寺沢大介「将太の寿司国編(3)」 | ロロモ文庫

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ケーキの秘密

玉子焼き勝負が始まり、坂田は薄焼き玉子焼きを作って9点という高い評価を得る。しかし将太は厚焼き玉子を作り、それは10点満点の柔らかさを評価を受ける。何か細工しよったなと叫ぶ坂田。「違います。僕は卵以外の材料を使ったりしません」将太はエッグ・セパレーターで白身と黄身を分け、白身だけをボウルに入れて、猛烈に混ぜ合わせ、その中に黄味を混ぜ合わせ、鍋に入れる。

すると玉子焼きはあっという間に膨らむ。その秘密は泡立てた卵白がふんわりとクリームになっていることにあった。あれはメレンゲ、と叫ぶ直子。「メレンゲというのは卵白に砂糖を加えて泡立てたもので、ケーキの材料なんかに使うものなの。卵白を泡立てると、その中に細かい空気の粒が無数に入るの。その空気が卵白をふっくらと膨らませて、白いクリームみたいにふんわりなるのよ。メレンゲを入れた玉子焼きを焼くと、その細かい空気が熱で膨張して、ふっくら柔らかい玉子焼きができるのよ」将太は第一課題に続いて、第二課題も満点で突破する。

 

影の立役者、現る

佐治も大年寺も9点を獲得して、第二課題を突破する。しかし「第二課題はまだ終わっていない」と言いながら料理人殺しの武藤鶴栄が現れる。「第二課題の玉子焼きは、それだけではただのツマミに過ぎない。だが寿司屋の玉子焼きというのは、玉子焼きに酢飯を合わせて初めて完成と言えるものだ。従って、それぞれの玉子焼きを握り寿司へと握ってもらう。それも普通の握り寿司勝負では面白くない。早握り勝負。制限時間内に何個の寿司を握れるかの寿司勝負だ」

超特大の羽釜が持ち運ばれる。「この羽釜より自由に御飯をよそって、手元に用意した合わせ酢で酢飯を作っていただく。制限時間は酢飯を合わせる時間を入れて15分。それでは始め」将太は気後れした羽釜にたどりつくのが遅れるが、底のほうに潰れていない銀シャリが残っていてほっとする。将太は急いで握り寿司を作るが、自分の作った寿司の酢飯がみんな崩れてしまっているのに気づく。

「そうか。厚焼き玉子は表面がツルツルしているから、酢飯とがっちりかみ合わない。だから厚焼き玉子を握る時には、できるだけしっかりと握りこまなきゃならないんだ」将太は他人が全員握りの簡単な薄焼き玉子の柏づけなのに対し、自分だけが握りに倍の時間がかかる厚焼き玉子であることに気づく。