隠れるツキノワグマ | 世界のブナの森

隠れるツキノワグマ

 

ツキノワグマは、ブナと関係する生きものを撮るなかで追いかけてきたが、このごろは里山の維持管理を考えるうえで、無視できなくなってきた。水生生物の調査の合間に広く秋田県内を走ってみたが、山形とは桁違いに人の生活圏にクマが入り込んでいた。

 

写真は山間の水田でコメを食べていたクマが、人の気配を感じて畦に身を隠している場面。イノシシ用の電柵をまたいでクマと通路がみえる。背後から見下ろしている私の匂いには気づいていたが、姿は見えておらず、普段水田に人が来る農道のほうをしきりに窺っていた。やがて私に気づくと、川をまたいで林に入っていった。

 

ツキノワグマは洟を垂らしていた。
秋田県、10月17日