彼岸である。
立秋のとき「立秋はやっぱり立秋だ」と
言っていたら
こーちが
「むかしのひとはすごいね、彼岸とかもね」と
いっていたのを思い出した。
ちゃんと今日から秋が深まっていくの感だった
からである。
朝めがさめたときまだ暗いなか
秋が
失われてほしくないさまざまなものと
失われてほしくない「ものではないもの」に
ちがった
失われてほしくない目に見えないものの
うへに(上ではなくうへに的な…)
寂寥感をまとって
降りてくるのだった。
まだ暗い中
大切なものを空でつかみ
その寂寥感にたえながら
失わないようにいつまでもあたためる
のが秋の彼岸。