パイロットのタックは一流のパイロットが集まるパーティーで醜態をさらし、恋人で新聞記者のリディアをがっかりさせる。「もう別れるわ」「考え直してくれ。君は俺のことを愛しているんだろう。確かに酔っぱらって馬鹿なことをしたさ」「もう行くわ。あなたは優秀なパイロットのはずなのに、無謀なことばかりするわ」「リディア。つま先を見てくれ。ドアを蹴っ飛ばして骨折した」「ハートの痛みのほうがつらいわ」タックの元を去るリディア。
やけになったタックは科学実験のテストパイロットに志願する。それはミクロに縮小された潜航艇に乗って、ウサギの体内にはいるという実験であった。研究室に入ったタックは科学者オジーによって潜航艇こと縮小化され、注射液の中に入れられる。そしてウサギの尻に注射される寸前、研究所は女科学者マーガレット率いるギャングに襲われる。
マイクロチップを奪って、にんまりするマーガレット。オジーは注射器を持って逃走するが、殺し屋のアイゴが追跡する。追い詰められたオジーは、エレベーターの中で出くわしたスーパー店員のジャックの尻に注射して息絶える。ジャックの顔を見て、にやりとするアイゴ。
ジャックは気の弱い青年で、何をするにも自信がもてずに精神分析の治療を受けていた。ジャックの視神経に侵入したタックは、自分がウサギではなく人間の体内に注入されたことを知る。「この実験を行うためには二枚のマイクロチップを用いるわ。ミニチュア化には一枚を使用。復元化には二枚必要」マーガレットはジャックを捕まえるようにアイゴに命令する。
タックはジャックの中耳に入り、(俺の声が聞こえるか)と問いかける。とうとう幻聴が聞こえるようになったかと嘆くジャックに、(俺は君の身体の中にいる)と訴える。「俺は悪霊にのっとられた」しかしタックに何度も説得され、タックが自分の身体にいることを認めていくジャック。
(俺はタックだ)「僕はジャックだ」(俺の言うことをよく聞け。お互いに助け合うんだ。お前は研究所の人間か)「僕はスーパーの人間だ」(ミニチュア実験のことは知らないのか)「それは何のことだ」(俺は縮小されてウサギの身体の中に入るはずなのに、君の身体に入ってしまった)「なぜだ」(わからん)
研究所に行き、科学者たちに訴えるジャック。「タックが僕の身体の中に入ってる。なんとかしてくれ」科学者たちは別室に行くが、タックは科学者たちの会話を聞けるように、モニターのスイッチを入れろとジャックに命令する。
話し合う科学者たち。「二枚のチップによる復元成功は我々だけだ。一枚は潜水艇の中」「もう一枚は誰かに盗まれた。スペアはないのか」「あるもんか。作っても明朝九時には無理だ」「明朝九時?」「明朝九時になると、潜航艇内の酸素が切れる」「心配するな。肺へ行き、ハッチを開けば、酸素は取れるさ」「ハッチを開けると、気圧の急変化で、潜水艇は大爆発する」「あせるのはよそう。相手もチップ一枚ではどうにもならん。我々はゆっくり新しいチップを作ればいい」「タックはどうする」「残念だが彼はあきらめよう」
タックは自分の車を運転して、研究所から逃げるようにジャックに命令する。(急いでくれ。骸骨を乗せた小さな潜航艇が、一生お前の身体でフワフワ。嫌だろ)「それは嫌だ」タックの赤いポルシェを運転するジャックは、身体の中で暴れないでくれとタックに頼む。「脊髄損傷ですまん、じゃすまされない」(わかった)タックの家に行き、リディアの写真を見るジャック。「これは君の恋人か」(そうだった。おい、浴室の鏡に行ってくれ。君がどういう顔の奴かみたい)ジャックの顔を見て、そんな顔かつぶやくタック。(君だけでは頼りないな。助けが必要だ)
リディアは、赤いポルシェを運転するジャックを見て、あんたは誰と聞く。「これはタックの車よ」(リディア黙れ、と言え)「リディア。黙るんだ」「……」「タックが君の助けを必要としている」リディアをレストランに連れて行くジャック。「誘拐でもされたの」「ある意味ではそうだ。マイクロチップが今朝研究所から盗みだされた」「あなたは誰なの」(男らしくふるまえ、ジャック)「リディア、俺を信用してくれ。時間切れは明日の午前九時だ」「彼はどこにいるの」「君の目と鼻の先だ」
トイレから戻ったジャックをアイゴが襲う。リディアはジャックを助けようとスタンガンを発砲するが、それがジャックに当たってしまい、ジャックは気絶する。気絶したジャックを冷凍車に乗せて逃走するアイゴ。それを追うリディア。冷凍車に乗り込むスクリムショーは、核開発や宇宙競争は失敗で、これからはミニチュア化技術を支配する国が世界のリーダーになる、とジャックに力説する。「それがどこでもいい。俺は金になればいい。だから君の体内の潜水艇を手に入れたいのだ」
