娘が拒食症になって絶望しか感じられない日々を過ごしていた時、藁をもすがる思いで私自身が受けたカウンセリングがあった。

まず最初に尋ねられたこと、

「人は何のために生まれてきたと思いますか?」

私は答えられなかった。

すると、

「人は幸せになるために生まれてきたんですよ」

と…

正直理解できなかった。

私は娘を拒食症から救い出す方法を教えてほしかった。

私自身のことはどうでもいいと思っていた。

 

けれど、あのフレーズは自分でも気づかない心の片隅にずっと残っていた。

あれから多くのことを経て還暦を迎え、今、やっと理解することができた。

理解できたからこそ強くなっている自分を感じる。

自分を大切に愛おしく思える。

 

知人の中にはいつも会話にご主人が登場して、ほのぼのとした温かさに包まれた幸せな人もいる。

とても羨ましく、私もそうありたかったと思う。

けれど、感じるのはそこまで。

 

私は知人のような幸福は得られない人生になってしまったけれど、不思議とまったく不幸感はない。

むしろ毎日なんだか分からないけど楽しいし、幸せだと感じる瞬間が多い。

いつも何かに感謝している。

 

娘の拒食症は本当に辛く悲しい出来事だったけれど、たくさんのことを振り返り、考え、感じ、前に進むことを私に教えてくれた。

 

その軸となっているのは、

「人は幸せになるために生まれてきた」

というあのフレーズである。