの?産むの?おろすの?」

とかなり激しく彼に迫った

「産ませます!!」

初めて彼が子供のことで口にした


このときはまだ産まれたら彼が変わってくれる気がしていた

次の日仕事中に店長に彼と2人で呼ばれた

「勲お前どういうつもりだ、二日も黙って仕事休んで

 しかも妊娠してる彼女を一人置いていって」

「すいませんでした」

「で、これからどうするんだ、彼女はどんどん仕事できなくなるんだぞ」

彼は黙っている

この人と一緒にいても子供は産めないのは解っていた

「店長、私実家に帰ります、この近くだし妊娠したらしかたないです

 無事に赤ちゃん産みたいし彼もつれて帰ります

 お世話になって申し訳ないんですが、つわりもひどいし不安なので

 今日で辞めさせてください、明日実家に戻ります」

「事情が事情だから仕方ないなぁ、大丈夫か?しっかりしないとだめだぞ、母親になるんだからな

 勲よりしっかりしてるからな、大丈夫だと思うけど」


その日は最後まで仕事して部屋に戻った

荷物らしい荷物はないから簡単に荷物をまとめられた

彼はずっと黙ったまま

この人に任せておいたら大変なことになる

一人でこの子を育てよう

おなかをさすりながら、絶対に産んであげるからねって心の中でつぶやいた


彼が不安そうに

「俺も一緒にいっていいのか?」

「いくところなんでないでしょ、それにこの子のお父さんなんだから

 実家に行ってこれからのこと考えよう」

それだけ言うと、眠りについた