ガメラ対大魔獣ジャイガー | ロロモ文庫

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大阪万博を控え、北山船舶修理工場を営む北山は、エキスポランドで使う子供用潜水艇の製作に励んでいた。万博広報部員の沢田は、北村の息子の弘を連れて万博会場を案内する。ウィリアム博士の写した石像の写真を沢田に見せる弘。「トミーのパパがウエスター島で写したんだって」「ウエスター島ってどこにあるの」「南太平洋赤道直下だよ。その石像を万博に展示するために、ウィリアム博士がウエスター島まで受け取りに行ったのさ」「なぜ石像を万博に展示するの」

万博開催のテーマは「人類の進歩と調和」であると説明する沢田。「太陽の塔の内部では、生命の樹を飾り、アメーバから人類まで進化し続けた流れを模型を使って、わかりやすく説明するんだよ。勿論古代文化の遺物もいくつか展示される」「そこで沢田さんの考古学の知識が発揮されるわけ」「そう。遠く未来や宇宙ばかり目を向けないで、少しは地球のことを知らなきゃ。ウエスター島の石像だってまだまだ謎なんだ。この石像は誰がいつ何の目的で作ったか。一切わかってないんだ」

ウエスター島の文化使節のギボーは、石像を万博に展示すると祟りがあるのでやめてくれ、と沢田に訴える。巨石文化の謎が解けると古代文明の謎が解けるかもしれないと説明する沢田。「たとえばムー大陸の謎です。小さな島々にある遺跡は、二万五千年前に沈んだと言われるムー大陸の歴史を語りかけているのかもしれません。その謎を解く一番の手がかりとして、我々は「悪魔の笛」と呼ばれるウエスター島の石像に注目しているんです」しかし、ギボーは「ジャイガー」と叫んで、席を立つ。

ウエスター島ではウィリアムたちが石像の移動作業に取り組んでいたが、そこにガメラが空を飛んで現われる。ガメラは移動作業を妨害しようとするので、ウィリアムはガメラを攻撃してくれと要請する。ガメラを攻撃してはいけないと、ウィリアムに訴える息子のトミー。「ガメラは平和を愛する優しい子供の味方だと、弘君が言っていた」「馬鹿な。あんな怪獣を信じるなんて。とんでもない」

その時、ウエスター島の火山が爆発し、ガメラは火山エネルギーに釣られて、噴火口に向かう。その隙にヘリコプターで悪魔の笛を搬送船に積み込むウィリアム。その時、奇怪な音が周囲に鳴り響く。「あの音はなんだ」「わかりません」

大阪に戻ってきたトミーはガメラに襲われそうになったと弘に話す。「そんなバカな。ガメラが子供を襲うなんて。ガメラが仕事の妨害をしたのはきっと何か意味があるはずだ。きっと石像を持ち出すのを止めようとしたんだ。トミー、その石像を積んだ船はいつ着くの」「明日、大阪港に着く予定だよ」

そのころ雷鳴鳴り響くウエスター島では、悪魔の笛が発掘された地面の下でから、大魔獣ジャイガーが現われる。海水を飲んで咽喉を潤すジャイガーの前に立ちはだかるガメラ。二大怪獣は決闘を繰り広げるが、ジャイガーはミサイル弾をガメラの手足に撃ち込んで、ガメラを仰向けにすると、海の中に消えていく。

沢田の指示で搬送船より悪魔の笛は荷揚げされるが、その最中に作業員の一人が、奇怪な音のために卒倒してしまう。大阪港にジャイガーが現われて、大阪市に上陸してしまう。ニュースを伝えるアナウンサー。「大阪に上陸した怪獣はウエスター島の石像の下から出現したものと判明。ウエスター島文化使節のギボー氏がしきりに口にした、ジャイガーという言葉は、古代ムー大陸の伝説に登場する悪魔のような大魔獣のことだそうであります」

あの石像はお守りだったんだ、と言う弘。「大昔のムー帝国の人があのお守りでジャイガーを封じ込めていたんだ」それはどうかな、という沢田。「あの怪獣の破壊力を考えれば、あの石像を跳ね飛ばすくらい簡単なことだよ」「何か秘密があるんだよ」「でもあの怪獣が石像を追いかけてきたとすると、あれを万博会場に置くと、会場は無茶苦茶になってしまう」

自衛隊はジャイガーを攻撃するが、ジャイガーはミサイル弾や一瞬にして全てを破壊する光線を放って対抗する。ガメラは仰向けになってもがいていたが、なんとか手足のミサイル弾を引っこ抜くと、ジェット噴射で空を飛んで、大阪に向かう。ジャイガーの猛威は衰えず、通天閣も破壊する。

絶叫するアナウンサー。「国立科学研究所鈴木博士の発表によりますと、一瞬にして町を焼き払う光線は、超音波で何もかも焼き払う恐るべきマグネシウム光線であるとのことであります」大阪に到着したガメラは再びジャイガーと戦うが、隙をつかれたガメラは、ジャイガーの尾から出た突起を首筋に突き刺されてしまう。それからガメラは戦意を失い、海岸に向かい、そこで動きを止める。ガメラ、どうしたんだ、と叫ぶ弘。半透明状態になってしまうガメラ。

