作:雁屋哲、画:花咲アキラ「美味しんぼ(640)」 | ロロモ文庫

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日本全県味巡り大分編(5)

究極のメニューを発表する席で、大分県では内陸部と沿岸部では違うと語る山岡。「たとえば鍋だ。まずはハモシャブ鍋。鍋のダシの中でハモを泳がせ、ポン酢で食べろ。大分だからポン酢では大分名産のカボスだ」「ぬ。身はほろりと柔らかく、泳がせただけだから、火は通り過ぎず、しゃっきり歯ごたえがある」「今度はうるか鍋だ。鮎は三隅川で獲れたもの。鍋の中身は鮎、里芋、白菜、深ネギ、さらしコンニャク。全て日田の川の幸と山の幸だ」「ぬ。玄妙な味わいだ。この香りは心を動かす」

今度は普通の食べ物だという山岡。「蒲江のさつまを復元したものだ。カマスを素焼きにし、身をほぐしてゴマを加えて、よくすりつぶす。そこに砂糖と味噌を加え、焼いた魚の骨で取ったダシ汁を加え、冷蔵庫でよく冷やす。この汁にキュウリ、シソ、みょうがなど好みで加えて出来上がりだ」「海辺の人でないと考えつかない総菜だ」「今度は内陸の食べ物の代表でだんご汁だ」「ぬう。幅広で厚みがあるから歯ごたえがあるし、うどんより親近感を抱くな」

日田のたらおさと竹田の頭料理を出す山岡。「だんご汁もそうだが、食生活を豊かにするための熱意と工夫がたらおさと頭料理にある。大分の食文化を考える時、沿海部の豊かな海の幸と、内陸部の食に対する工夫と熱意。この二つを忘れてはいけない。また普通の食べ物に食文化の根源がある。これらを加味して考えた大分の究極のメニューだ」「ぬう、まただんご汁か。芸がないな」

ぜいたくだんご汁だと言う山岡。「汁は日田の三隅川の天然のスッポンを使って取ったスープを使った。三隅川のスッポンの味の濃さは養殖物と桁外れだ。由布院では皮づくしと言って、鯉の皮、鰻の皮、スッポンのエンガワ、地鶏の皮を食べた。その鶏の皮とネギと一緒に焼いたのを浮かべた。その上に乗せたのは蒲江のトビウオのすり身のテンプラだ。これで大分の山の幸、海の幸が丼の中にそろった」「ぬうう。これはいい、まさに大分の食であると納得できる」