昨日、金杯のことを書きました。


真夏のグランプリを勝つのは、たいていの場合がナンバーワンホース。


画像にある過去10年の馬たちの名前を見ても、錚々たる顔ぶれです。



その中ではまさに殊勲の勝ち星であったのは、1980(昭和55)年の第6回を制したアオバタガミ。


前年、ギンカゲのレコードを1秒3も破る猛烈なスピードで金杯を勝ったヤナイエースを相手に、真っ向勝負で逃げ切ったのですから。



このときのアオバタガミは2番人気。


とはいえ、1.4倍(推定)の圧倒的支持を得た1番人気のヤナイエースの前には、その存在も霞みます。


最内のアオバタガミは好ダッシュから敢然と先頭に立ち、大外ヤナイエースは4番手。


3角で2頭は並び、びっしりマッチレースを繰り広げます。


後続は7馬身も置き去りにされ、ゴールしたときにはクビ差、アオバタガミが凌いでいました。



ヤナイエース陣営にとっては、このレースは非常に悔しかったのではないでしょうか。


別定戦で高重量を背負わされるときには、半ば敗戦もやむなしのスタイルだったようですが、同斤量で敗れたわけですからね。





(「地方競馬」昭和55年9月号から複写しました。)



それに引き換え、アオバタガミ陣営の晴れやかなことといったら。


快心の勝利だったのでしょうねぇ。



鞍上の藤岡鉄郎騎手はとても気の強い性格だったそうですが、この写真からは穏やかな表情が見てとれます。


大満足だったのでしょうね。


それと、藤岡騎手は「昭和のイケメン」というような印象です。



「てっぱん」のあだ名で親しまれた藤岡騎手ですが、私が通い始めた頃にはすでに引退されていました。