モーニング娘。'24の15期メンバー北川莉央さんと言えばハロプロ歴代でも屈指の美貌と強さと儚さを宿したクリスタルボイスの歌声で知られる方。

しかし、そんなに普段は取り上げられないけど莉央ちゃんの「トーク」もその大きな魅力のひとつです。

今回のイベントではそのトーク力が炸裂。

その最たるものがファンからの質問への回答コーナーでの一幕。

一人旅をよくする莉央ちゃんに、一人旅の秘訣はとの質問が。

先日もフランスはパリまでひとりで行って来たという猛者の莉央ちゃん。

事前の計画とか踏み出す勇気だとかの話になるかと思っていたら、まさかの回答が。

「後藤花を心に宿す」

後藤花

昨年5月にアンジュルムに加入したメンバーで芳紀15歳。

ハロプロ内でも最老舗のモーニング娘。はよそのグループから恐がられている面があるそうですが、この新参の後藤花さん、娘。の楽屋にふらっと遊びに来て何やら言いたいことだけ言ってさっさと帰るらしい。

その物怖じせぬ心の強さにあやかるべく、私は後藤花だと心に後藤花を宿して旅に出る。

後藤花さんの使い方には続きがありました。

「どん底まで落ち込んだ時にどうする?」

その答えも

「後藤花を心に宿す」

もはや何はなくとも後藤花状態。

そんな心強い後藤花さんですが、でも同じグループにいたらちょっと大変、とオチまで付いて。

莉央ちゃん、結構滑舌も良くて聞きやすい話し方だし、テンポや強弱も絶妙だし、今の娘。では1番の語り手じゃないでしょうか。

客席に降臨しての客いじりも面白かったし。

「北川莉央のしゃべり」はもっと推されていいと思います。

そんな莉央ちゃんの話芸の根源、それは多分「お母さん」だろう。

イベント夜の部では、お母さんからの手紙が披露されました。

莉央ちゃん、もともと名前は候補がふたつあって、ひとつは「莉央」でひとに好かれるアイドル系。

もうひとつは「まお(漢字不詳)」で女社長になる名前。

で、みんなに愛される人になるようにと「莉央」にしたんだそうで。

オーディションを受けたことで幼稚園受験で入ってずっと進んできた学校を変わることになり、新しい学校でもオール5を取るように頑張った話など、代読していた影アナさんも感極まるようなお話が続いて莉央ちゃんもファンも涙溢れる場面となるはずだったんです。

でも、それがそうはならなかった。

最初に出て来たエピソード、お腹の中にいた時のエコー画像の莉央ちゃんが横綱曙にそっくりなミニミニ曙だったという話だったから。

もうそれか会場のみんなの頭から離れなくて。

結果、全編通じてなんとも言えない温かさのあるお手紙となっていました。

ハロプロに限らずいろんなところで「母からの手紙」的なものに遭遇しますが、自分がこれまで出会っその類の中では莉央ママの手紙が白眉。

最初から最後まで引き込まれるとても素敵なユーモア溢れる手紙でした。

そんなものを書く母上の言葉に包まれて育った莉央ちゃんなればこそ、あのトークがあるんだと思います。

以前は娘。も舞台をやってましたが、15期が加入してからはコロナ禍もあって舞台は行われていません。

莉央ちゃんが役者として舞台に立ったらきっと中々なものを見せてくれるに違いない。

加入してもうすぐ5年が経つ莉央ちゃん、歌もダンスも成長してエースの呼声も高いですが、これからまだまだ大きく花開いていく存在です。

娘。としての活動の先に一体どんなに未来を見ているんだろう。