2017〜2018年の年末年始に訪ねたアフリカの旅を綴ります。









モザンビークをあとにし、お隣マラウィへ飛びました。




マラウィもアライバルビザの取得に少し並びました。でも、モザンビークに比べればスムーズ。VISA代が高く確か100$だったかな?貧国ほど高い。



今はオンライン申請もできるようですが、当時は在日大使館へ行くか、VISA on Arrivalのみだったように思います。



マラウィはこの頃、アフリカで1、2位を争う最貧国でした。日本でホテルを探しても、首都リロングウェに一つだけ超優良な5つ星があるだけで、あとは激安のゲストハウスばかりしか空いてなかった。



そしてモザンビーク同様、マラウィの地方都市では奇怪な事件が相次いでいて、「一体、どんな国ヨ?」と退いていたこともあり、その五つ星しか選択肢はなかった。ちなみに五つ星でも日本人からしたら超安い。

 

 

 





それがこのホテル。首都リロングウェに建つビルの中で、このホテルが一番大きいビルでしたよ。



最低限ちゃんとしてる。



要人やビジネスマンが訪ねたときに、あまりにも宿泊先が貧相なので、せめてこれくらいは。。って感じで建てられたホテルに思う。ホテル内で見る人は欧米のビジネスマンか、地元の富裕系、政府系っぽい人のみ。



なので、このホテルの周りだけは綺麗に整備されて、ちょっと別世界。



リロングウェは、街へ出るのにある一定の気合が必要でした。



大概、旅先でホテルに荷物を置いて出かける時、「さあ、行こう!」と希望や好奇心など前向きなマインドに包まれているのですが、ここはなぜか、「行かなくちゃ」感満載。爆









と言いますのも、往々にして「最貧国=街が汚い」。食べ物も炭水化物系ばかりで不味い。来る前に調べた限りリロングウェに歴史や遺跡もなければ、とりたてて観光するようなスポットもない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかも、奇怪なニュースが日本で流れていましてね。

これについては後述します。










じゃあ、なんで来たん?と言われそうですが、私は行きたい国ではなく行ってない国へ行きますので、マラウィは避けて通れない道でした。








仕方なく出ます。笑   どんな街なのか見届けなくては。








外に出てホテルの敷地内を街へ向かって歩いていたら、若い警備員の二人に声をかけられました。英語を話すことに驚き。

 

イギリスの植民地だったので、英語も公用語なのですね。素晴らしい。現地後はチェワ語といったかな?









で、彼らと最初は他愛ない「どこから来たの」系の話をしていたのですが、そのうち「君はここに泊まってるの?」「女性一人で、こんな高額なホテルに泊まるなんて、どんだけ稼いでるの?」となり、段々と「どれだけ自分たちが貧しいか」という話に。



自分の給料だけでは自分が食べる物も買えないのに、家族も養わなくてはならない。など身の上を話すので、サラリーいくらなのか聞くと、









週一休みで朝から晩、若しくは晩から朝まで警備して、月収が25US$と。。月収ですよ?









年収300$ですよ?









日本のサラリーマン年収平均が確か400万?とかでしたっけ?するとおよそ1/100。









じゃあ、衣食住費が1/100かというと、そうではないですのでね。









この世界はホント狂ってる。



















彼らとサヨナラし街へ出ます。これが一国の首都の中心部かあ。



なんかね。何もないの。

 



3~5階建てのコンクリで造られた立派な建物は全て銀行か病院。なぜか激混み。



広い面積の建物はスーパーと何か分からない建物。


 

あとは、この下の写真の右側にあるような箱。爆



これは散髪屋だったり、モバイル関係のちょっとした部品を売ってたり、はたまたバナナを売ってたり様々。

 

 

 

 

 

 

 

店を開いてなければただの大きな箱なので、賃料も税金もかからないのでしょうね。

 

 

 

 

 

 

 

何かこう、、「観光地とない?」









と街行く人に聞くと、「SPARがあるよ。」と。笑

スーパーマーケット









「教会とかないの?」









と聞くと、この辺りでは知らないとの返事。あれ?キリスト教徒じゃないの?








歩いてる人の服見るとボッロボロの人がいて、歩く姿も正気に思えないくらいボーっとどこか一点を見つめ、どこへ行くともなく歩を進めているだけのような人もいる。



マラウィの写真がこの旅のなかでエライ少ないのですよ。撮る被写体がない。アフリカ人はカメラを向けられることを嫌いますので、いちいち了解を取らないと人も撮れないですしね。
 

 

それでも何時間も歩き周りはしたのですが、お土産屋があるわけでもない。ちょっと気の利いた雑貨屋があるわけでもない。産業も地中資源もなければ、観光で稼ぐしかないのに、それさえままならない。

 

 

 

 

 

 

 

そういえば、歩いてる途中にこんなことがありました。








川沿いの道を歩いていた時、小さな男の子(多分8~10歳)に「お金ちょうだい」とねだられたのですよね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その子、もう歩く気力もないくらいヘロヘロになって泣きそうなのですよ。








