2023年に読んだ本 | ちょいなが雑感

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ほぼ唯一の趣味である読書の感想のまとめだったり、ときどき偉そうに自分の雑感を書いてみたり・・・

2023年の読書メーター
読んだ本の数:34
読んだページ数:11951
ナイス数:475

「将軍」の日本史 (中公新書ラクレ 789)「将軍」の日本史 (中公新書ラクレ 789)感想
本郷先生による将軍論、世襲論に名を借りた「ゆるい」日本論。
いわゆる日本史中世、近世の権力トップは「征夷大将軍」なのだけど、三幕府ごと、さらにはその中でも性格は多岐に渡り、各々の時代の行政の推移もざっくり理解できる。
でもおそらく本郷先生が一番言いたいのは「ゆるい」論なんだろうな
読了日:12月28日 著者:本郷 和人
自民党という絶望 (宝島社新書)自民党という絶望 (宝島社新書)感想
「自民党」と銘打たれているが、実際は現在の日本(の課題)に対して様々な考えがわかるインタビュー集。
亀井静香パートと巻末の浅羽通明特別寄稿が面白かったかな…
思えば中選挙区でかろうじて選挙権があった世代が我々アラカン手前世代だから若い人たちは民主主義の多様性をあまり実感できないのかもしれないな。
読了日:12月28日 著者:石破 茂,鈴木 エイト,白井 聡,古谷 経衡,浜 矩子,野口 悠紀雄,鈴木 宣弘,井上 寿一,亀井 静香
ほんとうの定年後 「小さな仕事」が日本社会を救う (講談社現代新書)ほんとうの定年後 「小さな仕事」が日本社会を救う (講談社現代新書)感想
一部は会社の定年後の過ごし方と年金制度の研修内容と通じるところはあったが、今すぐ取り組むことのヒントがたくさん散りばめられた一冊。
わかっちゃいるが怠惰ゆえかできてないのもこれまた事実だが、来年からは少しずつでも考え方を変えて行動に移していこうかな…
読了日:12月23日 著者:坂本 貴志
55歳からのハローライフ (幻冬舎文庫)55歳からのハローライフ (幻冬舎文庫)感想
読了。
久しぶりの村上龍作品だったが独特の暗さはあれど猛々しさが薄いのがこれまで読んだ作品との違いかな。
自分よりちょい上世代の主人公たちはみな幸せではないけどこれからの自分を考えるのに少しだけ?参考になったかも。
読了日:12月16日 著者:村上 龍
ブルボン朝 フランス王朝史3 (講談社現代新書)ブルボン朝 フランス王朝史3 (講談社現代新書)感想
佐藤先生フランス王朝3部作の最後の巻。
本書にもあるが、ブルボン朝とはフランスがフランスとしてのアイデンティティを確立するのに大きく貢献しそのあだ花となった王朝だったんだなぁ。
設立時期が日本の戦国時代の終わりと重なるのも改めて確認。
読了日:12月04日 著者:佐藤 賢一
倭国 古代国家への道 (講談社現代新書)倭国 古代国家への道 (講談社現代新書)感想
読了。
本書の中でも記されているが、学術書ではないので史料の引用は最小限にとどめているらしいけど素人の自分にはやや難しかったかも。
どうしても記紀の、万世一系天皇家の呪縛は無意識にあるんだろうなぁ。とまれ5,6世紀の日本(倭)は混迷の時代だったのは理解できた。
読了日:11月13日 著者:古市 晃
テンプル騎士団 (集英社新書)テンプル騎士団 (集英社新書)感想
多少歴史には詳しいという自負はあったけど、〇〇騎士団についてはほぼ前知識なしということで読んでみた。
絶対王政前の十字軍の徒花(本書ではファントムと表現されているけど)として、「資金が潤沢な国連軍」は200年で姿を消した。その点はモンゴルウルスと少し似てるかもしれないな。
読了日:11月05日 著者:佐藤 賢一
氏名の誕生 ――江戸時代の名前はなぜ消えたのか (ちくま新書)氏名の誕生 ――江戸時代の名前はなぜ消えたのか (ちくま新書)感想
明治維新以降、平民も名字を名乗るようになりました、と大昔学校であっさりと習ったことがいかにドタバタだったかがわかる一冊。
なるほど江戸時代の名前に関するコモンセンスはわかったが鎌倉から安土桃山以前ごろまではどうだったのかな?という疑問はわいたけれども…
読了日:10月14日 著者:尾脇 秀和
継体天皇 (新潮文庫 せ 13-14)継体天皇 (新潮文庫 せ 13-14)感想
筆者のことはよく知らなかったが、もう何十年も日本古代史を独自に調べて自説を展開する本を何冊も書いてるようで、いわば本書はそのサマリーという感じ。
内容は大胆ではあるが荒唐無稽ということもなくなるほどと思うところも多い。本論を鵜呑みにするつもりはないが、8世紀以前の真実の日本史はなかなかわからないのかもしれないな…
読了日:10月06日 著者:関 裕二
東と西の語る日本の歴史 (講談社学術文庫)東と西の語る日本の歴史 (講談社学術文庫)感想
読了。北東から南西への長い島国である日本なので、大なり小なり日本人は「東西の違い」は感じているのだと思うけど、改めて網野さんにより整理された一冊。
そも「国家」とはいつ成立したのか、ということはあるけど、最後に記されたように小さいが長い(笑)日本が統一国家として今あることはある意味奇跡なのかもしれないな。
読了日:09月26日 著者:網野 善彦
