2018年3月に訪ねたパキスタンの旅を綴っています。以前書いた超簡易記事に、写真を大幅に追加し加筆しています。
 
 
 
 
パキスタン、最後の訪問都市はパキスタン金融の中心にして大都市カラチです。
 
 
他国(特に中国)から相当な投資が入って、とにかくボンボンと高層ビル建設中。このビルと、手前に広がる今にも崩れそうな平屋(?)が対照的ではありますが。。
 
 
イスラマバードの記事でお伝えしましたように、カラチは元々パキスタンの首都でした。
 
 
しかし、アラビア海に近過ぎる防衛的問題と、領土紛争を抱えるカシミールから遠すぎる地理的問題、そして暑すぎる環境的問題を抱え、首都はイスラマバードへ遷都されました。しかし、今でもパキスタンでは人口も商業規模もブッチギリTOPの都市です。
 
 
イギリス統治下だった頃の建築物が散見され、その歴史を物語ります。
 
 
 
独立から80年近く経ちますが、石造りの建物というのは頑丈ですね。
 
 
多少は修復もするのでしょうが、地震でもない限り数百年はもちますものね。
 
 
 
側だけはシッカリと体面を保っています。
 
 
が。ほんと側だけで、よく見ると中が空洞のビルディングもカラチには結構ある。
 
 
空が見えとるやないですか。笑
 
 
解体するにできない感じでしょうか?
 
 
散歩中、マック発見。イスラム教の国でマックは珍しい。
 
 
金融関係の大都市で海外からの出張者、出向者も多く、レストランもとても充実しています。
 
 
この日はランチに中華へ。
 
 
イスラム教の国へ来るとタンパク質は鳥か山羊ばかり。豚や牛を食べることができるのは嬉しい。
 
 
見た目やたらと高級な中華屋でしたけど、値段は安価。
 
 
ホテルから数時間歩いて、国立美術館へ来ました。
 
 
ここは、各時代、各所の貴重な遺物が展示されていますよ。
 
 
 
 
こちらはモヘンジョ・ダロの神官です。モヘンジョ・ダロの入り口に大きな彼が立っていましたね!
 

 
これは、モヘンジョ・ダロで発見されたすべての遺物の中で最大級に貴重な像なのですよ。
 
 
 
 
 
こちらはタキシラで発見されたガンダーラ美術。ヘレニズム文化の最たる遺物Dionysusです。ギリシャ神話に登場する神様そのものですね。お酒の神様。
 
 
こちらもヘレニズム。
 
 
こちらはモヘンジョ・ダロで出土した印章です。この文字が解明できれば。。
 
 
 
 
ところで、「パキスタン」と聞くと、どうしても治安悪い国と思いがちですよね。
 
 

パキスタンは過去、特に過激とされるイスラム原理主義グループが点在しており、彼らがひとたびテロを起こすと一度に複数人が亡くなるので、世界的に大ニュースになっていました。

 

 
そうすると、パキスタン全体の印象が悪くなる。
 
 

「超ヤバイ国」というレッテルを貼られることになる。

 

 

どこの国でも日常的に強盗や殺人事件は起きているにも関わらず、「テロ」という言葉で紹介されると「危険な国」となる。

 

 
結果、銃乱射や殺人事件による死者がパキスタンよりメチャクチャ多い欧米(中南米含む)よりも「危ない国」認定されてしまうのよね。
 
 

しかし、パキスタンは治安の悪い国ではないです。

 

 

強盗やスリ、殺人事件などのこと考えたら欧米よりずっとマシ。
 
 

特にパキスタンの一般の人々は、過激派とされるイスラム原理主義に断固としたNOを訴える正義感があり、彼らとは一線を画しています。

 
 
真面目な人たちなのですよね。
 
 
 
 
 
私は、ムスリムには見習うべきところが多いと、来る度に思います。
 
 
 
 
 
例えば、自分の弱さを隠さない強さ。そして、自分が悪いと思ったらすぐに謝る素直さ正直さも、個人的にはハッとさせられるところ。
 
 
 
 
 

あと、どんな場面でも目の前にいる一人の人の考えをすごく尊重する。決して否定しない。それはイスラムの宗教特性なのかな。

 

 

話しててもその温かみが分かるというか、純粋さや無邪気さが垣間見えて、興味津々なのだけど放っておいてくれる絶妙な距離感。

 
 
イスラム教徒は、そういうところが良いところですよね。そうではない人もいるのだろけど、少なくとも私がパキスタンで知り合った数十人はそんな感じだったかな。

 

 
アラビア海沿いのビーチに来てみましたよ。
 
 
子供たち、泳いだのかな?
 
