2019年11月にサウジアラビアを訪ねたときの旅を綴っています。

 

 

******************************

 

 

 


翌朝、ダンマームのペルシャ湾から上る朝陽。まるで夕陽のよう。砂漠+湾を昇る陽はどこか憂いているように見えます。

 

 

 

サウジアラビアのペルシャ湾から昇る朝陽

 


この日は午前フライト 。早朝、あまりお腹が空いていなかったので、ホテルの食事を摂らずに近所のカフェへ。

 

 

 

 

Monroe Coffee storefront, Saudi Arabia




早朝6amから夜中の2時まで、closeなしのカフェのバリスタは全員フィリピン人男性。







サウジ人の店は昼間はクローズですが、フィリピン人を雇ってるカフェは朝から晩まで通しオープンです。







カフェラテを淹れてもらう間、少しバリスタフィリピン人と話しました。







彼らは、2勤交代で働いており、朝勤の人は早朝から夕方まで、夕勤の人は夕方から深夜まで。店をオープンする前の用意や片づけ、クローズ後の掃除など、やらなくてはならないことが多いのに、店のオープン時間以外は時給も出ない。







オーナー(サウジ人)はどこも本当にシビア(ケチ)だ。このバイトだけではやっていけないから他も掛け持ちしているので、眠る時間がほんと少ない。こんな仕事、サウジ人は絶対にやらない。


ラテアート 馬に乗る人物


と話しておられました。







そして、そんな地味に大変なカフェ仕事の彼らを尻目に、平日朝からダベッて一向に働きに行く気配のないサウジ人若者の皆様。笑


サウジアラビアのカフェでくつろぐ人々



サウジは湾岸諸国同様、





ホワイトカラー=サウジ人、

ブルーカラー=他国の出稼ぎ労働者





が定着し、ビル建設や道路工事などの仕事は大概インド人、タクシーは概ねパキスタン人、カフェなどはほぼフィリピン人、ベビーシッターやメイドはおよそタイ人、フィリピン人という感じ。






公務員や、楽な事務系は仕事的に多くなく、王族やそれなりに選ばれたサウジ人が就きます。







それ以外の一般企業やブルーカラーは給料が安いため、サウジの若者は、それなら働かないで失業保険をもらっていた方がマシ。ということになるそうです。







サウジアラビアは、私の訪ねた当時で病院や学校、光熱費は無料。消費税なし。失業者には手厚い保険が保証されており、仕事しなくてもそれなりに暮らしていけます。

 

 

 

 

 

 

 

話は逸れますが、私の会社の後輩ちゃんが会社からカナダの語学学校へ留学した時のこと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

語学学校というのは、先ず初めに語学のレベルチェックがあり、そのレベルによってクラス分けされますよね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼女がその学校に通い出して、ふとあることに気付いたそう。レベルわけされたクラス以外に一つ、中東人しかいないクラスがある。と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あのクラスは何だろう?」「何か特別なクラスなのだろうか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

不思議に思っていると、クラスの友人が、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あのクラスは、サウジアラビア人しかいない」「彼らが一般レベルクラスにいると授業にならないので、他国の生徒からクレームが出る」「先生も授業を円滑に進められず困り、苦肉の策としてサウジ人クラスを作った」「あのクラスは自習が多い」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ということだったそうです。サウジでは、米国やカナダへの留学に際し、学費、滞在費(超高級マンション)、相当なお小遣いが国費で賄われます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこで箔をつけ本国へ戻ると、公務員に就ける確率が高くなり、そうなると一生安泰なのだとか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、蓋を開けてみると語学などほとんど習得できていないのが実情のようで、後輩ちゃんの通った学校では上述のような有様。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全員が全員そうなわけでもないのでしょうが、とにかくサウジの若者は理屈をこねくり回して面倒臭い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私もこのカフェにいたとき、話しかけてきた地元メンズには参りました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

隣の席に座っていて、どこから来たの?や、仕事で来たの?という前段の他愛ない話で声かけられた後、多分に漏れず宗教の話に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


いつもの「アラーは偉大だ。アラーはこの世のすべてをお造りなさった。」

 

 

 

 

 

 

 

 


に続き、

 

 

 

 

 

 

 

 

 


「アラーはこの世のすべての物を作る(造る)ことができる」「例えば、この机や椅子、あなたが今飲んでいるコーヒーもそう、私たち人間もアラーが作った。」「この世にあるもの全てはアラーによって作り出されたのです。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


そうですか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あのジムも。あそこに並んでるマシンも全てだ。全てアラーがお作りなさった。」

 

 

 

 

 

 

 

POWER GYM 外観

 

 

 

そうなのですね。

 

 

 

 

 


「この車もアラーが作った」

 

 

 

 

 

 

 

 

 


と、トヨタの4WD(彼の車)を指さしたとき、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっと待った。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この車は、日本のトヨタという会社が作りました。トヨタや関連会社の従業員が作っています。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と日本を代表して伝えると、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それは、見た目はそうかもしれないが、広義では違う。これはアラーがお造りなさった。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・

 

 

 

 

 

 

 

 メンドクサ

 

 

 

 

 

 


面白いのでその先を聞いても良かったのですが、このような理想主義、精神主義と、私のような現実主義では、どこまで話しても平行線。お互いの理解は果てしなく困難。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この時は少しだけ仕事しなくてはならずPCを開いていたので、めんどくさくなって仕事に戻りました(要は無視)。それでもめげずに何かを話し続けていたようですが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


サウジはイスラム教の聖地(メッカ、メディナ)を有していることもあってか、他国のイスラム教の国の人にはない、上から目線のアラー推しが多いように思いましたよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここ以外のイスラム教の国の人と話してて、ここまで ウザい と思ったことはなかったかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


でも、街中でたまたまパキスタン人と立ち話したとき、ムスリム多勢であるパキスタン人は、中東に出稼ぎしたいと国を選ぶ際、湾岸諸国ではなくメッカのあるサウジへ行きたがるのですって。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とにかくできるだけメッカに近いところで働いて、仕事休みにはメッカへ巡礼に行きたいのだと。サウジに来れたのはラッキーだったと話していました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ムスリムにとってはやはりサウジは何か特別なのでしょうね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私はホテルを出発する時間まで、このカフェで数時間仕事をしていましたが、私より先に来ていた周りの席の地元若者メンズは一向に帰る気配なく、それどころか仲間が代わるがわるやってきては喋るかスマホに集中(ゲーム中?)しており、改めて、この国の若者は働かないんだなーと思いましたよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は一部を見ただけで大半は仕事してるのかも知れませんけど、ムハンマドが危惧するくらいですから、やはり多いのでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかしサウジは子沢山で、王族もねずみ算式に増えて数万人おり、特に彼らはなにも仕事をしなくても年間最低1000万円以上の特別保証があります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ムハンマドさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まずはそこからでは?