ジャイガー対策会議が開かれ、発言する万博事務局長。「世界中から大阪中のホテルに万博目当ての客が予約してましたが、皆キャンセルしてます。ジャイガーを倒さない限り、万博の開催は不可能です」鈴木はジャイガーの弱点が見つからんと呻く。ウィリアムは石像が10分前から奇妙な音を出し始め、スタッフの一人が意識を失ったと報告する。

ジャイガーは暴れ疲れて眠りについていたが、石像の音とともに目覚めて、石像を海の中に投げ捨てる。あの石像が手がかりだったのに、と呻く鈴木に、まだあきらめちゃいけませんと言う弘。「ガメラがいます。まだガメラは死んだわけじゃありません」

ガメラのレントゲン写真が撮られ、海洋学研究所の松井博士が説明する。「問題は肺の部分にある黒い影です。私はガメラがジャイガーに刺されて透明になった時、恐ろしい結論に達しました。アフリカゾウの鼻に幼虫の卵を撃ち込んで、幼虫のためにゾウが窒息死しそうになったケースがあり、私はそのゾウの手術をしたことがあります。ガメラもジャイガーの卵を産み付けられ、卵から孵った幼虫が肺に達したのが、黒い影ではないかと思います。ガメラが透明になったのは、この幼虫に血を吸われたものと思われます。とにかく、この影の正体をつきとめることがガメラ復活の鍵になると思われます」

弘とトミーは、子供用潜水艇に乗り込み、ガメラの体内に潜入する。それを知ったウィリアムは子供たちの行動力は見習わないといけないと呟く。トランシンバーで沢田に連絡する弘。「弘君。大丈夫か」「大丈夫です。今、肺に入りました」「恐ろしいジャイガーの幼虫がいるかもしれない。気を付けてくれ」そして二人はジャイガーの子供に襲われ、弘はヤケクソでトランシーバーを投げつける。悶絶するジャイガーの子供。「おかしいなあ。ジャイガーはトランシーバーが嫌いなのかなあ」「もしかしたら、あの雑音が嫌いなのかもね」悶絶死するジャイガーの子供。

潜水艇でガメラの体内から脱出した二人は、トランシーバーの雑音でジャイガーの子供が死んだと報告する。なるほど、と納得する鈴木。「ジャイガーのマグネシウム光線は振動数の極めて高い超音波です。一方、このトランシーバーの雑音は低周波です。まったく両極端のあべこべの周波数です。ジャイガーは低周波に弱いのです」

なるほど、と納得するウィリアム。「ジャイガーがあの石像に抑えられていたのは、悪魔の笛と呼ばれる低周波のためだったんです。大昔の人はいけにえの血を注ぐために、管を通したのでしょう。ところが結果として、その管に風が通ると、気味の悪い音が出たんです。何人かの人が倒れたのは、その音に対するアレルギーだったのです。ジャイガーが悪魔の笛を追ってここまで来たのも、それを破壊するためです。それでこの悪魔の笛の周波数をコンピューターで再現すればどうでしょうか」

眠っていたジャイガーが動き出したと聞いて、万博事務局長はその周波数を大スピーカーで再現してくれ、と頼むが、弘は待ってくれと頼む。「それとは別にガメラを蘇らすことはできないんですか」この忙しいのに冗談じゃない、と言う局長に、身体の中の害虫はいなくなったから、ガメラ復活は可能だ、と言う松井。「ガメラの好きなエネルギー源を注入すればいいでしょう。高圧電流で心臓部を直撃すればいいでしょう」

ジャイガーに対する低周波攻撃は開始され、ジャイガーは動きを止める。同時にガメラに対する高圧電流作戦も開始され、ガメラは蘇生する。しかし目いっぱい電力を費消したため、送電機械はショートしてしまい、ジャイガーに対する低周波はストップしてしまう。再び動き始めるジャイガーであったが、その前に立ちはだかるガメラ。万国博会場を守ってくれと怒鳴る弘。三度目の対決をする二大怪獣であったが、ガメラはジャイガーが海中に捨てた悪魔の笛を使って、ジャイガーを翻弄し、悪魔の笛をジャイガーの脳天に突き刺して、ジャイガーを倒す。

ガメラはジャイガーの死体を抱えて空を飛ぶ。きっとガメラはジャイガーをウエスター島に連れて行くんだと言う弘。悪魔の笛はどうしますか、と言う沢田にレプリカで代用するよと答えるウィリアム。「古代の謎が一つ解明されたんだ。本物はきっと子供たちの言うようにウエスター島に戻してくれるよ」

まさか、という局長に、私はガメラを信じるという北村。これで万博も開催できる、とほっとする沢田。(だが私たちは今度の事件で一つの教訓を得た。子供たちの持っている汚れなき魂を失ってはならぬということだ)沢田はガメラに向かって手を振る弘とトミーの肩を叩くのであった。