2017年11月に訪ねたブータン王国の旅を綴ります。今回は単国の旅行です。
今日は首都ティンプーから西の「パロ」という都市へ向かいます。
パロには岩壁に建つ僧院があり、チベット仏教の聖地となっています。標高は3,100メートル。
絶壁に何か見えますよね?ここがタクツァン僧院です。
これからここへ登ります。
聖地なので皆様、巡礼に参ります。結構な急坂やないですか。
キツイ人には馬も用意。
盛大にタルチョ―がなびいていますね。何か、聖地巡礼に伴うキツイ登山を激励されているように感じます。
このカラフルなタルチョ―は、掲げる色の順番が決まっていますよ。
左から青、白、赤、緑、黄です。
それぞれ、天、風、火、水、地を表しています。
旗の下に書かれた「オン・マ・ニ・ペ・メ・フム」は6つのマントラで、南妙法蓮華経のようなもの。
一時間ほど登ってきました。僧院がなかなか近づきません。思ったより遠いな。
でも眼下は既にこの景色。
更に登ります。
平坦のある中継地に着きました。ペットボトルで造ったマニ車が並んでいます。
マニ車は本来こんな感じ。こちらもチベット仏教の地へ行けばあちこちで見られます。この円筒状の中にはお経の書かれた紙が入っていて、これを時計回りに一回転させると一回読経したことになります。
上図のような大きなマニ車はお経がいっぱい詰まっていますので、一回転だけで何百回もお経を唱えたことになるとか。
このように小さいマニ車が羅列し、一つ一つ回していくような場所も多く存在しますよ。
チベット仏教は輪廻転生を信じる宗教です。来世、六道でどこに生まれ変わるかは現世の行い次第。
『輪廻転生』は、「命あるものは何度も生まれ変わる」とされる考えで、『六道』は下図のとおり地獄・餓鬼・畜生・阿修羅・人道・天道の六つあり、今生で善い行いをし続けていれば人道や天道へ導かれ、悪い行いをしたら地獄や餓鬼道から出られないない。
お経は、読めば読むほど功徳を積めると信じられていますので、みなさん思いっきりぐるぐる回していきます。ガイドくんも、マニ車を見つけるたびに回しています。寺へ向かう長い道のりでも、何度かお経を唱えてくださってました。
こうやって、風で廻るだけでもこれを作った人はお経を読んだことになります。(え?風任せ?)
そういえば、これ登山中にありました。建物のなかにマニ車が入っています。直下は小川が流れており、それを利用して常時くるくる回る仕組みになっています。。
てかさ。
なんかさ。
不精だろ?爆
お経って、実際に読んで心を鎮め清めて徳を積んでいくものなんじゃないの?
タルチョーが風に靡けば読経一回とか、マニ車が風力や水力で回ればその分だけ読経とか、
なんっか、本質からズレてるように感じるのは私だけ?
まさか、タルチョ―やマニ車を自然任せにして、自分ら家でポテトチップス食べながら横になってテレビ観てゲラゲラ笑ってたりせんよな?笑
まぁいいや。
中継地(展望台)にはレストランもあります。ここで、イケメンガイドと休憩。彼は多いときは週3、タクツァンへ観光客案内のため登るらしい。逞しい。
私も足腰は鍛えてる方だと思いますが、週3ココはキツイな。標高あって空気も若干薄いし。
ちょっとしたビュッフェあり、腹ごしらえ。
食後はテラスで僧院を眺めながらコーヒー。肩甲骨のストレッチしてたところ。汗びっしょり。
さぁ再出発。私は海外へ来ると、天気にだけはいつも恵まれてる気がする。この日も雲ひとつない。
タクツァンと同じ高さまで登ってきたと思いきや、
ここから一旦かなり下って、さらに登らないと僧院に着かないという心臓破りです。笑
ここは馬も入って来れないので、自分で歩く必要あり。だいぶ下がってきたな。
そして、また上がる。
汗だくの濡れた服にヒンヤリとした風が流れ、それで「ゾワッ」としたのか、感動で「ゾワッ」としたのか、なにかとても神聖な気持ちになったことを覚えています。
やっと入口まで辿り着きました。食事とコーヒー休憩込みで二時間半かかりました。
以前火災が起きたことあり、このあと靴からカメラから何から全て預けたように思います。ここで火事が出たらもう、消す術ないですのでね。内部も撮影禁止で写真がないのですよ。
静かで神聖で、マントラを唱える僧侶たちに、なにか人間の真の美しい部分を見たような気がしました。
ここで修行している僧侶の中には、若干8歳くらいで出家した子供も居て、日本との違いを改めて感じました。子供の修行僧が、3,000メートル下のスーパーに買い出しに行く姿もありました。かなりのトレーニングになるね。
下山します。
そういえばブータンは世界遺産のない国です。世界遺産級の建築物や大自然、伝統や信仰はあるのですが、法案が整備されておらず、まずはそこからのよう。
しかし、海外全域からドバーッと観光客が来るようになると、タクツァンも富士山のようにメチャクチャ混んで、聖域があらゆる意味で破壊されそうな気がする。
地上に着いて次は、とある仏塔へ連れてきてくれました。こちらは、西岡さんというブータン農業の発展に寄与した日本人のものなのですよ。
彼が、ここブータンに田畑の耕し方を教示し、ブータンは自ら様々な食物を育てられるようになりました。
日本人は地道に他国を支援しますよね。
これはタルチョやルンタの類の物か?
