怒りに発した静流は、電話を掛けた。
遥加は、すぐに出た――
し「お母!! 何で、(メール)返さないんだよ!!
“必要だ”って言っただろ! 答えたくない事か!!?
何とか言えよ!! お母!!!」
繭子は、強くビンタをした。
静流は、少しの間、蹲ってしまった…。
その後、繭子の顔を見ると、目にいっぱい涙を溜めていた。
バヂィイイイン!!!!
し「いっ!! ……何すんだよ! 繭子!! えっ!!?」
繭子は、静流を𠮟りつけた。
ま「酷いよ!! シズルくん! 誰から産まれたの!!?
お母さんに対して、酷い扱いしないでよ!!
お母さんは、『シズルくんの奴隷』じゃない!!!
自分の事ばっか、考えないで!! 相手の気持ちも考えてよ!!
すっごく…言いたかったと思うよ。でも、“言いにくかった”んだよ!
今でも、そうだと思うよ。“自分でも、整理出来てない”んだから…。
シズルくんはさ。“頭が良いから言える”でしょ!?
“天狗に”ならないでよ!! そんな人、大っ嫌い!!!」
その言葉で、静流は、完全に目が覚めた。
そして泣きながら、遥加に謝った。
し「(…えっ…。俺は…何てことをしていたんだ…。
そんなの…“あの人の二の舞”じゃないか…!!
あれだけ誓ったのに!! 俺のバカだ!!
お母…) おがあ!! ごめんなざい!! ぢょうじにのっで…
えっく! おがあの…ぎもぢをがんがえないで、ごめんなざい!!」
遥加は、少し笑みを浮かべながら、こう言った。
遥加「お母さんは、大丈夫よ。だいぶ、無理してたみたいね…。
ごめんなさい、ふしだらな母親で…。
でも! “貴方を一番に思ってるのは、変わらない”から許してね。」
静流は、泣きながら、何度も頷いた――