紅白 | 世界のブナの森

紅白






年頭に、ロシアのアツモリソウを。この花にはそれなりに出会っているが、2007年6月に、雨のなか5日間斜面を這いずり回って10株ほどを初めて見つけたときの、あの感激に勝るものはない。その後、この花だけを求めて3度も通ったが、いずれもわずかに季節進行がずれたりして花がややくたびれており、涙を呑んだ。これまでに延べ100株近くは見つけたが、大半の花は桃色あるいはわずかに黄色を帯びたりして、ここまで真っ赤あるいは純白というのは本当に稀だ。通い続け、探し続けていると、時にそうした僥倖が訪れることがあるけれども、手ぶらで帰ってくることの方がずっと多い。

ロシア沿海州最南部、2007年6月5日