2022年GWに訪ねたイラクの旅を綴っています。現地で書いたものに写真と文章を大幅に追加しています。

 

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サーマッラーのスパイラル・ミナレット頂上からの景色です。

 

 

景色最高!古来からの風景そのままなのでは?と思われるノスタルジックな風景。世界遺産は、ここ大モスクとスパイラル・ミナレットのみでなく、街全体が考古学都市として登録されています。

 

 

サーマッラーは西暦842年にアッバース朝の首都になったものの、東西貿易の幹線道路から外れていたことから、たった50年でバグダッドへ遷都されます。これによってサーマッラーの繁栄は失われて、やがて大部分が廃墟となったそうです。

 

 

時は現代、イラク戦争では、この大モスクとミナレットを米軍が占拠し、私の今いるこの尖頭に狙撃兵を置いて監視塔にしたらしいです。そして、イラク軍の爆撃により、この尖頭部分は崩れ落ちてしまった。

 



しかし、すぐに修復されたよう。このミナレットはイラクの象徴ともいうべき建築物で「イラクの至宝」とも評されています。確かにこんなミナレット、世界中訪ねたけど見たことない。たまたま持っていませんでしたが、250ディナール紙幣の図柄にもなっていますよ。

 

  

 

それにしても、誰も上がって来ない。この巨大なミナレット一人占め。しばらくボーーー―ッと景色を眺めていました。

 

 

どれぐらい経ったかな。複数の男性の声が下の方から近付いてきました。とうとう観光客が!と思ったら、

 

 

 

 

 

 

 

 

サーマッラーより北部に位置するキルクーク警察4人さん。バグダッドからの帰りにちょっと寄り道したそう。一人は英語を話せたので、通訳してもらって頂上でしばらく歓談。アッバース朝についても色々と教えてもらいました。

 

 

英語を話す警察はこの人。頂上はこんな狭い面積しかないのですよ。しかも柵なし。この人とはSNSでお友達になりました。かわいいお子ちゃま3人の父親。つい最近もメッセ来ました。「キルクークへはいつ来るの?」って。笑

 

 

皆様ほんとフレンドリーで、一時の楽しい時間でした。警察署に戻るというので空からお見送り。等間隔に綺麗に並んでますね。笑 見上げています。

 

   

パトカーに乗って去って行きました。

 

 
軍人も警察も関係なく、イラク人はフレンドリーで良い人ばっかだな。
 

 

ところで、未だに世界一とされる大モスクは、本体のこの外壁のさらに外側に縦443メートル、横376メートルにもわたるもう1つの外壁が存在したそう。中だけでもサウジのメッカより広いのに、いくらアッバース朝の首都になったからとはいえ、住人もそれほど多くなかった当時、未だに世界一の広さを誇るこれほど大きなモスクを建設したのは何故なのだろうか。


 

風の音と、時折アザーンの流れるこの街の景色をずっと眺めていたいですが、

 

 

タクシーを待たせており、まだほかに行くところもあるので下りることにします。

 

 

下りてもう一度、大モスクの方へ。何か、壁の表面に土の汚れでも付着しているのかな?と思ったら弾痕でした。

 

 

 

こんなに静かで平和なサーマッラーでも、たかだか15年前に米国軍とガチな戦闘が繰り広げられていたのですよね。

 

 

米国軍人の皆様、自分の命を懸けて罪のない人を殺しに他国まで押しかけるなんて、根本的、道徳的にオカシイとは思わないですか?その憫然たる愚挙に情けなくなったり、その愚行を恥ずかしいと思ったりはしないのでしょうか?いつかそれに気付く日が来るといいですね。