2019年11月に訪ねたサウジアラビアの旅を綴っています。

 

 

 

 

 

ハイルの空港に到着しました。これから次の都市へ向け出発です。

 

 

当初のスケジュールでは、このあと別の地方都市にある「マダイン・サーレハ」という世界遺産に行く予定にしていたのですよ。こんなところです。これはリヤドの美術館にあったポスター。

 

 
ヨルダンのペトラっぽいですよね。

 

 

 

 

 

しかし、ここは渡航する前から「改修工事中」で休業と分かっていたので、再訪時に回すことにしました。

 

 

 

 


機内、隣に座った男性と話がエライが盛り上がりまして。彼はハイル大学で教授をしているサウジ人。

 

 

 

 

 

「私、ハイル大学のすぐ裏にあるミレニアムホテルに泊まってたのですよ!ハイル大学の校舎にも入りました!」

 

 

 

 


非常に物静かな雰囲気の方で、週初にハイル入りし、週末に実家のあるジェダに帰る生活をもう何年も続けているのだそう。

 

 

 

 

 

多分に漏れず「あなたは結婚していますか?」と聞かれたため、こちらもサウジ人の結婚事情を伺いました。内容が衝撃で、フライト中ずっとその話をしていました。

 

 

 

 


サウジでは、

 

 

 

 


・結婚は100%親同士が決める

・結婚するまで相手の顔を知らない

・結婚するまで相手と話すことがない

・結婚するまで相手の素性や性格を知らない

・結婚時の女性家族への貢物(日本だと結納か?)で破産する人がいる

・ナンパは犯罪
 

 

 

 

 


サウジ人女性は、外出の際にほぼニカブを着用しているので、私もサウジ人女性の顔をほとんど見ませんでした。

 

AFPより拝借

 

 

結婚していないムスリムのサウジ女性が顔を出して外を歩くことはできませんので、婚約したくらいでは相手女性の顔は明かされないのですよね。

 

 

 

 

 

でもダンマームで数名、チャドルの人がいましたけどね?

 

 

 

 

 

 

そしての当の大学教授は今は独身。以前、結婚したことがあったが2ヶ月で離婚。「もう二度と結婚はイヤ」だと仰っていました。

 

 

 

 

 

 

理由は、結婚のときのトラブルのよう。

 

 

 

 

 

彼も、他のサウジ人たちと同様に親同士が結婚を決め、結婚式のときに初めて妻となる女性の顔を知ったのだそう。

 

 

 

 


しかし、一緒に住み始めてすぐに物理的に会話が噛み合わないことに気付き、教授の親が女性側の親に確認したところ、実は彼女には先天性心疾患があり、それを隠してたことが分かったと。

 

 

 

 

 

 

教授側家族は「騙された!」と怒り心頭。

 

 

 

 

 

 

結局、教授は家族を諌められず離婚したのですが、その一連の騒動が本人には相当堪えたらしく、もう結婚はコリゴリなのだとか。

 

 

 

 

 

 

女性側も悪気はなかったのかも知れないですし、この内容自体を切り取ってのコメントは避けますが、

 

 

 

 

 

そもそも、結婚式を挙げる当日までお互い顔を見たこともない、日本のお見合いのような写真交換もない、話をしたこともない、個人情報も環境も背景も何もかも分からない。

 

 

 

 

 

 

そんな相手と、ロシアンルーレット婚させることに何のメリットが?

 

 

 

 

 

 

そもそも当人同士の結婚をなぜ親が決める?本人たちに意思はないの?口を挟む権利さえないの?そして、その驚愕の婚姻慣習を「通例」とする時代錯誤な法律に民衆が誰も異議を唱えないのはなぜ?

(民主主義に生きる者の素朴な疑問)

 

 

 

 

 

 

そりゃ、サウジ人の離婚率60%超えも頷けますわ。

 

 

 

 

 

日本のような資本主義、日本人のように民主主義で生きてきた者としては、合理性に欠けるこのような例はなかなか理解できませんよね。

 

 

 

 

 

 

因みに、サウジでは結婚している男性が浮気をしたら鞭打ちの刑、女性が浮気をしたら死刑だそうです。

 

 

 

 

 

死刑ねぇ。。

 

 

 

 


サウジでは、女性の社会進出は極一部に限られているので、稼ぎのない多くの女性は結婚するしか生きる道はない。

 

 

 

 

 

しかし、結婚式まで相手のことを何も知らないリスク。これはもう、バツがいくつ付くか、或いは結婚生活をとにかく耐え忍ぶかのどちらかになるのでは?と思ってしまいますよね。

 

 

 

 

 

当の教授も、次のロシアンルーレットでも失敗する可能性は大いにある。再び家族の資産を多く失うこととなる。それは「二度と結婚はイヤ」となるのも想像に難くないですよね。

 

 

 

 

 


そういえば私の訪ねたころ、あるサウジ人カップルの離婚劇が世界でニュースになりました。

 

 

 

 

 

取り沙汰されたのは、その離婚理由にあるのですけれどもね。

 

 

 

 

 

 

男性が離婚を決意した理由、

 

 

 

 

 

それは、

 

 

 

 

 

 

「何度注意しても妻が僕の隣を歩こうとするから」

 

 

 

 

 

世界に衝撃が走り、サウジは欧米の人権団体から強烈なバッシングを浴びていました。笑

 

 

 

 


シュールなコントにしか思えませんが、サウジ人の彼にとってはネタでも何でもなく大真面目。

 

 

 

 

 

 

妻が少し後ろではなく並んで歩くなど、耐え難い屈辱だったのかもしれません。そして、なぜそれが世界からのバッシング対象になるのか、理解に苦しんだのではないでしょうか。

 

 

 

 


文化、習慣、宗教の違いは、それによって「常識」がホント変わってくるものですね!日本人が常識と思っているものも、世界から見るとほとんど意味のないものですので、

 

 

 

 

 

世間で云われている常識などに囚われず、皆様、自分の信じる道を進みましょう!

 

 

 

 

 

ところで、それではサウジでの結婚は女性にとって試練しかない最悪の人生の幕開けなのかというと、そうでもないのですよね。

 

 

 

 

 


もし、結婚相手はお金持ちで穏やかで性格もよく、愛に溢れた素敵な男性だった場合。

 

 

 

 

 


私個人的には、サウジ女性たちには薔薇色の人生が待っているように思いますよ。

 

 

 

 

 

 

・働く必要なし(使い切れないほどお金あり)
・家事する必要なし(メイドがやる
・子育てする必要なし(ベビーシッターがやる)

・外を歩く必要なし(旦那か専属ドライバーが車でどこでも連れてってくれる)

・何もやる必要なし(起きてご飯食べて寝るだけ。これ以外に何かやる事ある?笑)

 

 

 

 

 

 

それなりの人と結婚すれば一生安泰、お姫様生活が待っているので、世界からバッシングされるほど、サウジ女性は怯えた生活をしているわけではないと思います。

 

 

 

 

 

まぁ、これもロシアンルーレット婚の、数多くはない「当たり」なのでしょうけど。

 

 

 

 

 

 

こんな国もあるのですよね。

 

 

 

 

 

因みに、この教授とは帰国後もしばらくメッセでやり取りあり、ビックリするようなサウジ人らしい仕事の依頼もありましたので、これはまた別の機会に。

 

 

 

 

 

 

さて、次はサウジの旅の最終都市です。