シンガポール
チャンギ空港。
私にとって
この空港は
自ら招き寄せた
屈辱的で
まるで
三流漫才の
よくできたネタのような
話が生まれた
思い出の場所だ。
一度目のネタ(100%ノンフィクション)
★ドリアンの思い出★
短期滞在先のシンガポール。
先方の会社の同年代の社長秘書のインドネシア系シンガポーリアンのSuminaと
すっかり意気投合。
シンガポール版アフター5を二人で満喫していた。
当時流行っていたディスコというディスコはすべて制覇。
Suminaの友達と毎晩遊びたおしていた。
地元シンガポーリアンは、どうしても
ジャパニーズにドリアンを食べさせたいらしい。
きっと、これは日本人が西洋人に納豆を食べさせるのと同じ感覚?
くさいけど、ヤミツキになるから・・・・
納豆感覚?ぐらいの軽い気持ちで
チャイナタウンのカフェテリア(ドリアンテリアと呼びたいっ)へついて行った。
もう、ドリアンテリアの入り口が見えないうちから
ガスもれのような、何が腐ったような、嗅いだことのない体を壊しそうな悪臭がプンプン漂っていた。
あ、やばい・・・・やばいかも・・・・
Suminaたちは、ウレシそうに私をもてなしてくれてるわけだし、ちょこっとだけ我慢しよう。
そう心に決めなきゃいいのに、決めてしまった。
ドリアンテリアで、グジャグジャチュパチュパいいながら
グロテスクなドリアンをほおばるシンガポーリアンに囲まれて
めまいがしそうだった。
こ、このにおい、吐きそう・・・・
Suminaが買ってきてくれたドリアンはこの上なく大きかった。
ここからはほとんど記憶がない。
あまりにも強烈で嫌な思い出というものは、脳の自浄作用で上手に消えてしまうものなのか?
覚えているのは、涙が出るのを我慢していたこと。
笑顔を作るのってこんなに難しいものなのね・・・・・・と痛感していたことだけ。
完食しなきゃいいのに、してしまった。
Suminaたちは、ジャパニーズも大丈夫ねっ!おいしいでしょ。
でもね、シンガポーリアンでもこのにおいはくさいと思うから、公共の場所では持ち歩けないんだよ。
地下鉄なんかに持って入ったら罰金なんだからぁ~。
笑顔で教えてくれる。
お、お、おそーーーーーい!!!その情報。そんなもん食わすなよぉ~。
思いっきりの笑顔を作りながら、心で涙の集中豪雨を降り注いだ。
そして翌日、川沿いの若者のたまり場、オープンカフェやカジュアルレストランの立ち並ぶボートキーへ。
Suminaが、Hiromiの好きな(好きとは一言も言ってないぞっ。)ドリアンのアイス食べよう!との提案。
昨日食べたからもういいと断ったのに、このアイスがまたオススメらしく無理やり買ってきてくれた。
アイスクリームならなんとか大丈夫かも・・・・・だって昨日はあれだけ強烈な悪魔の果実を食べたのだから・・・と浅はかにまた、挑戦してしまった。
そう!私は乳製品にも弱い。日本にいて好き嫌いはほとんどないけれども、決定的にダメなのが、ひとつ。
牛乳。濃厚なバニラアイスクリームも苦手。
Suminaが持ってきてくれた、ドリアンのアイスクリームは 濃厚な牛乳たっぷりのコッテリアイスのドリアン風味。もう、これ以上書くと封印していたあの感覚が蘇りそうなので、やめておくことにする。
滞在最終日、仕事先の社長夫婦と食事。チャイナタウンへ。
い、い、い、嫌な予感。
ここから先はここまで頑張って読んでいただいた奇特な読者の方の麗しい想像力におまかせする。
はっきりいってこの一週間ほどの滞在中、最初のドリアン体験から、ほとんど何を食べてもドリアンのにおいが体や内蔵の中からとれず、食欲もわかず、精神的ショックからか帰国後みんなに驚かれるほどやせてしまった。
このにおいは自分自身が作り出しているにおいなのか?実際ににおいを撒き散らしているのか?
チャンギ空港
日本人の帰国便が一番混雑する時間帯なので、旅行客やらビジネスマンたちに混じって
手荷物チェックを受けていた。
・・・・・・・・・
私の荷物で何かがひっかかったらしい。
・・・・・・・・・
混雑して賑やかな場所、まだ英語能力も未熟な私
何がなんだかわからず
いわれるまま荷物を見せていた。
なんだか尋常じゃない怖い顔で私をにらむ担当員。
中国語で職員同士が話しをしている。
何??荷物を解かれる。
ちょ、ちょっと待ってよぉ~。何ももってないって~。
と同時に職員からか、ほかの旅行客からか
ドリアンという声が聞こえた。
ドリアン?
遠くで空港職員たちがかけつける。
ドリアンドリアンドリアン・・・・・私の記憶はまたまたここで飛んでしまう。
周りは大騒ぎ。日本人観光客たちもひそひそ
あの人ドリアン持って帰ろうとしてうよ・・・・
くさいよね~。そういえば。
たぶんこんな感じなはず。
大騒ぎになり、いろんな人が周りにやってくる。でもドリアンにしたら大げさじゃない?
結局
電池をとり忘れたアラーム時計が、爆弾か何かの疑いがあると思われたらしい。
で、なんでドリアン?
ちょっと離れたところでドリアンの匂いがしたらしく、誰かがドリアンの匂いがする・・・と言って、
ちょうど同時に私が検査でひっかかって、そうしたら、関係ない職員が私もドリアンの匂いがするって言って
なんだか奇妙で迷惑な偶然が重なって、すべての根源が私みたいな状況になったわけ。
ドリアンの匂いは幻想でもなんでもなかったようで
飛行機の中は
とても居心地が悪かった。
すっかりドリアン恐怖症になってしまった。
ドリアンファンの方、及びにドリアン栽培農家の方、流通関係の方
ごめんなさい。