朝起きたら
空には重い雲が垂れ下がっていたのに
天気予報のテレビは
お昼からおひさまのマークをつけ
しかも20度以上の気温を提示していた。
こんなに暗く重い空でも
光にあふれた午後があることを信じろという。
天気予報って何て自信にあふれているのだろう!
だろうな、というときよりも
うそだろ?と思うようなときのほうが
信じることにスリルがある。
その暗い空の下に
たまった洗濯物を思い切って干しておいた。
外出先につくまでのうちにみるみるそらは晴れ
ぽかぽかとしてきた。
あんなに暗かった空が。
この世界には
「あんなに暗かった空が、すっかり晴れて青空」
という日が来るのだろうかと、
さまざまな苦しみにさいなまされている国家や人々を
どうしたら自分の心は
それらを他人事にしないでもっと考えられるのかと
答えの出ないことを考えるのが秋かもしれず。
すっかりかわいた洗濯物は
秋の空を吸い込んでやわらかくふくらんで乾いた。