前髪
上着
靴の先
鞄
右肩
また前髪
次々舞い降りては
消えてゆきます
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どのみち消えちゃうのなら
彼女の頬にたどり着きたい
僕たち雪は分かるから
人々の持つほんとうの
真っ白い素直な気持ちが
彼女が放つ言葉とは
正反対の気持ちがあるんだ
彼女の頬にたどり着き
彼女が決して流せない
素直な涙のかわりとなって
あたたかく溶けていきたい
そうだよわかっているんだよ
ほんとはわかっているんだよ
彼女もわかっているんだよ
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空を仰ぎ見た瞬間に
雪がひとつぶ頬に落ち
あたたかく溶けていきました
雪が降る日は
なぜかしら
素直になれる気がします
誰かがわたしのほんとうを
わかってくれてるみたいです