娘が私のこの先のことを聞いてきたので、今でも離婚したいと思っていると話したら、それは現実的に無理でしょ、と言ってきた。

 

「自分もまだお給料安くてお母さんの面倒見るような余裕はないし、もし離婚して家を出て行かないといけなくなったら家賃払わなきゃいけないのに、どうやって生活していくの?」

 

「どうにかなるでしょ、あなたには迷惑かけないように頑張っていくわよ、もちろん」

 

両親の相続の際、弟からもらった少しまとまった預金があるので、それに年金とパートが続けられれば大丈夫と考えていたのだけれど、そう言われて改めて計算してみると、もし賃貸に住んで、私が想定している以上に長生きするとしたら、到底足りない現実が突き付けられた。

 

私の離婚は夫が出て行き、私が現在の家に住み続けることが前提だった。

夫が使った家計費の対価として、家は私の所有にできるものと考えていた。

 

娘にそう言うと、

「お父さんが浮気しているとか、その証拠があるとかならともかく、お母さんが家をもらえる可能性はないと思う」

 

確かに家賃を払いながら、 

病気したら…

パート収入がなくなったら…

施設に入らないといけなくなったら…

娘の結婚費用は…

 

もろもろ考えていたら「離婚は希望的観測?」という文字が脳裏にちらついた。

この歳で離婚するにはお金がないとダメなんだ、この家をもらわなければ立ち行かなくなるんだ…

 

離婚したくても経済的理由から離婚しないってそういうことなのか、熟年離婚してる人って相当資産がある人たちってことなのか、何となく気分が沈み込んだ。

 

けれど、いやいや私は想定よりも早く死ぬかもしれないし、あっさり気持ちを切り替えることなんてできない、落ち着いて考えようと自分をなだめた。