現在娘は心理学の勉強をしている。

将来同じ状況で苦しんでいる人の力になりたい、との思いからだ。

とは言え、娘自身も未だ依存症に陥りやすい思考や性質を完全に克服したわけではなく道半ばであり、大きなストレスがかかった場合にはいつ精神疾患を発症するか心配は尽きない。

 

拒食症は依存症の一種で、精神的ストレスから食欲中枢が麻痺した状態らしい。

娘の精神的ストレスの根源は父親不在、両親の不仲という家庭環境に他ならない。

 

マザーテレサの名言に、

「愛の反対は憎しみではない、無関心だ」

というのがある。

 

娘は生まれて此の方父親と話したことがほぼない、話しかけられたこともない、もちろん遊んでもらったことや家族で楽しく外食をしたこともない。

家族旅行をした回数は片手に余る。

父親はいつも不在で、拒食症で3ヵ月入院した時にも寄り添ってはくれなかった。

娘にしてみれば、まさに父親は自分のことに無関心、愛など感じられない、無視されている感覚でさぞかし寂しかったことだろう。

 

そんな父親と、その状況をなんとかしなければとひそかに悩んでいる母親の夫婦関係を見て育ったら、子供の情緒が安定するはずもなく、不安ばかりが大きくなって精神の病になってしまうのは自明の理だろう。

 

娘が拒食症を発症して真っ只中の時、どうしたら良かったのだろう、私の何がいけなかったのだろうと本を読みあさり、ネットで情報を探した。

拒食症という偏見を持たれがちな病に娘が罹っていることを、親にも友人にも打ち明けられず沈み込んで泣いてばかりいた日々。

私も娘もあのまま拒食症のトンネルから抜け出せずにいたらどうなっていたのだろうと考えると背筋が冷たくなる。

 

本当に怖い病であるが、幸い娘は自らの努力によって回復し、進むべき道に向かって歩き出している。

静かに見守っていきたいと思う。