作:雁屋哲、画:花咲アキラ「美味しんぼ(580)」 | ロロモ文庫

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ご飯の炊き方大論争!!

ご飯は固く炊かなくてはいけないと言うブラックの師匠の八笑。「江戸の芸人は気風が第一だ。すっきりしゃっきり歯切れよくなくちゃいけねえ。それがこんなにぐちゃぐちゃべったりしたおまんま食ってたんじゃ芸人の心構えってもんができませんよ。もちろん炊けてなきゃあいけませんよ。だけどちゃんと芯まで炊けたおまんまなら硬けりゃ硬いほどいいんだ。まごまごしてたら歯の一本や二本欠けちまうくらい、硬いおまんま食べてこそ粋な芸人になろうってもんさ」

ご飯は柔らかく炊かなきゃいけない言うテルエの師匠のタマヨ。「こんなに硬く炊いちまってどうするんだい。これじゃおこわじゃないか。ご飯はどんなおかずでもそのものの持つ味を引き出してやるところがすごいところだよ。それについちゃご飯は柔らかく口当たりがよくなくちゃいけないよ。それなのにこんなに硬く炊いちまったら、ご飯を味わうのに精一杯でおかずの味がわからないじゃないか。こういうご飯を食べていたんじゃ、我が強いだけで思いやりのない依怙地な芸人になっちまうね」

ベトナムとタイに行ってアジア風のご飯を食べすぎて具合が悪くなったと言うヘンリーの母のケイト。「米の飯は美味しいが、我々西洋人にとってはあまり続くと辛くなってくるわ。ご飯から立ち上るあの湯気の匂いがちょっと鼻について」「米を常食としない人間にはあの匂いが結構強く感じるようだな」「アジア風のご飯はちょっと食べたくないけど、ご飯自体は食べたいのよ」「ぬう、それだ」

ケイトの食べるご飯を見て目を丸くする八笑とタマヨ。「なんだい、これは」「これがご飯だって」「ああ、美味しい。胸がすっきりするわ」「お米を研いだら、干しぶどうを加えて牛乳で煮る。砂糖で甘みをつけ、シナモンを香りつけに加えて出来上がりだ」「まあ。お米を牛乳で煮るなんて」「ひええ、そんなご飯がこの世にあるのかね」「ある。体にいいし、それなりに美味い」

反省する八笑とタマヨ。「世の中にはこんなご飯はあるんだから、柔らかいだの硬いだのと意地を張り合うことはないんだよ」「そのとおり。芸とご飯の硬さの関係なんて、考えてみればこじつけだよ。ご飯くらいで影響を受けるくらいの芸なら、芸とは言えないよ」「ぬう。わかればいいんだ」