静流は、気絶した繭子を家へと、送り届けた。
母が汗を拭いていると、
繭子は、程なくして目を覚ました――
ま「ココは……。(私は何を……)」
見舞いに来ていた静流は、言葉を吐き捨てた。
その後、口をへの字口にした。
し「家だよ。そこ以外に、行くとこあんのかよ! (う~~ん…。)」
繭子は、こう訊いた。
ま「何でいつも、“(私の)家”なの? (理由が知りたい!!)」
静流は、“聞いていた”ことを話した。
し「『家に帰ると治る!』って聞いたから。ずっとしてる。」
繭子は、勢い良く体を起こし、こう言い放った。
ま「私、そんなコト言ってないよ!! 誰が言ったの!!?」
静流は、重い口を開いた。
し「“お母さんから聞いた”んだよ。
『繭ちゃんは、家に帰ってくると、不思議と治っちゃうの!
だから、困ったら連れてきてね♡』って…。
(聞いてなかったのかよ…。)」
繭子は、重い口を開き、静流の発言を少し訂正した。
ま「…うん…。それは、間違いじゃないよ…。
でも……“正しくない!”の…。
【シズルくんが居なきゃ】治んないの!!
今回のもそうだよ!!! 病名、聞いたでしょ……。」
し「うん……。」
ま「それも、『シズルくんだから』治ったの!!
シズルくんじゃあなかったら、“治ってない”の!!!
私は、【シズルくんと、一緒に居なきゃダメになっちゃう】の!!
だから……ずっと、一緒に居させてよ…。お願い!…」
泣きながら懇願された静流は、しばし考えた…
し(それはそれで、嬉しいんだけどな…。入れない所があるだろ…?
う~~ん…。そこは、“技術を身に着けて!!”か…。
許可が貰えるとは、思えないんだけどな……。う~~ん……。
頼れない女性は、居ない事も無いけど……。
…まあしゃあない。繭子のために(一肌)脱ぐか! …よしっ!!)
精悍な顔つきになった静流は、繭子に、こう告げた。
し「…解った。無理はさせないから。
“嫌なら断っても良い”よ。もう、(独りで)どこにも行かない!
繭子が、超~好きだから♪ ずっと、一緒に居おうな☆ 相棒!」
無邪気に笑う静流を見て、
繭子は、ますます好きになっていた。
そして二人は、熱い口づけを交わした――