成田山?

そうです。

成田山新勝寺はこの浜から始まるのですよ。

西暦939年、平将門が反乱を起こした際に、

寛朝大僧正が時の朱雀天皇から命を受け、

当時神護寺にあった不動明王を捧げ持ち、

京都から海路東国に向かい上陸したのがここ。

九十九里浜の尾垂ヶ浜と言われています。

そこをぜひ見たい、の一心で来てみました。

見逃してしまう様な、ひっそりとした佇まい。
鳥居を⛩くぐって上がると海が見えます。
なにがあるんだろう?
ありました。標識が。
不動明王は、
お釈迦様の、悟りを開いた穏やかなお顔と違って、
常に憤怒のお顔をしています。
実は私はそれが好きです。
世の中には怒りが沢山あります。
不動明王は世の中の悪に怒り、
右手の利剣でぶった斬り、
左手の羂索(けんさく)という縄で縛り上げ、
悩みや煩悩から救ってくれます。
コンビニも電気も、ましてや車も道の駅もない時代、
こんな茫洋とした浜に上陸し、成田に向かうということはどんなに困難を極めたことか!
寛朝大僧正御一行様がこの原野を行進してゆく姿を想像。
彼らが持つ使命感と不屈の精神に胸を打たれます。
誰もいないのだけれど、それだけに、
成田空港トランジットボランティアを始めて以来、
成田の歴史を知りたいがため、
ついに導かれて来てしまったのか、と、
喜びもひと塩。
あら、いつのまにか不動明王のファン?
そうね、追っかけしてますもんね。
階段の端で、
ゆりが一輪揺れて迎えてくれていました。
ありがとうございました。
の言葉を残して次は広済寺へ。
御本尊は地蔵菩薩。
国指定重要無形民族文化財となっている
「鬼来迎」という特殊な仏教劇が伝わるお寺です。
アクセスはちょっと怖い細い道なので
二度と行けないけれど。
千葉はまだまだ沢山のお寺と、
それにまつわる名もない人々の無数の歴史があります。
本当に面白いです。
本日もおいでいただいてありがとうございました。