青空市場を散策。
ブータン料理は世界一辛いと有名です。この赤いのは大きな唐辛子です。
山積み。ブータン料理は「これでもか!」ってくらい唐辛子を使います。脳が麻痺してないか?
ガイドくん、母親に頼まれてこの麻袋一杯に唐辛子を買い、私のツアー終了後に実家へ帰ると言ってました。これを1ヶ月くらいで使い切るそう。信じられん。
ソフトで人当たりよく、礼儀正しくて素敵な好青年のガイドくんは、このあと独立してティンプーで旅行会社を立ち上げました。
ホテル出てからホテル帰るまで、ずーっと付きっ切りで案内してくれるので、プチ惚れしそうでした。
↑
イケメンに弱い。
↑
あと二日一緒だったらヤバかった。危ない危ない。笑
彼らに常時囲まれてるので、地元の人と話す機会がなかったのは残念。
さあ、今日はよく歩きました。この日はパロに宿泊です。遠くにパロのゾンが見えてました。
就寝/爆睡。。zzz
翌朝。
マイナス4℃。最高気温も3℃のよう。明日からは雪が降るようですが、私は今日がブータンの最終日です。午後のフライトで帰国予定。
今朝は、パロにあるキチュ・ラカンというブータン最古のお寺にやってまいりました。
お堂の中では小さな子供からお爺さんまで僧侶が多数座禅を組み、出たり入ったりしつつも24365ずーーーっと絶え間なくお経を唱えています。
ここも内部は撮影禁止でした。お経を唱えたり瞑想している様は異次元的な宇宙空間で、鳥肌が立つほど感動しました。人の高貴さは、こういうところにあるんだな。
この国を訪ねて感じた「幸福」とは、誰かの役に立つために頑張ったり、誰かの幸せを祈ったりと、利他的な行動や感情から自身内的に得られる利ということなのだと感じました。
利己的で物質的な欲求から真の「幸福」は得られない。
人の幸福を祈り、人のために動き、それによって自分の心が満たされることこそが幸せの全て。
煩悩のない独自の宇宙観。
私もつくづく「利他」こそ人の生きる道と思うようになりました。物質的な豊かさが、必ずしも幸福とは結びつかなくなった昨今、日本人が忘れてしまった何かがブータンには詰まってる。
心が洗われました。。
(パロゾン)
チベット仏教にも感銘を受けました。
私は他国の宗教にこそ興味ありますが、信仰心はなく両親実家の宗派さえ知らない。自分自身のことを強く信じる「自分信仰」みたいなところありますが、
こういったところに来ると神聖な気持ちにはなるのですよね。
とても気分がいいです。
が、
日本に帰るとその神聖な気持ちが消えてしまうんだよなー。笑 何でだろう?煩悩だらけ。爆
因みに、チベット仏教でいう『煩悩』は、貪欲、瞋恚(しんい)、愚痴の3つ。これらが自らを苦しめるので戒めよとのことですね。
しかし、日本はこれらが自然と出てきてしまうほど殺伐として生きにくい社会なのよ。笑
この旅記事を書いていたら、あの神聖な空気に浸りに、またブータンへ行きたくなってきました。
こちらはマントラ+シンセの読経です。ブータンのチベット仏教僧ラマさんのマントラ読経に、シンセはソニアリキエルさんの息子さん。確か盲目の方だったかな。意外にメロディアスなんですよ。聴いてるとブータンの神聖なあの空気を思い出し、エライ癒やされます。
心が毛羽立ってる時にオススメです。
自分の人生の進路を決めるとき。自分の精神の深いところを見つけたいときの旅に、ブータンはオススメです。
ブータン旅はこれにておしまい。いつもありがとうございます。
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