遠ざかっていこうとする
自分の感情を
ながめているようなときは
それを追いかけはせず
よしよしこのまま
自然に行ってしまえ
結構平気だぞと
だましだまし
痛みが少ないように少しずつ
自分から切り離していくのだ
月の光を浴びながらだと
それはなおさら痛みやわらかく
なにか麻酔にでもかかったように
緩和されている
中途半端でとまったら
痛みを思い出してしまうから
このまま
この月夜のうちにと
少しずつ少しずつ
目覚めたときにはきっと
何を切り離したかさえ
もうわからなくなっているのだ
そして切り離されたものは
無くなることもできないので
宇宙のかなたへと遠ざかり続けていく