2017年11月に訪ねたブータン王国の旅を綴っています。今回は単国の旅行です。








翌朝、東の「プナカ」という都市へ移動します。






ずっと山道です。






道中、最高地点のドチュラ峠で一旦休憩。ちょうど中間地点になるのかな?

 






さすがヒマラヤ山脈に近いだけあって、ここで標高3,150メートルです。富士山八合目。






若干、頭がフラフラするような気がします。






ヒマラヤ山脈がくっきり。







なんて美しいんだ。






今日はここでもう、ステイでいいんじゃないの?笑






ずっと見ていたい景色です。







奥の方にホテルもあったはず。次はそこに泊まりたい。






こちらは、チベット仏教の地で見ないことない「タルチョ」という祈祷旗。タルチョクやルンタとも呼ぶようです。このように経文の書かれているものもあり、風がたなびくたびに読経したことになるそうですよ。





出発から3時間ほどで、プナカという古都に着きました。川の向こうはプナカ・ゾン。





ブータンの中でも一番美しいゾンと言われていますよ。





昔はお城、兼要塞で、今は市役所と僧侶たちの学校です。ガイドがいると自分の写真が沢山あります。普段の旅は一人なのでほとんどない。





早速、中へ入っていきます。




これらの建物へ入るときは、VISAと一緒に配られたA4の紙VISAをガイドが見せる必要ありました。







ガイドがいないと単独では入れない感じでした。





中庭。お釈迦様が瞑想しておられた菩提樹。




この時期(11月頃)になると首都ティンプーは寒いので、ブータンでは標高低くて(1,350メートル)気温の高いこちらに僧侶たちが大挙して大移動してくるそうです。







そして、夏になると涼しいティンプーへ戻っていくらしい。






ガイド君が、チベット仏教や建物の由来についてメチャクチャ詳しく説明してくれます。建物の中の写真は撮れないので、もうほとんど覚えてないけどね。







日本以外の国は、やはり宗教が人の芯にありますよね。しかし宗教心のない日本人に道徳心がないかというと他の国以上にあり、じゃ宗教とは?となると、私思うに人として真っ当に生きる指針を常に確認する作業。






これは必要な自制かと思いますが、宗教は非科学的で論理性に欠けるため、国教を定めているような国は法律や政策と掛け合わせると「それちょっと矛盾して(オカシク)ないか?」ってこともしばしば起こります。





ブータン+チベット仏教を例にとると、このゾンの横を流れる綺麗なプナカ川。アルプスから流れ出る冷たく澄んだ水が美しく、こんな遠くからでもウヨウヨ魚が泳いでいるのが見えるほど入れ食い状態なわけです。





しかし釣り人皆無。チベット仏教の教えでは、











「生きるものを殺めてはならない」











ので、魚はじめ、そこらじゅう歩いてる野良牛や野良豚、鶏も一切殺めない。国内に屠殺場もない。虫さえ殺しません。





「え?でも私、昨夜ティンプーで夕飯に鶏料理を食べたような。。」






自らの手で殺めてはならないけど、既に死んだ動物の肉や魚は食べる。






自分たちは直接は殺めませんが、他国の人が屠殺した動物なら積極的に輸入して食べるのです。






「命あるものを殺めてはならない。それらを一切、口にしてはならない。」



という動物や魚の命を尊重する観点でのそれなら理解できるけど、輸入肉はOKて本質からズレてないか?




野良牛


お釈迦様はそういうことを言いたかったんじゃないんじゃないの?















「殺めるな=食べるな」








なんじゃないの?








だいたい、そんなもんいちいち輸入してたら、輸送費と関税が高くついて非効率だろ?刺身も食べれないし。









ブータンは、世界名目GDP 2021年で193カ国中163位。アジアでは東ティモールと最下位争いです。輸入にそんなお金をかけてる場合か?









あ。











すみません。











効率とか合理とかは宗教ではタブー。資本主義的な考え方は、それらとは相容れない違う次元のもので、そこをそういう観点で突っ込んではいけません。











どんなに論理破綻していても、どれだけ矛盾が生じても、宗教と政治は別次元のものですので、両者の辻褄を完璧に合わせることは難しい。そもそも合わせる必要などない。宗教はそれくらい大事なものです。









なので、私が「??」と思うことも、その場で疑問を呈することは極力慎む。ブログで突っ込む。笑











ある意味、イスラム法をそのまま法律にしてるサウジやイランなどは道理が通って楽かもしれませんね。









そうそう!ブータンの殺めない「良い話」もありましたのでお伝えすると、







過去ブータンも戦争をしなくてはならない立場に追いやられたこともあったそう。仕掛けられた戦いは幾度もあり、「家族の命を守るため」、かつて周辺国との戦争も受けて立ったそうです。










その際の、TOPから戦士たちへの命令は、








「いくら敵といっても彼らにも家族がある。」
「敵の無用な殺傷は極力慎め。」









そして、見事に勝利を収めたのだそう。カッコイイすね。








さて、遅めのランチを景色のいいこのレストランで食べて、プナカをあとにします。






ブータンの学生は、男子は「ゴ」女子は「キラ」という昔からの伝統服を制服としています。カワイイね。



 height=

「ゴ」着用のメンズ。




ティンプーへ戻る途中、昨日行けなかったグレート仏陀ドーデンマという公園へ寄りました。






仏陀ポイントと呼ばれていました。この仏陀は高さ50メートルあり、世界で最も大きい座像だそうですよ。






ここには、大きなものから小さなものまでおよそ10万体の仏像があるそうです。信心深さが見て取れますよね。




そういえば、ガイドと運転手はかなりイケメン。ブータンを訪れるどんな外国人にも必ずガイドと運転手は着きあちこちで見ますが、このコンビだけ飛びぬけてイケメンでしたわ、なんで?




この日はさらに、ティンプーで昔ながらの民家を訪ね、その家族たちと夕飯を頂きました。日本の昔の田舎の風景とおなじ。地べたに座って頂きましたよ。






ところで、王国や独裁国家というのは、政治や国政など何でもTOPの鶴の一声で決まりますので、珍しい慣習があって面白いのですよ。










例えば、ブータンにある全ての建物は、お城、民家問わず、窓枠はこの形と法律で決まっています。





実際、どんな建物を見ても窓枠はこれ。



たまーに普通の四角い窓を見かけますが、あれは法律違反。爆



なんのための統一?と突っ込みたいですけど、



見事にこの形。




さらに驚くのが「タバコ禁止」。これも法律で決まってます。病院は無料ですが、自分の体を気遣って慎めということなのでしょうか。タバコ禁止なんぞ、世界中を探してもこの国だけです。










これらはみな、国民の健康や独自文化を守る根底があり、チベット仏教に根ざした宗教観をブータンの人々は誠実に遵守しているのですよね。











純粋な人々の所業や精神的な成熟度の高さから、寛容で助け合う心に富んでいて感銘しました。日本は、「正直者は馬鹿を見る」や、目に見える分かりやすい「物」や「金銭」に価値を置き他者と比べて優越する社会構造になってしまいましたので、精神的な真の幸福感はなかなか得られないのではないかな。








素晴らしい国です、ブータン。







殺害された元首相の「美しい国」とは、まさにブータンのような国のことだったのでは?

日本人では先ず無理と思うけど。ボソッ











長くなってしまいました。明日はまた別の都市へ向かいます。








王国や独裁国で面白い慣習を発見しよう!

おすすめのスーツケース