姉妹のように育った従妹から、92歳の叔母の様態が思わしくないとの連絡を受け、入所している施設に面会に行った。

 

食事が喉を通らなくなってきたのか、老衰が近づいたということなのか、大分痩せて痴呆症状もあるが、私のことは一目見て分かり、手を握って泣いて喜んでくれた。

 

5年前に脳梗塞で右手が不自由になり、数年前からは足も弱って車椅子生活、以来ずっと施設で暮らしている。

最近はほとんど寝たきり状態のようだ。

 

「叔母さん、どんな夢を見る? 誰が出てくる?」

と聞いてみると、自分が若かった頃の思い出話を始めたが、数年前に亡くなった夫である叔父さんのことは忘れてしまったのかまったく登場しなかった。

夫婦の絆より血の絆なのか、などと考えながら「うんうん」とあいずちを打った。

 

5年の入所期間で、厚生年金のなかった叔母は支給されている年金だけでは施設費用が賄えず、すでに貯金を崩して1千万円くらい支払っていると従妹に聞いて驚いてしまった。

 

貯金がなかったらどうなるの?

と従妹に聞いたら、有料老人ホームはもちろんの事、特養であっても支払いができなければ入所することはできないから、自宅で家族がヘルパーや在宅医療を利用して介護するしかないんじゃないの、と…

 

当面の離婚の事しか考えてこなかったけれど、その先には娘もかかわってくる私の老いの問題が控えているんだ、と寒々とした気持ちになった。

 

私が痴呆を発症し、施設に入所しなければならない状態になっているにもかかわらず金銭的な理由で入所できないとしたら、娘に相当な迷惑をかけることになるってこと…

 

義母は自らの年金で施設費用はどうにか賄ってくれているので、それはホントにありがたいことなのだと改めて感じるとともに、今後のことは想像している以上に幅広く大きな視野で考えなければ大変なことになるのだと身に沁みた。