アフリカ大陸の国際線フライトにて、入国カードの記入に戸惑う中国パスポートのムスリム5人。
「英語を読めないということは、書くこともできないだろう」と思い、必要事項を記入してあげようとパスポートを借りてパラパラめくっていたところ、彼らの出身地が中国のどこか分かって仰け反りそうになりました。
個人的にはかなり動揺しました。
彼ら、
新疆(東トルキスタン)のウィグル人だったのです。
あまりにも興奮して「あなた達ウィグル人なの?」と思わず聞いてしまいました。
これまで186ヵ国、巡りに巡りましたが、私はチベットやウィグルなど中国統治の自治国家に足を踏み入れたことがありません。ここでも書きましたように、日本や当該現地でビザを取れず、近隣国や宗主国で申請して取得に何日もかかるような国(自治州)への個人旅は、ニッポン奴隷サラリーマンの私には時間が足りません。
(※ツアーなら取れます。私は団体行動ができず、ツアーは苦手です)
なので、新疆へ行ったことなくウィグル人をリアルに見るのはこれが初めてです。
話は逸れますが、私の特技は人の顔を見て出身国がどこかを当てることです。国がドンピシャ当たらなくても、世界のおおよその出身地域と血筋は分かります。それくらい、どの国へ行ってもその地の人々の顔や体つきなど容姿と言動を観察しています。前回のトルコの記事でも書きましたように、トルコ人とクルド人は瞬時に見分けがつくなどですね。
しかし、ウィグル人は見たことなかった。
先程の搭乗口でのお祈りも「東アジア人なのに珍しいな」と思うくらいで、まさかウィグル人など思いもよらなかった。
東アジアは仏教とキリスト教が多いですが、新疆ウィグルはイスラム教の国(自治州)です。それでも「ウィグル人か?」という発想に至らなかったのは、新疆(東トルキスタン)は、
「中共(中国共産党)から厳しい弾圧を受けている」
「超安賃金で奴隷の如く働かされ迫害されている」
「囲われてジェノサイドが起きている」
という日本や欧米の記事を度々目にしていたからです。領内に閉じ込められ監視下にあるウイグル人が、まさか海外へ行くなど考えもしない。新疆自治州内からウィグル人が逃亡などした日にゃ、ガザのパレスティナ人よろしくその場で中国軍に射殺されるのでは?くらい思っていました。
なので、まさかこんなアフリカの片田舎で会えるとは思いもよらなかったのです。
更に信じられないことに、彼ら、後日のウルムチ(新疆ウィグル首都)行きのフライトチケットをパスポートに挟んでいるではないですか!
少々混乱し、
ちょっと待て!
「せっかく新疆を脱出できたのに何で帰るの?」
「あなたたち、このまま亡命した方がいいのでは?」
「家族が人質になってるとか?」
ここで私は、
「彼らを保護しなくては。」
「匿(かくま)わなくては。」
という妙な正義感にかられます。ストレートには聞けないので、先ずは
「ここへは何をしに来たのですか?」
「旅行?仕事?(亡命失敗?笑)」
ほとんど英語を話さないのですが、手振り身振りと片言で、彼らは「イスラム教祖か師匠のお付き」ということが分かりました。
そういえば搭乗口で袈裟のような服を着た長老が、靴を履かせてもらってたな。
彼も東アジア人だった。優先搭乗で一番最初に乗って行ったので権威ある人なのかな?とは思っていました。
(海外では、僧侶や宗教高位の人を子連れや体の不自由な人よりも先に優先搭乗させる国あり)
ウィグル人たちの地上での礼拝は少し退きましたが、話しかけると純粋で恥ずかしがりな側面が垣間見れるとともに、帰国を楽しみにしている様子も伺えて更に驚き。
日本メディアの伝える「ウィグル弾圧」をまんまと信じていた私は、
「ヤラレタ」
「ウィグル人迫害報道は中国を貶めるための西側プロパガンダ」
ということを、ここで初めて知ることとなります。
帰国後、様々調べてプロパガンダと知りましたが、今となっては、調べるまでもなくあの一連のウィグル問題報道はフェイクと判明しています。