お腹が空いてるんだろうなと思いましたが、このときカロリーメイトを持ってなかった。他にも食べ物の持ち合わせがなかったので、持ってた現地通貨マラウィ・クワチャ(多分100円くらい)をあげたところ、








遠く向うの方で、この少年と同じくらいの歳の男の子たち数人が、こっちに向かってからかう様な言葉を大声で投げかけたのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

現地の言葉なので私は分かりませんでしたが、雰囲気的には「やーい!外人にお金なんてもらいやがって!この貧乏人!」みたいな感じ。








目の前の少年はそちらを振り返って少し「キーッ」とした態度を見せましたが、それ以上の気力なく、お金を握って彼らがいる方とは別の方向へトボトボと歩いて行きました。








少年たちの方を再度見やると、彼らの着ている服もボロッボロでガリッガリに痩せている。無心した少年と状況的には五十歩百歩なのだろう。きっと彼らもお腹が空いてるはず。








マラウィは、世界でも超貧国のグループに属しており、産業も乏しく地中資源もないので外貨を稼げないのですよね。国民一人当たりのGDPは2021で567$。一体、この国のTOPは何をしてるんだ?と思いました。国としての体を成してないじゃん。








相当数の先進国から支援も入っているはずなのに、貧民は増える一方。

 

 

 

 




なので、奇怪な事件も起きる。

 

 

 

 

 

 

 

昨日のモザンビーク記事で書いた「アルビノ狩り」は隣国のここマラウィでも起きておりますが、さらにこの頃、マラウィは「吸血鬼騒動」に揺れていたのです。








これも私の訪ねる直前に日本語でニュースになったのですが、内容を要約すると、

 

 

 

 

 

 

 

 

地方の村人の「寝てる時に光が見え、首を噛まれて意識を失った」という訳のわからない真偽不明な証言が、いつぞや「吸血鬼の仕業」に発展して魔女狩りが始まり、なんの根拠もなく「こいつが吸血鬼だ」と名指しされた無実の民が、村の自警団とされる群衆に襲撃され、既に10人近くが殺害された。というもの。








そして、この件で襲撃に関わったとされる100人以上の村人が逮捕されたとそのニュースは伝えていたのです。
 

 

 

 

 

 

 

 

この騒動、なんとマラウィ大統領が異例の声明で国民に夜間外出禁止令を発出し、事態を重く見た国連関係者まで国外へ一時退避したのですよ。

 

 

 

 

 

 





「は?」って感じですよね。








現代に生きる人が本気で「吸血鬼」を信じ、その虚妄を鵜呑みに襲撃殺人?

 

 

 

 

 

 

 

???










しかしだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マラウィに来てみて何となく納得しました。








この国の貧困ぶりは、他のアフリカ諸国と比べても群を抜いている。









上述した警備青年の薄給。少年たちのガリッガリっぷり。辺りを見渡せば、生気を失ったゾンビのような男性があちこちでフラフラ歩いてる。

 

 

 

 

 

 

 

 

米国や中南米、アジアの貧民といわれる層は、お金がなくて安いお菓子や炭水化物だらけでカロリー過多の食物しか買えず病的な肥満体ですが、ここの人々はそれさえ買うお金がなくてガリガリ。着る服はボロボロ。









お腹を膨らますのは水や道端の草で、慢性的に空腹状態が続き、そんな生活が常態化して意識が朦朧としてきたら、私でも「吸血鬼を見た」って言い始めるかも知れません。










結局、貧困が吸血鬼(貧民の逆襲)を生むのですよね。







この騒動だけ断片的に取り上げると、気が触れた人々のにわかに信じがたい「は?」な事件ですが、背景にある社会情勢を照らし合わせると、妙に納得してしまう部分がある。








私など、ここへきて「これじゃ吸血鬼が出ても仕方ないよね。」と思いましたもの。笑








モザンビークのアルビノ事件も同じで、貧困が生んだ惨劇。








「アルビノの耳や内臓を持っていたら、この貧困から抜け出せる。」「幸せになれる。」








そう信じ切っている飢えた人々にとって、それを手に入れることは命題。その裏にどんな犠牲があるかなど知ったこっちゃない。

 

 

 

 

 

 

 

 

日本の新興宗教で行われている(のかどうか知りませんが)壺やハンコ、お布施の類と本質は同じなのではないですかね。

 

 

 

 

 

 

 

 

今のこの世界は不安要素で溢れ返り、言ってみればアルビノや吸血鬼は現実を直視できなくなった人間の究極の逃げ場なのかも知れませんよね。









まあ私も常々、現実逃避気味ですけどね。海外旅行なんて現実逃避の最たるものですから。笑

 

 

 

 













それにしても毎年、夏の終わりにどっかのテレビ局がやってた「愛」はどこの地球を救ってるんですかねぇ?テレビを持っていないので今でも救ってるのかは知らないですが。。









さて、次の国へ!



















吸血鬼はあなたの心の中にも潜んでいる。
おすすめスーツケース