杉作J太郎「ボンクラ映画魂」たで始まる俳優ベスト10(3) | ロロモ文庫

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杉作J太郎「ボンクラ映画魂」は実録ヤクザ路線映画から特撮子供テレビ番組まで東映製作作品に出演した俳優たちを愛情込めて紹介している一冊でありまして、この本にロロモに与えた影響は計り知れないほどの大きさはありませんが、かなりの影響を与えていることは間違いなく、特撮子供テレビ番組はともかく、ここで紹介されている映画はレンタルやCSなどでかなり見ているわけです。

10位は<「トラック野郎 突撃一番星」で三番星(せんだみつお)の父親を演じた際に見せた、顔で笑って心で泣きつつ踊る奇妙なダンス。さすが新国劇の重鎮である>と紹介した辰巳柳太郎

9位は<鈴木則文監督のポルノにちょくちょく登場。「徳川セックス禁止令 色情大名」では、将軍家斉を演じた。彼がよく出ることに対し、鈴木監督はこう言った。「ボクの映画に出ると小説の賞が取れます。小説で賞を取りたい人は是非どうぞ」>と紹介した田中小実昌

8位は<「我々取材班は」この渋いナレーターが男たちの一歩一歩を力強いものにした「水曜スペシャル 川口浩探検隊シリーズ」。「コンバット」のサンダース軍曹(ビック・モロー)も渋かった。「空手バカ一代」の飛鳥拳も渋かった。「機動戦艦ナデシコ」のフクベ・ジン提督も渋かった。とにかく渋かった>と紹介した田中信夫

7位は<時代劇全盛期の役者であり、「徳川いれずみ師 責め地獄」では、顔を真っ白に塗りたくった怪奇同心・鮫島を演じ、hitomiにどことなく似ている片山由美子を地獄のドン底に叩き込んだ>と紹介した田中春男

6位は<元プロボクシング日本フライ級チャンピオン・斎藤清作。「現代やくざ 人斬り与太」での菅原文太の舎弟役。「実録・私設銀座警察」の銀座警察メンバーなど東映東京作品に多数出演。大ボケと軽いフットワークで存在をアピールした>と紹介したたこ八郎

5位は<「ワンパクでもいい。たくましく育って欲しい」丸大ハムのコマーシャルで、ある時期知らない人はいなかった俳優である。コマーシャルでは優しいお父さん役、スーパー戦隊シリーズ2作目「ジャッカー電撃隊」では貫録たっぷりの長官だったが、同時期、一転して映画ではシャブを売ったり女を転がした極悪人を得意とした>と紹介した田中浩

4位は<人気ロックバンド・クールスのリーダーだったが、映画界に進出しクールスとともに不良高校生に扮して、松田優作演じる青年教師と渡り合った「暴力教室」。この映画では、「お前そんなことでこの先どうする」と説教する父親役の丹波哲郎に向かって、「網走大学へでも行くさ!」と言い捨てた。決まった!ネーミングの良さでは東京大学を超えている>と紹介した舘ひろし

3位は<石井輝男監督ならではの不思議に満ちたロードムービー「暴力戦士」で、岡田奈々と手錠で繋がれた逃避行を展開した。不良を演じる岡田奈々さんが画期的に可愛かった。並の男なら偶然を装って乳に触ったりするところだが、男らしさを崩すことなく毅然とツッパリを演じきった。この二人は「俺たちの旅」では仲のいい兄と妹を演じていたので、この映画、近親相姦的なスリルもあり1秒たりとも目を離せない。さらにサラッと記しておくなら、ウォルター・ヒル監督「ウォリアーズ」にそっくりな映画であった。人間が200年くらい生きるなら、最終的に記憶の中で「ウォリアーズ」と「暴力戦士」は一本の映画になるだろう>と紹介した田中健

2位は<「網走番外地」シリーズの大槻、「仁義なき戦い」シリーズの槙原など、スクリーンに登場するだけでパーっと明るくなる人。それは出番の長短、役の大小に関係ない。「県警対組織暴力」でチラリ登場するオネエなどは典型である。しかし笑ってるだけと思ったら大間違いであって、「大脱獄」では「番外地」シリーズの盟友・高倉健を刑務所送りにし、健さんの妹を殺したが、最終的には健さんにライフルで撃たれて頭蓋骨がバラバラになり、脳味噌が散乱した。だは、基本的には映画館の客席に温風を吹き込む人であって、それゆえ非業の死を遂げたりすると、胸を締め付けるものがあった。例えば「暴動島根刑務所」の囚人役である。ブタの飼育が生きがいの囚人だったが、刑務所長の佐藤慶から言い渡された「ここは刑務所だ。養豚場じゃない」の正論に打ちのめされ、瞬時に生きる目的を喪失。刑務所長室の窓から身を投げて墜落死。これは衝撃映像だった>と紹介した田中邦衛

1位は<虚無的なまでに何もイメージを与えない特撮テレビ番組「ザ・カゲスター」で注目すべきはカゲスターの相棒の女の子、ベルスター(早川絵美)のパンチラ。パンチラというと「宇宙刑事シャイダー」のアニー(森永奈緒美)が有名だが、エロ勝負ではこちらに軍配があがる。仮面をつけているため変態度が増幅するのだ。そのカゲスターを演じたのは黄金仮面みたいにニューっとなった唇でアイドル的人気もあったこの男。こまわり君そっくりの顔で「んがーっ」を連発した刑事役・星純夫の存在も物語の虚無感を増幅させた>と紹介した立花直樹となるわけです。