杉作J太郎「ボンクラ映画魂」はで始まる俳優ベスト10(2) | ロロモ文庫

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杉作J太郎「ボンクラ映画魂」は実録ヤクザ路線映画から特撮子供テレビ番組まで東映製作作品に出演した俳優たちを愛情込めて紹介している一冊でありまして、この本にロロモに与えた影響は計り知れないほどの大きさはありませんが、かなりの影響を与えていることは間違いなく、特撮子供テレビ番組はともかく、ここで紹介されている映画はレンタルやCSなどでかなり見ているわけです。

10位は<東映東京にプログラムピクチャーで活躍した、クールでシャープな二枚目。その冷静なムードが、ジャングル風呂の如き「不良番長」シリーズでは好対照の魅力となった>と紹介した花田達

9位は<九州のローカルスター。「トラック野郎 男一匹桃次郎」に、ばってん婆さんとして出演。菅原文太、左とん平、佐藤晟也らを向こうに回して、餅すすり大会に出場。堂々の2位となった>と紹介したばってん荒川

8位は<「直撃!地獄拳」「柳生一族の陰謀」などで武芸考証も担当した、モノホンの忍者。戸隠流忍術三十四代宗家だ。が、何を思ったか、突如日曜朝の特撮テレビ番組「世界忍者戦ジライヤ」で、主人公である闘破の父親・山地哲山を演じた。なんだ、演技もできるのかな、と器用な一面に驚かされた。ところが、これが音声のみ吹き替え。これも一種の忍法だったわけだ>と紹介した初見良昭

7位は<「地獄」で三途の川で行き先を決定するあの世の人事部長みたいな役を不気味さたっぷりに演じた。大抵の場合、不気味な役だが、たまにコミカル一辺倒にこともある。「祭りの準備」では20歳前後の美少女と肉体関係ありきの恋愛を手に入れるが、やがて喪失。その喪失感は凄まじいものがあったのだろう、自殺した>と紹介した浜村純

6位は<「キャラメルコーン」のCMに何年にも亘って出演し続けた男。とにかくゴツくて、武骨な風体がポイントのゴリカン男であるが、芸歴は日活アクション末期まで遡る。その後「仮面ライダー」でショッカー幹部や怪人ヘラクレスなどを演じ、大いに迷走するが、「仁義の墓場」では日活時代にも対決した渡哲也を墓地で刺殺せんとするヤクザを迫力満点に演じ、クライマックスを盛り上げた>と紹介した浜田晃

5位は<深作欣二監督の実録ヤクザ映画「仁義の墓場」、そして「北陸代理戦争」でいずれも主人公が属する組織の親分。腹の太い部分、小心な部分、その両極端を併せ持ち、その間を行ったり来たりする自信のない人物を、リアル感たっぷりに演じた>と紹介したハナ肇

4位は<反権力ポルノ喜劇「エロ将軍と二十一人の愛妾」で、将軍とそれに酷似した貧乏百姓の2役で主演。端整な顔とマイルドな雰囲気が、映画の口当たりをソフトなものにした。が、「明治・大正・昭和 猟奇女犯罪史」では、これ以上ない顔面奇病にかかって惨殺された>と紹介した林真一郎

3位は<セコい男を演じさせたら間違いなく日本一である。吉本新喜劇の看板スター。セコさだけを追い求めた人。「不良番長 やらずぶったくり」で農夫や区で登場。巡査役で出演した吉本新喜劇の盟友・岡八郎と、意味のない会話を延々と展開。映画を数分ジャックした>と紹介した花紀京

2位は<「皮ジャン反抗族」では、クレージーなんだか冷めてんだかわからないディスコのDJ。時にはラジカセ片手に、屋外でもDJを展開。舘ひろしや夏樹陽子らとともに夜の公演の噴水に飛び込んで踊り狂った。とにかく人類が持つ焦燥感、その後夜祭、。甘い甘い倦怠感、絶望感。それを十二分に盛り立てた。「新幹線大爆破」で演じた、人気歌手・東郷あきら(岩城滉一)に密着する音声スタッフ役も同様。テレビドラマでは、現代劇・時代劇を問わず利己主義剥き出しの犯人役も多いが、本質はやはり甘い絶望感>と紹介した林ゆたか

1位は<盗塁新記録達成時、歓声に包まれたグラウンドでアナウンサーにコメントを求められて、「パ・リーグやから」と呟いた福本豊とどこか似ている、ニヒルなムード。常に死臭を放っている様な厭世観が五体に充満している本格派である。この男が出演しているといないのでは映画の出来上がり、テイストが何パーセントかは違ってくる。「明治・大正・昭和 猟奇女犯罪史」の女を連れて逃げる色悪、「資金源強奪」の刑事崩れの梅宮辰夫を疑うヤクザ幹部、「冬の華」の藤田進にシャガールの贋作を売りつけた画商。アンニュイ幻想にとりつかれた昨今の子羊に鉄槌を下す、強烈な退廃感が炸裂している>と紹介した林彰太郎となるわけです。