2022年GWに訪ねたイラクの旅を綴っています。現地で書いたものに写真と文章を大幅に追加しています。

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バグダッド最初の観光地「アル・シャヒード」に到着しました。入場の際に警備の人に国を聞かれ、「日本から来た。」旨を伝えると、「ここの公園の造営は日本の三菱地所がしてくれたんだ。」と言っていましたが真実?三菱さん。



こちらの「Martyr」はバグダッドで最も象徴的なモニュメントの1つです。イラクの彫刻家イスマイル・ファタ・アル・タークのデザインで、1983年に完成しました。1986年発行のイラク25,000ディナール(最高額)紙幣のデザインにもなったのですよ。




日本人が見れば、誰もが桃太郎を連想するであろうターコイズブルーのドームは、40メートルの高さがあります。





下から見上げるとホント巨大です。



この角度から写すと、まさに私は生まれたばかりのピーチボーイ(ガール?)やな。



当初はイラン・イラク戦争で戦死したイラク兵士に捧げる目的で建てられましたが、現在ではそれに限らず全てのイラクの殉教者を追悼しているようです。




バグダッドの美化と国民の誇りを植え付け、同時に戦没者、戦勝者を力強く称えるため、元大統領の故サッダーム・フセインの命にて建設されました。当時、フセイン大統領は多くの美術作品の制作を命じ、公共事業として打ち立てていたのですよね。





半分に分かれた2つのドームの中心部には、ねじれた旗竿があります。




イラクの国旗色ですね。中央部分に書かれているのは「イラク」。

※「アッラーフ・アクバル、神は偉大なり」と書かれているとコメントを頂きました。




これは、風にたなびくように見せているようで、階下にある博物館から眺めると旗が宙に浮いているようにも見えるらしいです。この日は、階下に降りる階段は閉鎖されていたのですが、カフェや博物館、図書館、講堂、展示会場もあるそうです。



クーフィー体でクルアーンの詩の書かれた大理石の石板です。イラクの古代美術の伝統に対し書かれているそうです。



それらを教えてくれたのはこの子たち!卒業アルバムの写真を撮りに来ていました。女子たちや先生、プロのカメラマンも一緒。



桃の中は声がかなり反響し、ワイワイガヤガヤ若干ウルサイ楽しそう。なにかホッとします。戦争が終わって治安も安定し、平和になって本当に良かったね。。





子供たちは英語を勉強してるよう。女子たちも色々と英語で教えてくれました。イスラム教の国なので、女子の写真を撮っていいものか分からず遠慮してしまいましたが、今となっては一緒に撮ればよかったな。めちゃめちゃ可愛かった。



桃(Martyr)のモニュメントに関して、設計者のAl-Turkは以下のようなコメントしています。

「I insisted on having a large open space. Big monuments are originally from the East—the Pyramids, the Sphinx, the Obelisk, Minarets.. the earth is flat, so these monuments can be seen from all directions. In the beginning, I had the idea of having a martyr bursting from the centre. But I did not like it, it was too the atrical. Then, the idea of life versus death began to form. The two pieces moving together towards martyrdom and fertility and the life stream. I moved the pieces until I got the interplay I wanted.」

古来からこれらの大きなモニュメントは東洋ものであり、西洋のように個人の見栄と略奪、真似で飾られるものとは完全に一線を画しています。イラクは長年にわたる戦争で相当数の殉教者、数百万人の一般人に死者を出していますので、タークのこのモニュメントに込められた思いも強かっただろうと想像します。




さて、お次はちょいと郊外へ行ってみます。