昨日の続きです。







レプティス・マグナを観光したあと、トリポリのホテルへ戻る途中、ファディの実家へお邪魔することになりました。そこで、その場にいたフランス人と話していて急に数十年前の出来事を思い出しました。







米国IBMのフェローが訪問することとなった当日、予定していた2名のほかにもう一人、老齢女性が応接室に入ってきました。うちの営業が丁重に伺ったところ、、、







彼女、、、







なんと、







年上フェローの奥さんだったのです。







・・・







一瞬、弊社側全員、口ポカ。私はまだ凄く若かったもので、訳が分からず目をパチクリ。







海外出張に同伴ならまだしも、







こんな大事な会議の場まで連れてくるんか!







うちの会社でしたら完全にコンプライアンス違反。そもそも、日本で顧客との会議に仕事と全く関係ない身内を連れて来る日本人いますか。初見ですよ?会社支給のPCを社員以外の身内が使ったと判断された時点でうちは懲戒になるほど厳しいので、私たち、この女性が現れた時点で制約さらに増えます。








まあ、それでもそのまま3人は来賓席に座って会議は始まります。自己紹介のあとフェローからの質問を受け、既に公なうちのサーバの概要説明と、その範囲内でのシステマティックな話になるわけですが、その女性は当然、話の内容なんて分からないわけですよ。








すると10分も経たないうちに、彼女はゆっくり応接室から出ていき、2時間くらい経ったのかなあ。会議が終わり私達全員が応接室から出ていくと奥さん、フリースペースでコーラ飲んでいました。







フェロー、あんたさ。偉い人なのかも知れないけど、これはないわ。あまりにも非常識だろ。







私は人の肩書に全く興味ない人間でして、相手がどんなに偉かろうが下っ端だろうが、良いものは良い、アカンものはアカン。みんな平等、忖度なしです。







そしてそのフェロー、会議後に帰るかと思いきや、うちの営業に「このあとの夕食はどうなっているのかな?」と聞いたのです。







営業はそれを見越して予め手配しています、高輪プリンスの天ぷら屋。






年下フェロー(日系)は仕事あるからと帰り、年上フェローはそのまま会食のため奥さん連れて移動です。







「(あぁ。このために奥さん連れてきたのね。)」






最初から食事目的。バカにしくさってる。






今考えると、年下フェローは日系だからか、同僚が奥さん連れてきたことで予約人数が合わなくなると気を遣って帰ったのかも。






先ほどまでの質疑も極めて浅く、「あんた本当にうちのMFに興味あんの?」くらい薄っぺらいもの。会議の2/3はフェローの功績とIBMの自慢話、世間話。







会食時もフェローは奥さんと話をするだけで、その後の仕事になど何も繋がりませんでした。







お前ら、海外旅行のついでにタダメシ食べに寄っただけだろ!







会社のお金を遣って仕事の体(てい)で世界を外遊し(日本のあと中国、インド、EUへ向かうと言っていた)、日本になど用事もないのに適当なITメーカに声を掛け、忙しいお偉方を集め如何にも仕事した風に仕立て、夕食セッティングさせ奥さんとタダメシ舌鼓。






なんやねん?コイツら。






家族同伴で出張するのはいい。そんなことは私等には関係ない。ただ、初めて訪ねる異国企業の会議にまで連れて来るとか、フェローだかフィラーだか知らんけどいい加減にしろ!








そもそも企業のフェローはその企業への貢献を称えその企業が与えるもので、飽くまでもドメスティックな世界。それをノーベル物理学賞でも取ったかのように企業外の者まで賞賛するのはなぜ?全く理解できんわ。
※最近ノーベルでさえどうかと思うわ!








世界には沢山の国があり、それぞれの文化があるものです。決して欧米が世界のスタンダードではありません。その国へ訪ねたなら、その国の文化を尊重しなさいな。何でお前らの国の文化をそのまま持ち込んで押し付けるんだよ。







とまぁ、そんな大昔のことを思い出しながらですね。現実に戻りますと、美味しいストロベリージュースをいただきつつ待っていたら、お食事が出来上がりました。




全て美味しいのですが、特にこんがり焼いたチキンレッグは味付けもよかった。




ガッツリムスリムの国のためアルコールはないようで、ティを煎れてくれます。何度も何度もお代わりがくる。モロッコと同じなのですね、ミントティでこれまた美味しい。




最後にはこのピーナッツを煎れたミントティーでオシマイ。食事会はお開きになりました。




お高くとまったフランス人たちが今日このツアーに参加していなければ、私は遺跡からホテルへ直帰していたわけで、ある意味感謝です。そう考えると、あの非常識なフェローのお陰で、私も高級天ぷら懐石と美味しい日本酒を頂きましたわ、腑に落ちず文句散々書いたけど。まぁ何事も経験ということで。爆







リビアの食文化、ベドウィンのような絨毯と地べた生活(普段は家の中でソファ)。屈託なく笑い、会話を盛り上げる気遣いのリビア人たち。







そして、子供(男の子)も大人より動いて手伝い、家長ムハンマドは指示するのみの家父長制。ドライバーのファディなど、一度もこの絨毯に上がってこず、絨毯テントの隣に設営された調理器具で肉を焼き、みんなの皿を片付けたりと終始働いていました。






また、私達の饗されている間、一度もこの家の女性が姿を現しませんでした。サラダやフルーツ、綺麗に並べられたお菓子は家の奥から持ってきていたので、誰かいるはずなのです。






もしかしたら、フランス人男性がいたので出てこなかったのかも知れません。彼がおらず、客人が女性ばかりなら出てきたのか。こういったイスラム文化もリビアでは意外に根強く残っていると知る事もできました。






異国企業の会議にまで顔を突っ込む女あれば、自国の自宅でさえ家族以外の男性のいる場に顔を出さない女あり。初対面で押し掛けて接待を強要する男あれば、初見の客人を招いて豪盛に饗す男あり。これぞ文化であり、宗教であり、思想であり、ひいては社会です。






グローバリズムなど言われて久しいですが、蓋を開ければ欧米文化押しつけ以外の何ものでもないじゃない。一体お前らは何様なんだよ。欧米内、お前らだけで仲良くチョコマカやってろや。そんなグローバリズム、世界に全く必要ありません






さて、ホテルへ戻ります。