2011年6月に訪れた中東の旅を綴っています。当時簡単に書いたものに写真を追加し、大幅に加筆しています。







バスを降り、「ん?ここは?」

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遺跡はどこだ?と歩いていると、

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土産物ショップの続く通りに到着。なんとなく、この先なんだろな。

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参道のようなとこを歩いていると、

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ちょっと美味しそうなオープンカフェあり、コーヒー休憩。

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店長なのかな?この男性、結構素敵な感じで色々話しかけてきてくれます。


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地元TV局がやってきてインタビュー。うん、分かる。このオジサン、素敵だもん。


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そしていざ!世界遺産Byblos(ビブロス)遺跡へ!







ビブロスはフェニキア人発祥の地と云われています。フェニキア人の発祥地という事は、アルファベットの発祥地でもあり、現代においてヨーロッパ全土、ひいてはアフリカ大陸や北中南米カリブに至るまで実は大変重要な地なのです。

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アルファベットは、ローマ帝国がローマ字(ラテン・アルファベット)を用いたのでローマ発祥と思われてる方もいらっしゃるようですが。ちゃいます、ここレバノンのビブロスなのです。

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フェニキア人は、紀元前1,200年頃に地中海交易で栄えた民族です。この頃、古代オリエントのアラム人が砂漠で交易したのと同様に、フェニキア人は地中海の海上交易で活躍。




アラム人はアラム文字を作り、それがヘブライ文字、アラビア文字、シリア文字、ソグド文字、ウイグル文字の母体になったのと同様に、フェニキア人はアルファベットを作り、ローマ字(ラテン文字)、キリル文字(ロシアやスラブ)などの母体となりました。

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フェニキア人は歴史上初めて、地中海沿岸各地で交易を始めた民族で、交易をスムーズに行うために彼らの作ったアルファベットを用いた単語、そして言語を確立させ各地の港へ広めました。その後、アルファベットは地中海沿岸だけでなく、ヨーロッパ全土で使用されるようになります。




フェニキア人は、ヨーロッパに初めて文明をもたらしたのです。


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フェニキア人の売り物は、レバノン杉に始まり、金属、織物、食品など、ありとあらゆる地産の物から、交易地で仕入れたものを転売するなど多岐にわたります。









因みに、フェニキア人の使用したアルファベットは、左から右に書くだけではなく、右から左へ、上から下に書かれたと言われています。まるで日本語のようですね。


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このように、ヨーロッパに文明をもたらす功績を残したにも関わらず、ローマとの戦いに負けるとフェニキアに関するその史料はほとんど燃やされるか破壊されてしまいます。








そして、ヨーロッパの史実は、勝者であるローマはじめ現ヨーロッパの偉大さばかり強調されることになってしまいました。


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例えば、フェニキア人は古代地中海、ヨーロッパ世界で最高の航海術があり、その交易は地中海沿岸に留まらず、ヨーロッパ全土、大西洋やインド洋にまで達します。




しかしローマは、「地中海世界はローマ人によって形成された」と後世に広め、フェニキア人によって紀元前に確立された功績は、まるで存在していなかったことにされてしまいます。

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また、ヨーロッパ人が15世紀の大航海時代に成し遂げたと豪語している航海は、フェニキア人が紀元前6世紀に既に達成しています。



ローマはフェニキアを横取り。そして、ヨーロッパ紀元後から中世に至るまでの、あの美しい神殿や宮殿、建物などアレらは、ほとんどメソポタミア文明のパクリ。



しかし、戦争で負けた側がそれまで積みあげて来た歴史は、勝ったものの歴史に覆い被されてしまいます。



ヨーロッパ人は、古代において自分たちで文明を確立してきたことなどなく、紀元後から中世、近代に至るまでとにかく世界各地を襲撃して殺戮略奪を繰り返し、それまでの歴史証拠を隠滅して植民地化し、あたかも自分たちが作り上げたように振舞って繁栄してきてます。







それを証拠に、現代の西欧の美術館へ行くと、展示されている古代(紀元前)の遺跡は他国から略奪してきたものばかり。自国調達の作品は、近代の彫刻と絵画しかない。






先々月、イラクの国立博物館へ行ったとき思いました。



イラクで発掘された重要な古代メソポタミア文明の遺跡遺物は、ここ現地ではイミテーションか写真が展示されており、説明には「オリジナルは大英博物館に」とか、「オリジナルはドイツのベルガモン美術館に」、その他もルーブル、NYメトロポリタンなど欧米の大きな美術館が散見されました。








西欧の美術館は、世界中でこれでもかというほど略奪し尽くした歴史的遺物を、涼しい顔して展示。笑







「盗んだ文明遺跡を全て、元の国へ返しなはれ。」







と欧米各国に強く抗議したいのですけどね。世界は未だに、「欧米は正義」と思ってるキライありますが、彼らほど姑息で狡賢い人類、ここまでの歴史で居ませんからね。



話はビブロスに戻り、歴史の彼方に消えてしまったフェニキア人は遥か昔三千年ほど前の紀元前、ここビブロスを本拠に活動したのですよ。それを思うと、同じ地に立っている私は鳥肌の立つ思いです。




日本ではあまり知られていないかもしれませんが、本当にスゴイ人たちだったのですよね。







フェニキア系って今でもこの辺りに子孫はいるのかなぁ?いたら話をしてみたい。史実では滅びたことになってるのですけどもね。














どれくらいの時間、この遺跡に座って地中海を眺めていただろうか。しばらく、フェニキア人とのシンパシー(?)を深め、功績を十分に称賛し、







「しかし、なんでフェニキア人はローマになんか負けたんだ?」と。「なんでローマはフェニキア人の歴史をこの世から葬り去ったんだ!」と、2,000年も前のことに本気でムカつきながら、








とりあえずビール。暑いのでね。さっきコーヒー飲んだ店に帰りも寄りました。

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この地ビール、安いのに美味しかったです。3,000LP(180円)。


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世界遺産は、各国の旅行者を呼び寄せますので、その国独自の服装や顔立ち、行動をこうやって座ってビール飲みながら観察してるのも楽しい。







たまに話しかけてくれる人もいて、現在いる国以外の国の方たちと話せるのも、世界遺産を訪問する楽しみの一つです。







バスでBeirutへ戻り、ホテルからすぐの地中海プロムナードへ。日の入り前からわりと多くの人出です。


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昨日も来ました鳩の岩。なんてことないただの巨岩ですが、観光名所になっており、私も滞在中は幾度となく見に来てしまった不思議な力を持つ岩です。フェニキア人の魂が宿ってるかもしれません。


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フェニキア人も眺めたであろう地中海に沈む夕陽を拝み。


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さて、明日はレバノン最終日。夜中にフライトなので、日中はもう一つの巨大世界遺産へ向かいます。












思っているよりも早く、世界は前進している。

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