タイガーマスク 第18話 | ロロモ文庫

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宿命の対決

インディアン・アパッチに快勝したタイガーに手紙を送る大門。<久し振りでお前の元気なファイトを見せてもらった。すぐにも会って話したいのだが、今じゃ俺も虎の穴に狙われる身でね。いずれまたゆっくり会えるだろう。親愛なる友。大門>

やっぱりあの時の男は大門だったのかと呟く直人。(そうか。やっぱり彼は日本に戻っていたのか。なぜ虎の穴に狙われるような。待てよ。彼が組織を裏切ったなら、それはタイガーマスクに対する挑戦を断ったとしか考えられない。するとミスターXに捕まったらいずれリング上に。そうだ、ロッキーやリコのように、お前もか。大門、逃げろ。俺に近づくな。俺はお前を殺させたくない。ミスターXは必ずお前を悪役レスラーとして俺に挑戦させるだろう。その時、このタイガーの死がやってくるかもしれんのだ)

大門に麻酔銃を撃って捕らえ、拷問を加えるミスターX。「頼む。眠らせてくれ」「どうかね。君が一言タイガーを地獄に送ってやると言えば、好きなだけ眠らせてやるのだが」様々な拷問に耐えるが、虎と戦えと言われ、観念する大門。「そんなに俺とタイガーと戦わせたいなら、やってやる。ただし俺が生き残ったら、貴様の首をへし折ってやるからな」「ふふふ。それもよかろう。そのファイトでタイガーにぶち当たれ」

ううむと唸る大門。(すまん、直人。こうするより俺達が生きのびる道はないのだ。お互いリングに上がれば死力を尽くす二人だが、こんな虎にやられるなら、いっそお前に。いや、いかん。勝負は勝たねばならぬのだ。たとえ、直人、お前が相手でも。それが俺達悪役レスラーの宿命なのだ)

タイガーマスクの対戦相手のコマンチを拘束するミスターX。タイガーマスクの不戦勝を告げるレフェリー。そこに現れるミスターX。「タイガー。このままではお前の試合を見に来た客が黙っていまい」「はは。勝ちは勝ち。相手がいなくては話にならん」「だが貴様をスクラップにして地獄に送ってやろうと言うヤツがいる」「ん」

リングに上がり、レフェリーをリング外に放り出す不動明王のマスクをしたレスラー。「行くぞ、タイガー」「大門。なぜやってきた」「俺はそんな男じゃない。ただの悪役レスラー。ミスター不動だ。遠慮はいらねえ。反則で勝負しろ」タイガーを一方的に攻撃するミスター不動。「どうした、黄色い悪魔」「くそう、大門」「俺は大門じゃねえ。お前を地獄に送るために来た虎の穴の使者だ」(しかし、この声は確かに大門だが、ひょっとすると)

パンツからメリケンを取り出すミスター不動。「ふふふ。笑わせるぜ。黄色い悪魔は日本に来て飼い猫にされちまったか。どうした、得意の反則技は」(やはり、ヤツじゃない。大門がメリケンを使うはずがない)「死ね、タイガー」ミスター不動のメリケン攻撃をかわし、キックを浴びせるタイガー。リング外に転がり落ちるメリケン。ミスター不動の脳天に空手チョップを浴びせるタイガー。真っ二つに割れるミスター不動のマスク。「う。大門」タイガーの右手を掲げる大門。「大門」「久し振りだな。会いたかったぜ」「やっぱりお前だったのか」「俺の負けだ。それにしてもお前は強い」「大門。俺は」「何も言うな。じゃあ元気でな」「あ、待ってくれ、大門」

大門を追おうとするタイガーの前に現れる馬場。「あ、先輩」「このメリケンを見ろ」「これは鉄じゃない。ゴムだ」「うむ」「そうか。そうだったのか。俺を奮い立たせるために」大門を追おうとする殺し屋の前に立ち塞がる直人。殺し屋に銃をおろせと言うミスターX。「こいつにはこいつにふさわしい死に方がある。多くの人が見ているリング上で無様な死にざまをさらすのだ。それがやっぱりお前にふさわしい」「……」「今夜はお前の顔に免じて、大門は見逃してやる」「奴には指一本触れさせない」「覚えておけ。奴もお前も必ず殺してやる。虎の穴は決してあきらめない。ふふふ」大門と叫ぶ直人。歩みを止める大門。(直人。心配するな。俺は生きてやる。どんなことをしても生き抜いてやる)大門は再び歩き始めるのであった。