脅えるジャックを励ますタック。(ドアはあいている。君は昨日までの君とは違うんだ。自分の手で困難と闘う強い男だ。ドアから飛び出せ。車から飛び降りろ。一生、スーパーの店員で終わるのか、それとも本当のスーパーマンになるのか。君ならできる)ジャックはドアをあけて、リディアの運転するポルシェに乗り込むことに成功する。
ホテルにジャックを連れて行くリディア。「ここである人を待つの」「誰だ」「カウボーイよ。いつもこのホテルに泊まるの。彼がチップへの鍵よ」「何者だ」「故買屋よ。自由諸国のハイテク情報を盗み、海外で売りさばくの」カウボーイの隣部屋にチェックインするジャックとリディア。ジャックにタックと親しいのかと聞くリディア。「ああ、一心同体さ」「そう」「君は彼のことを愛しているのかい」「……」リディアは同僚に電話し、スクリムショーが犯罪組織の影のボスであることを聞く。
リディアはカウボーイと接近して、カウボーイが明朝スクリムショーと会うことを聞きだす。好色なカウボーイはリディアを誘惑しようとする。「俺はセックスする時は、ブーツを脱がないんだ」リディアのことが好きになりはじめたジャックはカウボーイを殴りつける。ブーツをはいたまま失神するカウボーイを縛りあげるジャック。
(ジャック。カウボーイをよく見ろ。輪郭分析開始。鏡の前に行け。君の神経組織と筋肉を調べる)「何をする気だ」(君の顔を変える)コンピューターをプログラミングしてジャックの顔をカウボーイに帰るタック。カウボーイが二人いると錯乱するリディアを落ち着かせるジャック。「僕を信じてくれ」「その声はジャックの声だわ」「後で説明する」
カウボーイになりすましてスクリムショーと会うジャック。「この御婦人は」「俺の義妹だ」「何か声が違うな」「風邪を引いた」「ではビジネスだ。ミニチュア化の秘密は二枚のチップ。そのうち一枚は入手して、もう一枚ももうすぐ手に入る」「よし。その一枚を買おう」ジャックはチップを受け取ろうとするが、興奮してアドレナリンを分泌しすぎたため、ホルモンのバランスが崩れ、顔が元に戻ってしまう。「お前はジャック」
地下室に放り込まれるジャックとリディア。これはどういうことなの、と説明を求めるリディア。(仕方ない。説明してやれ)タックが自分の身体の中にいると説明するジャック。「そんな話はありえないわ」(しょうがない。俺の言うように話せ)「リディア。あの日は悪かった。つま先よりハートが痛んだ」「タック?あなたね」
思わずジャックにキスをするリディア。ジャックはタックに一分間だけモニターを切ってくれと頼む。(やばいよ。交信ができなくなったらどうする)「一分だけでいいんだ」(わかった)リディアと向かいあうジャック。「なんて言えばいいかわからないが、君と知り合って、たった一日だが」「……」「言葉は面倒だ」思い切りリディアにキスをするジャック。
マーガレットの研究室に連れて行かれ、手術台に寝かされるジャック。「アイゴをミニチュア化して、ジャックに注射する。体内でタックを始末して、チップを奪い取るの」タックは胎児を見て、自分がリディアの中に入っていることを知る。(驚いたな。パパだよ)見張りをスタンガンで倒すリディア。アイゴはミニチュア化され、ジャックの体内に注入される。チップの回収はどうやってやるんだ、とマーガレットに聞くスクリムショー。「涙腺か汗腺から潜水艇ごと脱出を」「面倒だ。体内でチップを奪い、その場で復元を」「ジャックの体内で?実験室の掃除が大変だわ」
そこでスタンガンを持ったリディアが現われ、ジャックを自由にしろと命令する。ジャックとリディアはマイクロチップを奪って逃走する。(リディア、僕だ)私の中にタックがいる、と叫ぶリディア。「どうして君に」「あの時の地下室のキス」「よしもう一度」再びジャックの中に戻るタック。「奪われたチップは取り戻した」(よくやった)「だが敵が体内にいる。君を殺しに来る」ジャックの体内でアイゴと死闘を演じたタックは、アイゴを胃液の中に落とすことに成功する。
研究室に入ったジャックにくしゃみをしろ、と命令するタック。「くしゃみは時速160キロだ。くしゃみで肺から吐き出してくれ。もう酸素がない。鼻をむずかゆくしてくれ」ヘアスプレーをかいで思い切りくしゃみするデビッド。体外に出された潜水艇は復元され、タックは元の身体に戻ることができる。リディアと抱き合うタック。「妊娠しているよ」「え、本当」タックと握手するジャック。「無事でよかった」「お互い頑張ったな」「君はこんな顔をしているのか」
リディアとタックは結婚式をあげる。いいチームだったと二人を祝福するジャック。二人は空港に行くリムジンに乗り込む。その車を見つめるジャック。「あの運転手のブーツ。あれはカウボーイだ」僕は病気が治ったと叫ぶジャック。「僕はスーパーを辞める」タックの赤いポルシェに乗り込むジャック。「二人を助けに行くぞ」