杉作Ｊ太郎「ボンクラ映画魂」は実録ヤクザ路線映画から特撮子供テレビ番組まで東映製作作品に出演した俳優たちを愛情込めて紹介している一冊でありまして、この本にロロモに与えた影響は計り知れないほどの大きさはありませんが、かなりの影響を与えていることは間違いなく、特撮子供テレビ番組はともかく、ここで紹介されている映画はレンタルやＣＳなどでかなり見ているわけです。
１０位は＜「不良番長 手八丁口八丁」で、湖畔の別荘に暮らす謎の火星人を演じた。ちなみに一か月の小遣いは５０００万円。歩くとピコピコという奇妙な音を立てる。なお、この火星人、「恋する者たちよ」というタイトルの持ち歌を持っていた＞と紹介したピーター。
９位は＜「非情のライセンス」の右田刑事。コメディタッチの演技を自然な形でハードボイルドに移行することに成功した。「トラック野郎 男一匹桃次郎」では、トラッカー・花山電吉を演じた＞と紹介した左とん平。
８位は＜「宇宙からのメッセージ」に出演。千葉真一、成田三樹夫を相手に、堂々と東映エンタテインメントを演じあげた。「コンバット！」のサンダース軍曹。映画「トワイライトゾーン 超次元の体験」の撮影中、墜落して来たヘリコプターの下敷きになって死亡した＞と紹介したビック・モロー。
７位は＜「仁義なき戦い 広島死闘編」の菅原文太に対し、金子信雄と復縁をもちかける広島の実力者、「狂った野獣」のバス会社幹部、「極道社長」の詐欺師など、出番は短くとも画面を引き締めた。「仁義なき戦い 完結編」では天政会幹部として出演していながら、桜木健一の葬儀に参列する一般市民も演じた＞と紹介した疋田泰盛。
６位は＜前衛舞踏の巨星。石井輝男の「江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間」や「怪談昇り竜」に出演。特に「恐怖奇形人間」で見せた波打ち際の舞踏は、脳味噌に直接バリバリ飛び込んでくるような衝撃映像であった＞と紹介した土方巽。
５位は＜東京撮影所の殺陣師先生。つまり拳闘の先生である。ハリウッドの三枚目っぽいなかなかのハンサムであり、「やくざ刑事 マリファナ密売組織」など主要な役も付いたが、「ボクサー」で演じたレフェリー役の動きは知らない人が見たら本物。さすがであった＞と紹介した日野孝司。
４位は＜石井輝男監督「徳川いれずみ師 責め地獄」で、由利徹、大泉滉とともに女装して女囚を演じたが、それぞれ女性が声を吹き替え、実際に女の声（オバＱの声でお馴染みの曽我町子とか）で、３人が喋っているのである。こうした場合、役者が声を作って喋るのがノーマルなスタイルだと思いますが。瞬間、頭が真っ白になってしまうほど、強力な演出である＞と紹介した人見きよし。
３位は＜やくざ組織を描く主軸と、やくざ組織に翻弄される人々を描く傍流との二層構造で物語が進んだ「やくざ戦争 日本の首領」に、傍流のほぼ主役として登場。レストランでモップ片手にネズミを追いかけていたが、最終的には拳銃を握り日本の首領を撃とうとした＞と紹介した火野正平。
２位は＜「トラック野郎 一番星北へ帰る」に、サラ金の取り立て人として登場。借金を返済せずに姿を消した男（谷村昌彦）の娘（舟倉たまき）に返済を迫る。「私、そんなお金、ありません」「金がなくともねえ、親から貰った金を稼げる穴を持ってるじゃないか。思い切って、使ってみたらどうかね？」男だったら、善悪の壁を越えて死ぬまでに一度は喋ってみたい言葉ですな＞と紹介した土方弘。
１位は＜「非情学園ワル」「非情学園ワル 教師狩り」で主題歌「ワルのテーマ」を歌った。ゴキゲンなロック歌謡曲である。映画本編にも不良高校生で出演。最後は少年院にも収監される。少年院といえば、「あしたのジョー」主題歌も歌った。そもそも歌手である、「悲しき願い」は大ヒットした。ビートルズ日本公演の前座で歌っている、役者に転向後は「どてらい男」の二世軍人など、癖のある役で大人気となる。１９９０年代には、自宅に侵入した泥棒を一家総出で捕まえてニュースになった＞と紹介した尾藤イサオとなるわけです。