つれづれなるままに | actress美智子の自由な日々

actress美智子の自由な日々

日常を気ままにつぶやきます。
好きな花、好きな服、お芝居、出会った人たち、美味しかったもの。
ときどき、カウンセラーとコーチとしての顔もお見せします。

私は今井雅之氏の舞台「WINDS OF GOD」を観たことがあります。私が大学生の頃でした。
とてもいい舞台でした。その頃、彼はまだそんなに世の中に名前も出ていませんでしたが(演劇界で活躍する役者さんとはそういうものです)とても熱意ある演技をする人でした。
この人は世に出てくるだろうなと思いました。
ほどなく、テレビ界でも有名になって行きましたね。

私の母は2013年の10月に末期の胃癌で亡くなりました。
病名を知らされてから一年八ヶ月の闘病でした。
医師は半年で死ぬと言いましたが、母はすごく頑張りました。
私は力を振り絞って日々を精一杯生きる母の姿、臨終に向かう母の姿を側で見ていたし、最後を看取りました。

「死」というものは、往々にして、「誕生」や「生まれること」に比べて、声を小さくしてひっそりと話されることのように捉られがちだけれど、私は違うと思いました。
『死んでいくこと』も「生まれること」と同じくらい『尊いこと』です。この目で母を最期まで看取った私はそう思います。
「死」があるから「生」もあるのです。
もっと「死」について語られていい。そう思います。

母は息を引き取るその最期の瞬間まで、精一杯生きていました。
眼が開けられなくなってからも、言葉を発することが出来なくなってからも。
母は最後の最期まで生きることを諦めてはいませんでした。
そして、もう意識はないのだろうと周囲の人間が思っていても最後まで耳は聞こえているんです。
だから、私は最後まで母に話し続けました。
「お母さん、私、お母さんのことが大好きだよ!」「お母さんの好きな青いインクのペンで、頼まれたこと全部手帳に書いたからね!」「今までありがとう!!」と。
母は賑やかなのが好きな人だから、私一人じゃなくてなるべく沢山の人に母を見送って貰いたいと思い、私は母の妹を初め、母の職場の友人の方々にも連絡をしました。
早朝の3時から4時のことだったけれど、みんな来てくれました。
私の呼びかけも、妹の呼びかけも、友人たちの呼びかけも母には聞こえていたと思います。

今井氏の会見の様子は、母の生前の姿と重なり、どれだけ心も体もつらいことだろう、ああやって普通の服を着て会見しているけれど、立っているのもやっと、声を出すのもやっと、そのことが私は私なりにだけれど、実感を伴って良く分かりました。

出来れば生き続けてほしかったけれど、あんなにつらい状態になってまで、会見を開いた彼を私はすごいと思います。
さすが「役者」です。

「私は役者だから、どんなに大変でも舞台裏は見せない」
これは、私の言葉です。
そして、私自身、随分長い間このように生きてきたと思います。

ただ、表舞台だけを見せ続けることに最近少し疲れてしまったので、ここまで私の投稿を読んで下さった方には、少しだけ私の最近の舞台裏をお教えしちゃいます。
私、実はこの間の土曜日の深夜に救急車で運ばれました。
疲労とストレスが溜まって、色々と症状が出てしまい…。

それこそ命の危険があるとかそう言うのではないし、今は落ち着いたのですが、まだ無理をしてはいけないと医師から言われています。

お芝居がやりたいですね。きっとお芝居をやったら元気が出ると思います。
朗読も語りも。(私にとっては朗読と語りは違います)
私は「自己表現」することが一番好き。表現することがない人生はあり得ない。

一見何の苦労もしたことがなさそうなふんわり柔らかな印象(良く言われるので)とは対照的に、ハングリーで叩き上げの我慢強く粘り強い性格で、変わりなくいろいろいろ頑張っているのですが、ストイックをやめて、自分の求めるものに素直になって行った方がいいみたいだなとしみじみ実感している今日この頃です。
自宅にいると、こんな風に思いがけず久しぶりにネット記事を書く時間も出来、振り返り兼備忘録になりました(^-^)