作:雁屋哲、画:花咲アキラ「美味しんぼ(471)」 | ロロモ文庫

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究極のメニュー対金上(5)

この落とし前をどうつけると聞く海原に証拠のなさが私の切り札だと言う金上。「お前たちは私が不正したように言ってるが、それは海原雄山の手先の中堀という男の証言以外に何の証拠もない。それに海原雄山は私を貶めるためなら何でも言う。そんな人間の言うことなんか信用できるか」「ぬう。おのれ、どこまで心根が卑しいんだ」「次の勝負だ」「それでは第二課題に入ります。これから五つのマグロの赤身の握り寿司を出しますので、それぞれの違いを答えていただきます」

握り寿司を食べて答えを書く山岡と金上。「まず金上社長の回答から発表します。イはネタはビンチョウマグロで酢飯はコシヒカリでワサビは伊豆。ロはネタはインドマクロで、酢飯はコシヒカリでワサビは伊豆。ハはネタはビンチョウマグロで酢飯は江州米でワサビは伊豆、ニはネタは本マグロで酢飯は江州米でワサビは伊豆、ホはネタは本マグロで酢飯はコシヒカリでワサビは静岡。究極のメニューの答えは金上社長と同じですが、ホのワサビは長野で粉ワサビが少々混ざっている、となってます」

とんでもないという審査員。「私は今日のために一番いいワサビを持ってきたんだ。そんな最高のワサビに粉ワサビなんか入れるわけないだろう。この最高のワサビを食べて、粉ワサビが入ってるなんて、この男には味覚なんかないんじゃないか」「う」「ははは。本ワサビと粉ワサビの区別がつかない味覚の人間が究極のメニューを作るなんて大笑いだ」「ぬうう」

「ちょっと待ってください、審査委員長。究極のメニューの担当者の解答は私が最初に作った問題の正解そのものじゃありませんか」「あ」「寿司の問題はすばらしい長野のワサビを持ってこられた人がいたので変更になったんです」「なんということだ。確かに最初はこの問題にしようとディレクターさんにそのメモを渡したが、その後問題を変更して、新しいメモをディレクターさんに差し上げたはずだ。それなのにディレクターさんは古いほうのメモを調理人に渡してしまったんだ」ディレクターに怒鳴る金上。「このクズが。私には新しいメモを渡したな」

よくわかりましたと言う審査員長。「究極のメニューが正解でした。わずかな量の粉ワサビをちゃんと見極めるとは素晴らしい味覚です。さらに金上社長は私たちのメモを不正に入手したことも判明しました。第一課題も金上社長は負けていたと考えざるを得ません。今日の勝負、究極のメニューの勝ちです」「金上、お前は自分の舌でちゃんと味わえば、粉ワサビが入ってたこと気づいたはず。なまじ間違えた答えを不正に入手したばっかりに」「ぬう」大原は山岡と栗田のクビを撤回し、これからも至高のメニューと対決しろと命令するのであった。