町会長から電話がかかって来た。
何事かと思いきや、義母が施設に入所したため空き家になっている築50年の夫の実家が大分傷み、軒下のベニヤ板がぶら下がってお隣からクレームが来ているとのこと。
早速見に行くと、確かに…
これで台風が来たら大変なことになる。
夫にお隣に挨拶に行くように言うと、こういう時はどういうわけか腰が軽くその日のうちに挨拶に行って来た。
しかしながら後処理はすべて私任せ。
知り合いの工務店に相談すると、足場を組んで修理するとなると100万近くかかるとのこと。
住んでないし、この先もおそらく住むことはないので費用をかけずに何とかならないかとお願いして、応急処置的に10万ちょっとで修理してもらえることになった。
修理の日、職人さんにお茶を持って行くと、
「今回は応急処置したけれど、一応ほかの箇所の点検もしたら、屋根は大分酷いよ、すでに雨漏りしているんじゃないかな?」
と言われ、驚いて工務店に確認したら、
「もう住まないなら修理するのももったいないし、壊すか売った方がいいんじゃないの?
庭の雑草や樹木も伸び放題で、どこか壁に穴があったらネズミ、タヌキ、ハクビシンの住処になる可能性があるよ」
と言われてびっくり仰天!!
最近、空き家問題をテレビでよく取り上げているけれど、まさか当事者になるなんて思ってもいなかった。
傷んだ家の中は片付けられない人だった義母の荷物がそのままになっていて、どうするんだろう?
町会長に応急処置した報告をすると、
「お義母さんが生きているうちに売っちゃった方がいいよ、亡くなってからだと税金払わないといけないし大変だよ」
と、よく内容は理解できなかったけれどアドバイスされてため息。
夫にそのまま伝えると、
「今は売れないでしょ」
のひと言で終わり。
本当に頼りにならない。
今まで頼りになったためしがない。
「自分の事だろ、おまえがやれ!」
と声を大にして言いたいところだ。
が、その時ふっと、
「あの実家を売ったらいくらになるんだろう?」
という考えが浮かんできた。
家屋はただだとしても、土地代はもしや、もらえるだろうと思っていた退職金くらいになるのだろうか?
不思議なくらいこれまでまったく考えなかった打算がしっかりと頭と心に刻まれた。