杉作Ｊ太郎「ボンクラ映画魂」は実録ヤクザ路線映画から特撮子供テレビ番組まで東映製作作品に出演した俳優たちを愛情込めて紹介している一冊でありまして、この本にロロモに与えた影響は計り知れないほどの大きさはありませんが、かなりの影響を与えていることは間違いなく、特撮子供テレビ番組はともかく、ここで紹介されている映画はレンタルやＣＳなどでかなり見ているわけです。
１０位は＜国際プロレス。「トラック野郎 突撃一番星」では団巌、大前均とともに、悪徳病院のガードマンを演じた＞と紹介したマイティ井上。
９位は＜「トラック野郎 熱風５０００キロ」で巨根の交通巡査・滑川を、欽ちゃん仕込みの大ボケで熱演。見事、飛び道具となった＞と紹介した前川清。
８位は＜「スーパーロボット レッドバロン」で、レッドバロンを操縦する正義の人・紅健を演じた時の名前は、岡田洋介。東映京都のポルノ「独婦お伝と首斬り浅」には東てるみの恋人として登場。作曲家の徳久広司に似てる＞と紹介した槙健太狼。
７位は＜ご存知「仮面の忍者 赤影」の白影参上。「北陸代理戦争」では、貴重なヤクザ姿を見ることができる＞と紹介した牧冬吉。
６位は＜デビュー後の主な活躍の場は「不良番長」シリーズなどの端役。名前に続けとばかりの超男性的な顔は、実に東映東京のムードにピッタンコであった。「仁義なき戦い 頂上作戦」では笹木俊志とともに２人仲良く頭をツルツルに丸めてヤクザを演じ、空手ブームの折に製作された格闘技映画「少林寺拳法」では、片腕を失ってなお戦いに挑む壮絶な若者を演じた＞と紹介した誠直也。
５位は＜「その後の仁義なき戦い」に、ヤクザ組織の下部構成員として根津甚八、宇崎竜童とともに出演。劇中、音楽事務所のマネージャーに見出されて、流行歌手になり、ファンタジーの欠如が必須でもあった実録ヤクザ映画路線にあって、正反対の物語となった＞と紹介した松崎しげる。
４位は＜「仁義なき戦い 広島死闘編」では犬を殺して肉を食卓に並べ、「強盗放火殺人囚」では川谷拓三とともに兄弟で服役したかと思えば、「ふるさと」では廃校になる学校の朴訥な先生を演じた。その一方、大映テレビの「赤い」シリーズでは人間性が完全に欠落した浮気も殺しも朝飯前の極悪人を演じきる。そして「八甲田山」では、弟思いで粘り腰の東北人だったりもする。しかし「土曜ワイド劇場」では泉じゅん相手に不倫のベッドテクが唸り、「人形嫌い」では三原順子の一見熟女風だが、実はハイティーンの肉体を毒牙にかける＞と紹介した前田吟。
３位は＜この人が単身殴り込みをかけて、かわいそうなことに戸板に乗って帰ってきたら、いよいよ物語はクライマックスに突入する。そんな展開を任侠映画では度々見せたが、「まむしの兄弟 傷害恐喝十八犯」や「現代やくざ 人斬り与太」など悪役に回ることも多く、そういう場合はたまらなく憎らしかった。つまり投手でいえば複雑微妙なコントロールのきくタイプであり、細かい部分で善悪ともに表現できる人であった。石井輝男監督の「顔役」で演じた、顔に傷のある神経質なヤクザなどはその際たるものであり、捨てられた犬をかわいがり、殴り込みに行く途中、その犬を飼ってくれそうな家に放り込むあたりはまさに複雑であった＞と紹介した待田京介。
２位は＜「網走番外地 南国の対決」では母を求めてさすらう可愛い子供を演じたが、「非情学園ワル」では女教師を犯す不良高校生。「爆発！暴走族」から始まる一連の暴走族映画では、暴走族。「地獄の天使 紅い爆音」では、成瀬正孝とともに主演の入鹿裕子を犯しまくり、「ビューティー・ペア 真赤な青春」では下校中のジャッキー佐藤とその友人を襲撃し、赤城マリ子に退治された＞と紹介した町田政則。
１位は＜「広島仁義 人質奪回作戦」のラスト、銃身を全身に食らって死んだかと思ったら立ち上がり、また倒れ、立ち上がり、というようなしつこい演技をたっぷりやらせたら、やはりこの人の右に出るも人もないだろう。「やくざ対Ｇメン 囮」では、留置場の中でハードなセンズリをしつこく展開したが、このセンズリ演技もやはり右に出る者はない。そのしつこさは笑いに転ずると、これはまた無敵で、「脱獄広島殺人囚」からスタートする一連の刑務所シリーズの底流を支配する愉快なムードがまさにそれである＞と紹介した松方弘樹となるわけです。