2016年の6月に訪ねたイラン、コーカサス、スタン系の旅を綴っています。
今朝は、イラン北東部にあるシーア聖地へ向かいます。サウジのメッカと同じく、世界中からアリー信者が集まりますよ。朝、シーラーズの空港へ。
搭乗口、左は最高指導者アリー・ハメネイさん。昨年6月(2021/6)に大統領選が行われ、ライシさんが圧倒的勝利でアリーさんによって承認されています。日本の天皇陛下が総理大臣を任命するのと同じですね。
とうとうイスラム教の聖地へ。
度々話題になりますが、イランの航空会社はずっと古い機体を使い続けているのですよ。米国から制裁を受けているので、ボーイングやエアバスなどから新機種を購入できないのです。
このため、古い機体を修理して修理して使用しています。
キューバのように、制裁を受けてやはり新車を購入できず、オールドカーを修理して修理して、そのおかげで観光客を呼べる一大エンターテイメントになったように、イランもビックリするような古い機体を飛ばして、航空マニアを世界中から呼べるようになるといいですね!
座席前ポケットを見てみると、MD-8ⅹ(マクドネル・ダグラス)なので、1980年代製造かな?
離着陸回数にも寄るそうですが、飛行機の寿命はおおよそ20~30年。構造寿命は50年くらいだそう。初期物はそろそろ構造寿命が近づいてきたか?制裁解除まだされてないよね?どうするんだろ?受注生産だしね?
飛行機の墓場ってあるじゃないですか?アメリカのどこかに捨てられている寿命を迎えた数百基。
40年経っても問題なく飛ばせるメンテナンス技術がイランにはあるので、あそこから状態の良い飛行機を拾ってきて修理して使うとかどう?あっちの方が、まだ新しいかもよ?
国内線なのに色々と配ってくれます。
この時、衝撃の出来事がございましてですね。しばらく呆然としてしまったのですけれども。
このスナックが配られたあと、女性のCAがカートでやってきて、
「飲み物はいかがですか?」と聞いてくれたので、私は、「何があるんですか?」と聞いたところ、
「オレンジジュースとビールと、△△と、〇〇と、、、、」
と仰ったのです。
へ?
今、何て言った?
聞き間違え?
「ビール?ビールあるの?」
と聞くと、ビールらしい缶を私に手渡したのです。
前回も書きましたかが、イランはイスラム法を厳格に遵守していますので、アルコールは厳禁です。どんなホテルにもスーパーにもカフェにもレストランにも置いていません。
外国人の他国からの持ち込みも禁止で、もし入国時にスーツケースなどにたまたまでも入っているのを見つかった日には、身柄拘束され司法処分対象になってしまう恐れもあるほど。
イランではアルコールを一滴も飲めないことを念頭に、私はイスタンブルのラウンジで飲んだくれていたわけで。笑
それが今、私はビールを手にしている!
アルコール禁止は地上だけの話で、上空はOKなんだ!?
いやー、まさかまさかですよ。まさか、こんなところでビールを飲めるとは!
そして、プシュッと栓を開け、プラコップに注ぐとシュワーっと泡が膨らむじゃないですか。
そして、グビグビッっと飲んだところ、
?
????
・・・
・・・
ウエーーーッ(><)
なんじゃコレ!?
なんやねん!コレ!?
ホントお行儀悪くてスミマセンが、このとき私、リアルに吐き出し咽こみました。今飲んだものを直ぐに吐き出すなんてこと、物心ついてから一度もない。
何この得体の知れない飲み物は?
そして、よーくよくラベルを見ると書かれていたのは、、、
『ビール風パイナップルジュース』
はあ??????
↑
普段、滅多に使わない大文字
ここからおよそ30秒間に私の脳内を巡った思いを文章にしますとですね。
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
何だよ?「ビール風」って!
何だよ「風」って!
ふっざけんな!
ただの「パイナップルジュース」じゃねーかよ!
最初から「パイナップルジュース」って言えよ!書けよ!
厳格なイスラムを謳うなら「ビール」とかそんな冠詞を「ジュース」の前に付けなくていいから!
そもそもあなたたち、ビールがどういう味か知らないよね?
ビールがどういった飲み物か知らないんだよね?
飲んだことないのに、なんでビール味とか言えるわけ?
何でビール味と分かるわけ?
そもそも「ビール」なんていう単語、あなたたちに必要ないでしょ。
むやみにその単語を使わないでもらえる。
もう、あなたたちの辞書から「ビール」「ワイン」「アルコール」という単語をなくしたら?
一生使わないでしょ?要らないでしょ?用事ないよね?
そしたら、アルコールの存在など知らずに一生を終えられるから!!!
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ビールラバーとしてはもうね、言葉にできない、ぶつけようのない怒りっていうのですかね。それでなくても、こんなに暑いのにビールも飲めず悶々としてたところにですよ。
これはナイでしょー。泣
落胆。
ホント、しーばらくムッとしていました。笑
あの衝撃は今でも忘れない。笑
↑
まぁ、大袈裟ですけどね。
さて、落ち着いてきたころ、隣の席の女性に「あなたはムスリムなの?」と聞かれました。
気を取り直し、「違いますよ。ただの観光客です。」と応えると、彼女はマシュハドへ行くのが初めて。しかも飛行機に乗るのも初めてで、とても緊張しているというようなことを、片言の英語で教えてくれました。
「マシュハドへ初めていく」というのは、イラン人からしてみれば「初めて聖地巡礼に行く」と同義で、大変に大きな意味のあることなのだと理解しました。
そして、女性が一人で初めて飛行機に乗るというのも、イランでは結構珍しいのでは?と。
サウジほど極端ではないにしろ、イランでもやはり女性は男性の庇護下で、単独行動はタブーなのかと思っていました。
私は短時間フライトでは窓際に席を取り、3時間以上になると通路側を取ります。今回は、およそ1時間なので窓際に座っており、
「もしよかったら、席を変わりましょうか。外の景色、綺麗ですよ。」
と伝えると喜んでくれたよう。席を変わったあと、スマホで写真と動画を撮りながら、ずーっと外を眺めていらっしゃいました。
私も聖地巡礼の前に徳を積んで、さっきの怒りを帳消しにしておかないと。爆
さて、聖地到着。
この日の夕方、次の都市へ向かいますので、スーツケースを預けられるところがないか空港内をウロウロしていたところ、子供連れの親御さんにやたらと「写真を一緒に撮って!」と言われ度々パチリ。私も一枚だけ自分のカメラで撮ってもらいましたよ。子供可愛いね!