2019年の11月に訪ねたサウジアラビアの旅記事です。
朝、リヤドの空港へと向かいます。昨日の万が一の王族渋滞を避けるため、国内線のフライトながら早めにホテルを後にしました。
リヤドの空港ラウンジ。
さて、ペルシャ湾岸の都市ダンマームに着きました。世界的には「ペルシャ湾」として知られますが、サウジでは「アラビア湾」と呼ばれています。ここでもサウジとイランの仲の悪さが露呈していますね。笑
ダンマームは元々、漁業や真珠採取を細々と営む小さな漁村でしたが、日本のMIKIMOTOが新たな真珠技術を確立すると、ダンマームの真珠業者が次々と廃業。
しかし1940年代に大きな油田が発見され、世界最大の石油会社アラムコ本社がここダンマームに置かると大きく発展。
サウジアラムコは、私の訪ねた直後にサウジ国内でIPOし、当時の時価総額が200兆円と試算されてましたよ。世界最大の上場企業となりました。
やっぱり凄いのですね、原油というのは。
ダンマームの国際空港に到着し、タクシーを拾おうと歩いていたら、ドライバーに声をかけられました。
「●●ホテルまで行きたいのですが」と伝えると、「300リヤル」と言われました。およそ1,000円くらいだったかな?かなり距離あるのでOKすると、お金は「タクシーブースで払って」と言われました。
そこへドライバーと一緒に行き、300リヤルを出すと、、
そのタクシーブースにいた若い兄ちゃんとドライバーのおっちゃんが喧嘩し始めた。笑
どうやらリヤドと同じで、地区によってタクシー料金が決まっているのに、ドライバーのおっちゃんは私に吹っ掛けたみたいで、若い兄ちゃんは「ルールを守れ」と怒っているよう。
意外にマジメで驚いたわ。
結局、正規の250リヤル(150円しか変わらない!笑)を払い、乗車。
空港から走行中、先ほど空港を後にしたはずなのに、左手にまた空港が見えてきた。大型の飛行機もポツポツ停まってる。
今降りたダンマーム空港が国際空港だったということは、リヤドから来たのだから国内兼用のはず。何故すぐ近くに別の空港があるんだ?と思い、
「あれは何の空港ですか?」
とドライバーに聞くと、
「あぁ、あれは王族とアラムコ社員専用の空港だよ」
。。。
凄いわ。ホント凄いわ。
空港施設だけなら百歩譲っても、そのためだけに空港スタッフや整備士、管制塔が配備されてるとか、考えられんわ。
世界で一番偉い日本のエンペラーの住む原宿駅付近に、JRの皇室専用の無人プラットホームはありますが、なんだかやたら地味に感じてしまいますね。
さて、ペルシャ湾岸沿いのホテルにチェックインしました。
先ずは近所を散歩してみます。
湾岸諸国にあるような派手なモスクはリヤドではありませんでしたが、ダンマームのモスクも中程度の大きさで地元コミュニティ的なモスクが多い印象です。
同じ店なのに男女の入り口は別。中に入っても完全に仕切られています。尚、家族連れは女性側に入ります。
これがですね。このように英語を併記してると当然分かるのですが、アラビア語しか書いていない店も多くてですね。
私はアラビア語を読めないものですから、どっちが女性側なのか開けてみないと分からないのですよ。イチかバチかなのです。笑
ひとたび男性側を開けてしまうと、中にいる男性たちに「ギョッ」とした目を向けられ、肩身の狭い思いをするわけです。「そんなに驚かなくても。。」と思いながらスゴスゴとドアを閉じるのです。
私はエイリアンじゃないのですよ、ちゃんと人間の形をしているでしょう?と言いたくなるほど驚かれるのですよ。
しかしこれも、私の訪ねた1カ月後くらいに撤廃されました。このような文化は珍しいので、続けても良かったんじゃないの?と個人的には思いましたけどね。
あと男女別エピソードで言うと、他国ツーリストでも、結婚していない男女がホテルの同じ部屋に泊まることは許されていませんでした。同じ部屋に泊まる場合は結婚証明書をホテルのチェックイン時に提示する必要がありました。
何、結婚証明書って?
きっと日本の役所に行っても、これに該当するものの英語版はないんじゃないの?あるのか?そもそも、それを証明する必要のある場面は、どういう時なんだ?サウジに行くときくらいしかやって来ないのでは?
まあ、私は常々一人旅なので、これは全く該当しませんでしたけど、これも私の訪ねた数か月後に海外ツーリストは証明書の提示をせずとも同部屋OKとなったようです。
色々と衝撃ですよね?
それにしても、ここまで性別を区別し、両者を明確に隔てることを法律化するのは何のためなのだろう?
先日も書きましたが、サウジやイランなどイスラム法(シャリア)を重んじている国では、同性愛は罪で死刑です。
これらの国では、人間は男性と女性しかいない前提で立法されているため、LGBTQの存在は認められていないのですよね。ありえないのです。これを認めるとシャリアの根底が覆り、法律そのものが無効になりかねませんのでね。
それを恐れているのかな。
他にも理由あるのか?
しかし、時代というのは移りゆくものですので、あまりにも古い法律に縛られていると国家存続の危機に晒されかねない場面も時には出てくるのでは。日本も然り。
カルフールを出て少し歩くと、昔ながらの趣を遺したレストラン。