2019年2月にイラクのクルディスタンを旅したときのものです。以前、数行書いたものに写真を多く追加し、詳しく加筆しています。
今日は、イラク北部にあるヤジディ教の聖地、ラリッシュへ向かうことにします。
まず、交通手段をどうするか。電車ない。バスない。ツアーない。レンタカーない。
ホテルのレセプションに聞いたところ、「〇〇(←忘れた)へ行けば、遠方まで往復してくれるタクシーがあるから、そこへ行って」交渉してみてと。
その〇〇も泊まってたホテルからは遠かったので、ホテル前に停まっていた若い兄ちゃんのタクシー拾うも、なんだかいつまで経っても着かない。
あれ?この石像、さっきも見なかったっけ?と思って聞くと、
私の言ってるそこがどこなのか 全然分からないと。。。
はあ?早く言えよ!!
口汚くてスミマセンがわたくし、このとき結構マジ怒り。
ラリッシュ以外にも何都市か回るつもりでしたのに、30分はロスしたのですよ。要塞の外周をグルグル回っていただけ。
ここで停めて!!ムカッ
怒るときはしっかり怒る。マジで怒ってタクシーを降り、すぐ近くにあった大きいホテルへ入りました。レセプションへ事情を話しもう一度確認。因みにホテルのレセプションスタッフは必ず英語を話します。
するとレセプションの男性が、アラビア語でなにかメモを書いてくれて、「タクシーに乗ったら、このメモを見せて向かうといい。」と渡してくれました。
一応、彼の名前と連絡先を聞き、そのホテル前で再びタクシーを捕まえそのメモをドライバーへ見せると、5分ほどでおっちゃんがワイワイ集まってる一角へ連れて行ってくれました。
今乗ってきたタクシーの運ちゃんが、彼らにアラビア語で何かを叫ぶと、その人たちがザワザワと動き出し、一人のおっちゃんを連れてきました。
その人は英語を話せる人で、「ラリッシュへ行きたいの?」「ラリッシュの他には?」
私は、ラリッシュとその周辺の都市、太古の人々の居住跡の遺跡の名をあげると、もうひとりの運転手らしき人に、アラビア語でその内容を伝えてくれたよう。
しかし唯一の運転手である彼はこの日、別の用事があって、絶対に5pmにはアルビルへ戻ってこないとならないらしい。どれくらい時間かかるか検討もつかないのに、私がそれを確約することもできず、諦めることにしました。
他に運転手がいないのか聞いたところ、ここから15分ほど歩いたところに、同じくタクシーを遠方へ出してくれる会社があると教えてくれたので、歩いてそこへ向かいました。このとき既に一時間以上ロス。
ラリッシュ行きを半ば諦めてましたね。笑
そして、言われたところにつくと、そこのオーナーらしき人が自社の運転手に電話してくれました。
しかし、これがまたいつまで経っても運転手が来ないのですよ。
30分、いやそれ以上経った頃かなぁ。やっと、窓が泥まみれの車に乗ったおっちゃんがやって来ました。
「車からも写真を撮るので」と全ての窓を水で流してもらい、結局、ホテル出てから2時間以上経って、とうとうアルビルをあとに。
全く英語の分からないオッチャンと全く意思疎通できないけど、助手席に乗って二人でドライブ。アルビルを抜けるとのどかな風景が続きます。
ユーフラテス川を渡ります。
そして、アルビルから2時間くらい。ヤジディ教の聖地ラリッシュへ到着しました。
ヤジディはこの辺りの土着の民族宗教です。かなり古い宗教で、若干閉鎖的です。
ヤジディとして生まれた者は他宗教への改宗はNG。また他宗教の者もヤジディへの改宗はNG。ヤジディはヤジディとしか結婚できず、書となる経典はないため代々口伝いに遺していくなど、排他主義、秘密主義的なところがあります。このため、昔から何かと迫害されてきたのですよね。
ISイスラム教原理主義集団がシリアで台頭していた頃、南下した彼らがヤジディ教徒の男性を何千人も殺害し、女性は性奴隷として売られていったとニュースになっていましたよね。それを訴えた女性はノーベル賞を受賞しました。
さっそく聖地の建物へ入ってみます。ここからは裸足です。
中へ入っても電気がない。カメラではこのように写りますが、実際は真っ暗で足元さえよく見えないのですよ。
ここは地下の泉へ続く入り口です。ジャルジャルの泉と言います。ヤジディ教徒は、ここで洗礼を受けますよ。
ヤジディ教の創始者ムサフィルの墳墓。多くのヤジディ教徒がここへ巡礼に訪れます。
もっと時間をかけて、泊まりで来るくらいの勢いで訪ねたかった村です。必ず再訪したいです。
さて、次の街へ。車で一時間くらい。ダフークという街に着きました。アルビルと同じくらい古い都市です。天気がどんより、今にも雨が降りそう。
ダフークは何だかちょっと珍し系建物が多い印象でした。
途中大渋滞にハマり、陽も暮れて真っ暗。しかしやっとアルビルのチェックポイントに着いたと思ったところで、帰国が危うくなる未承認国家ならではのハプニング。