 
ラクダおじさんが沢山いて、乗れ乗れとシツコイです。笑
 
 
成田や羽田では、到着時に「海外にてラクダに触れたかたは、健康相談窓口までお越しください。」なんて館内放送が流れますが、ラクダにはなんかあるんだろうか。
 
 
 
 
 
この日、既にこの時点で25km歩いていた。そろそろホテルに戻ろうとリクシャーを止めるのだけど、ホテルの名前を伝えても誰も分かってくれない。カラチじゃ結構分かりやすいホテルなんだけど。。。
 
 
 
 
 
困っていると、その場に子供たちが集まってきた。彼らは英語を話せて、私の伝えたホテルの名前を、リクシャーに現地の言葉で言ってくれた。みんな、ありがとう!
 
 
一旦ホテルに戻りました。
 
 
前にも書きましたが、アジアや中東、ヨーロッパの旅でその都市にMovenpickがある場合、必ず泊まります。それなりのホテルなのに安価。日本には未進出なのですよね。
 
 
部屋でコーヒー飲んだら元気になり、フィットネスでトレーニング(あんなに歩いたのに更に走って筋トレ)。
 
 
そして、かなり早い夕飯ですがホテルのレバノン料理屋へ。
 
 
ディナーブッフェ一番乗り。
 
 
たまたまレバノンのベイルートで買ったサマードレスを持って来ていたので、それを着て伺いましたところ、シェフや支配人の方々が写真を撮ってというので一緒にパチリ。
 
 
こちらはホテルのケーキ専門店。イスラム教の国はアルコール原則禁止ですので、代わりに甘味が充実しているように思いますよ。しかも、男性が率先して食べている。美味しそうですよね。
 
 
ホテル内は優雅ですが、ホテル周りや上はこの通り、ライフル持ったアーミー、警察、警備員が常々、昼夜問わず警備に当たっています。
 

 
夜などは、ホテル周りの高い壁沿いに、ライフルを二丁ずつ持った警察がズラーっと並んでいます。ホテル角の交差点には戦車も配備されていましたよ。
 
 
ホテルへの車の入場も、一台一台探知機を使って車の下まで隅々調べてますし、客の出入りも壁伝いの小さくて頑丈な鉄板造り。入るときは、いちいちベルを鳴らして中側の警備員に開けてもらわないとなりません。そして、中へ入っても荷物検査、金属探知機検査。
 
 
 
 
 
そもそも、日本に住んでいると柵のない危険地帯などないし、ましてやライフルで武装して守護しなくてはならないとこなんてないですよね。
 
 
 
 
 
ホテルのみならず、政府や学校などの公共施設の前、レストラン、ブティックに至るまで、何かと警備員、警察、アーミーがライフル持って立ってます。
 
 
 
 
 
こんなこと書くと、やっぱり治安悪いのではと思われそうですね。笑
 
 
 
 
 
レバニーズをたらふく食べて部屋に戻り、着替えて食後の散歩。
 
 
ふと、足下で何かが動いた。ペアのカラスです。
 
 
 
 
 
カラスは、鳩をツツイてました。
 
 
 
 
 
観察してると、鳩は羽根がもげているのか飛べないよう。足でちょんちょんと飛びながら、前へ進んでカラスから逃げようとしますが、全くもって動きはトロく、カラスに殺られそう。
 
 
 
 
鳩を助けるべくカラスを蹴散らしますが、すぐにカラスは戻って来てしまい、何度追っ払っても埒が明かん。。
 
 
 
 
 
そうなると、私には他にこの鳩を助ける手立てがない。
 
 
 
 
 
その時!
 
 
 
 
 
その様子を見ていたと思われる地元の男性が、「僕が手伝う」と言って鳩を両手でゆっくり掴み、すぐ目の前の大きなホテルの中へ鳩を掴んだまま入っていきました。
 
 
 
 
あぁ。
 
 
 
 
私の思いを理解してくれたんだろうか。。。
 
 
 
 
もしそうだったら、同じ思いを会話なしに共有できたようで嬉しいな。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
パキスタンの旅は得るものが多くありました。子供の頃に憧れた遺跡を巡り、現地の友達も沢山できて、彼等の話をいつでも聞くことができ、歴史認識も知ることができ、ここ数年で最も有意義な旅の一つでした。
 
 
 

 

 

毎月一本書いている旅記事はもともと、1ヵ国1記事から始めました。
 
 
 
 
 
しかし、他の国を書かずにパキスタンばかり書いてます。パキスタン記事が一番多いことからも、自分にとって印象的だったのだと思っていますよ。
 
 
 
 
 
 
個人的にはあまり時間がないなか、結構効率的に回れたほうだと思っています。駆け足となって行き損ねた美術館や見送った都市もあるため、近いうちに再訪したいと思っていますよ。
 
 
 
 
 
今回も長文の旅にお付き合いいただきありがとうございました!いつも読んでいただけて、本当に感謝しています。ありがとうございます。