今回のフランス旅行は、今まで行った海外旅行の中で色んな意味で一番ハードだった、と言ってもいいでしょう。

 

空港で乗り場所を間違えてギリギリ走ったこと....

ポンデュガールでバスに乗り遅れて4時間も待ったこと.....

そして、ニースのアパートがなかなか見つからなかったこと...

降りるべきバス停が分からなくてボタンを押せなくて二つ先まで行って引き返したこと....,

ベルサイユ宮殿見学とオペラ座見学の予約日を

間違えて行ったこと....

その他 多数あり.....

 

え?ハードだったことじゃなくて、失敗したことじゃないの?と、今思われた皆さん、  

はい、そうとも言います(笑)

その中でも一番キツかった出来事を

今日のブログで書きます。


 

ニースに来ると、やはりまず一番人気の観光地エズ村に行かなくては。

とても楽しみにしていました。

 


地中海が美しい。

コートダジュールには鷲の巣村が100以上もあるそうです。

鷲の巣村とは、急斜面の岩山頂上に民家がぎっしり密集して建てられている村で、切り立った崖に鷲が巣を作っている様子に例えられているんです。

一番人気のある鷲の巣村がエズ村、というわけです。

 


つまり、敵の侵入や攻撃から守る為に造った要塞村だったのですね。

スペインからの海賊船が来てもここなら、すぐ発見出来ますものね。しかし海賊だなんて、恐ろしい時代だったのですね。


 


海抜が 429mもあるんですよ。

 

この日は、順調にバスに乗ってエズ村に到着しました。帰りのバス停がある場所も確認しました。

さすがに観光客が多いです。

 

一番高台の城跡は熱帯庭園になっていて、エズに来たらまずここに行くんだそうで。

ここから見える景色が素晴らしいのです。

入場券は5分位並んで買えました。

 

 

 

なにしろ熱帯庭園なので、サボテンばかり。

 


こんな像もあります。

 

 

 



 

 


 

観光客、非常に多し!

人を入れないで写すのが大変でした。






いい眺めです。


リビエラの海岸です。


熱帯庭園を出て、迷路なような路地を散策。


 

 この壁、いいですね。



アーティストのギャラリーも沢山あります。





可愛い猫ちゃんの置物ばかり売っているお店。

おしゃれな猫ちゃんでしょ。

長男夫婦が黒猫を飼っていて、黒猫グッズが好きなので買ってあげようかと思ったけど、円安で高価過ぎるので諦めました。




この村の人口は20人くらいだとか。

夜になるとお店も閉まって 暗くなるそうです。




こんな上まで石を運ぶの大変だったでしょうね。




こんな小さな村にりっぱな教会です。

聖母被昇天教会。

私はクリスチャンではありませんが、

旅の途中に教会を見かけたらいつも入ります。

心穏やかになるからです。





もうランチタイムですね。

私達も食べる事にしました。



楽しいランチタイム。

朝も夜も自炊なので、お昼が楽しみです。

円安で値段が怖いけど、仕方ないですね。

テラス席でした。


ラザニアと


ピザ!


夫とシェアしました。

美味しかった!

飲み物は、日本では殆ど飲まないコーラ!

久し振りに飲むと美味しいんですね。


お腹いっぱいになったところで、

バスに乗ろうとしましたが、

出発まで50分もあります。

インフォメーションのお兄さんは、50分なら

歩いて駅まで行けるよ、と。

駅までの道は、有名なハイキングコース「ニーチェの道」です。

50分待つのにカフェに入るとまたお金がかかるしね、じゃ歩いてみようか?......


この安易な考えが失敗でした。





エズ村からエズ駅までの「ニーチェの道」について

旅行愛好者の愛読書「地球の歩き方」には

こう書いてあります。

 

「この道はニーチェが『ツァラツゥストストラはかく語りき』の着想を得た場所と言われる。豊かな緑と木々の間から望む海の遠景が美しい約1時間半のハイキングコースだ」.......,と。

 

これしか書いてない。

ま、記念になるし、ニーチェさんも通ったその道を歩いてみたい、と安易に決断したわけです。

海を観ながらのハイキングもいいじゃない......




ハイキングスタートです。

え?こんな道なの? ↓



海なんて見えないし、

道が平らではなく、砂利道だし道幅も狭いし、急な下り坂。 岩もある。

ゆっくりゆっくり下りないと、ズルっと滑りそう、転びそう。

運が悪ければ崖に落ちて、大怪我もしくは死に至る.... 本当ですよ。オーバーではありません。

夫に、「ここから落ちたら死ぬよね」と言うと

「ほんまやな」と.....

転んだら、少なくとも3ないし5メートルはゴロゴロと止まりそうにない坂道。

手摺など全くない。

ここは、「歩く」という言葉は当てはまらない。

一歩ずつ下りる、のである。

夫は

「大丈夫か?」と言ってくれるけど、彼も自分の事で精一杯。

絶対転びたくない!

怪我したら、この先プロヴァンスにも行けなくなる。

保険には入ってるけど、転んだまま一生起き上がれなくなったらどうするの、

絶対転ばないぞ!と、踏ん張りました


最初、引き返した方がいいかなと思ったけど、

ひょっとしてしばらくしたら、楽な道になり、海が見えたり、絶景が見えるかもしれないかもしれない、と思い下り続けました。

しかし、最後までこんな道でした。




え、待てよ、ニーチェがここでツァラツァストラの構想を?  それはないでしょう。

ここのどこで?

ここのどこに座ってそんな事考えたの?

ここでは、「転んだらいけない」以外のことを考えられるとは思えませんけど。

ニーチェに騙されたとしか思えない。





時々、上がって来る人もいます。

若い人が多いけど、皆さん汗だくの赤い顔を歪めて上がってきます。

私達より3倍はしんどいはずです。

カップルも時々見かけます。あれは、「歩いて上がろう」と言いだした方がめっちゃ責められて、険悪な雰囲気になるに違いありません、なんて。



1時間ほど歩いて、ようやく海が見えてきました。


途中、40代位の女性が仲間に遅れをとって、ゆっくり歩いておられました。

もう本当にヨレヨレになっておられて、

私が 大丈夫ですか?と尋ねたほどです。

でも、なんとか頑張って下りられたようで、駅でお会いしました。

1時間10分位かかったでしょうか。


 

帰国して、南フランスに詳しい人達にニーチェの道を下りた、と言うと、

ひゃー!とか  ヒェーとか なんでーとか

ウソーとか  言われました。

褒められるより、なんであんな所をわざわざ、みたいな言い方でした。

ま、いいです。

無事で下りられて、本当に良かったです。


しかし、本当にクッタクタになりました。

まだ旅の半分も終わっていないのに、

旅のエネルギーの八割は使ったような気がしました。

まだまだ旅は続きます。


今日も拙ブログを見て下さり、ありがとうございました。