その時ウルトラの母は
昨夜の豪雨で多摩川源流の工事現場がつぶされたと話す朝比奈。「単なる山崩れという説もあるが、怪獣を見たとの報告もある。東、南原、調査に行ってくれ」調査に赴く光太郎と南原。「怪獣なんていないな。もう帰ろう」「ええ。あ、南原さん、怪獣だ」「え、どこに」「あの霧の中です」「いないじゃないか」「確かにいたんです」「霧に写った俺たちの影を見たんだよ。さあ帰ろう」
健一の姉のさおりに健一君は勉強かと聞く光太郎。「健一のことなんて知らないわ」「え」「部屋に閉じこもって出てこないのよ」「どうしたんだろう」「どうかしてるのよ。変なことばかり言って」健一に何があったんだと聞く光太郎。「姉ちゃんは僕の言うことを信じてくれないんだ」「俺は信じるぜ」「僕は怪獣を見たんだ」自分の見た怪獣の絵を見せる健一。「健一君。この怪獣をどこで見たんだ。俺の見た怪獣と同じだぞ」「さっき、多摩川の堤防を自転車で乗ってたんだ。するとこの怪獣が現れて、釣り人を穴の中に放り込んで姿を消したんだ」
目撃者が二人いると言うことは怪獣がいるに違いないと話し合うＺＡＴのメンバー。「すると怪獣は川の水で流れてきたわけか」「でも多摩川の水は怪獣を押し流すほど多くないわ」「あの怪獣は液体怪獣なのかも」「まず水の中から追い出すことが先決ですね」「川の中に電気を流せばいいんですよ」「放電には俺も賛成だ。生物はすべからく強い電気に反応する。至急作戦開始だ」放電作戦で姿を現わすコスモリキッド。ウルトラマンタロウに変身する光太郎。ウルトラマンタロウの攻撃を受けて姿を消すコスモリキッド。
この穴に釣り人は放り込まれたと光太郎に言う健一。「どうも様子がおかしい。健一君、離れているんだ」そこに地震が発生し、穴の中に落ちてしまう光太郎。「どうなってるんだ。これは土の中じゃないぞ」穴の中から現れるライブキング。駈けつけたＺＡＴ隊員に光太郎さんが怪獣に呑み込まれたと話す健一。「あの穴は怪獣の口だったんだ」「おい、東。連絡できるか」「荒垣さん。これは一体どうなってるんですか」「お前は怪獣の腹の中にいるんだ」「何とかしてくださいよ」「落ち着け。作戦はこれから考える」「早くしてください。このままでは溶けてしまいます」