天上の葦 下 (角川文庫)天上の葦 下 (角川文庫)感想
読了。
本作の二つのテーマは前2作より重く今回は割とスッキリハッピーエンド的な大団円。前2作の登場人物もちらっと間接的に登場したりしていてその辺はさすが。
面白かった。
読了日:09月18日 著者:太田 愛
透明な螺旋透明な螺旋感想
ガリレオシリーズ最新作読了。
今回は物理トリックなしの「親子」がテーマ。その点、最近の「加賀恭一郎」シリーズとも共通しているかも。最後のあたりで軽いひねりはあるが淡々と物語は進む。それでもズッシリとした読後感があるのはさすが。
読了日:08月26日 著者:東野 圭吾
天上の葦 上 (角川文庫)天上の葦 上 (角川文庫)感想
上巻読了。
内容の感想は下巻読了後として、かつての日本に間違いなくあった真の選良の清々しい老後がなんとなく羨ましかった。自分は90歳まで生きたとしてもこうはなれないなぁ…
読了日:08月21日 著者:太田 愛
シャルル・ドゥ・ゴール 自覚ある独裁 (角川ソフィア文庫)シャルル・ドゥ・ゴール 自覚ある独裁 (角川ソフィア文庫)感想
超長身でパリを代表する空港の名の由来となり、なんとなくカリスマっぽいという印象しかなかったシャルルドゴールの評伝。
筆致はいつもの佐藤節で心地よいものであったが第二次世界大戦でのヨーロッパの状況や戦後のフランスを俯瞰して復習できたのは思いがけないおまけだったかも。
面白かった。
読了日:08月10日 著者:佐藤 賢一
幻夏 (角川文庫)幻夏 (角川文庫)感想
読了。
今回も?巨悪は徹底的な制裁を受けることはなく物語は終わった。
まあそれはそれとしてテーマとして掲げられた「冤罪」とその背景となる日本の司法の構造には考えさせられるものがあった。
一方でそれは大半の人にとっては非日常で他人事であることは間違いなく物語として秀逸に仕上げた作者はやはり凄いのかもしれないな…
読了日:07月28日 著者:太田 愛
犯罪者 下 (角川文庫)犯罪者 下 (角川文庫)感想
読了。
読み物としては十二分に面白く巨悪が安直に裁かれないことも含めて登場人物の面々が少しほろ苦い結末であることも秀逸、なるほどベストセラーだな。
とりあえず続編?の「幻夏」呼んでみますか…
読了日:07月15日 著者:太田 愛
犯罪者 上 (角川文庫)犯罪者 上 (角川文庫)感想
上巻読了。
なるほど作者の筆力は大したもので人気があるのもわかる。
シリアスな真相は下巻にてということで感想も下巻読了後で。
読了日:07月02日 著者:太田 愛
シマコの週刊!?宝石 (光文社文庫)シマコの週刊!?宝石 (光文社文庫)感想
タイトルに下世話な好奇心をそそられ読了。
今どきの若い衆はほぼ知らないであろう週刊宝石?といえば地元の中高学生の頃は病院とかの待合とかにあってドキドキしながら読みたくて読めなかったくせに、大学生になり一人暮らししてたらこれが買わないんだなww
という自分でも良き?「昭和」を思い出せてから楽しめた。
筆者も名前だけではよくわからなかったけど「有吉反省会」の豹のおばちゃんだったのねー
読了日:06月23日 著者:岩井 志麻子
暗約領域 新宿鮫11 (光文社文庫 お 21-29)暗約領域 新宿鮫11 (光文社文庫 お 21-29)感想
読了。
こんなに分厚い小説を読むのは20代のころの京極堂シリーズ以来で寄る年波のための読書速度の低下を相まって時間がかかった(笑)
桃井亡き後の組織側新メンバー登場や背景となる東アジアの暗部など面白さに衰えがない。
思えば自分が社会人なりたての頃に出会った10歳以上年上だった鮫島が気づけば10歳以上年下に。作中でも時間は進んでいるが、それ以上に社会も大きく変わったはずだが、読んでる最中はそれを感じさせないのはさすが、という感じ。サザエさんみたいだな(笑)
読了日:06月13日 著者:大沢在昌
妻のトリセツ (講談社+α新書)妻のトリセツ (講談社+α新書)感想
読了。もう20年前に読んどくべきだった、とは思うものの、説明される女性脳の特性とわが伴侶様の特性がやや違うかもなと感じるのは自分の男性脳洞察力が不足しているからか?
とまれ会社の新婚の若い衆にはとりあえずお勧めしておいたww
読了日:05月30日 著者:黒川 伊保子
そして、バトンは渡された (文春文庫)そして、バトンは渡された (文春文庫)感想
読了。
映画を少し前に観たが、大筋同じだが、表現に相違がみられてともに楽しめた。初めての瀬尾作品だったけど、読みやすい軽さと中身の厚さがバランスが取れておりなるほど人気があるわけだ。
読了日:05月22日 著者:瀬尾 まいこ
日本史サイエンス 蒙古襲来、秀吉の大返し、戦艦大和の謎に迫る (ブルーバックス)日本史サイエンス 蒙古襲来、秀吉の大返し、戦艦大和の謎に迫る (ブルーバックス)感想
読了。筆者は造船設計のプロなので歴史的新説?の提示はあえて述べていないのだろうけど、検証プロセスにおいていわゆる先入観を含めたバイアスの罠が立証されているように感じた。意外にこの「先入観」の蒙は若い世代に多いようなので歴史が好きな若者にオススメかも。
読了日:05月04日 著者:播田 安弘
かがみの孤城 下 (ポプラ文庫 つ 1-2)かがみの孤城 下 (ポプラ文庫 つ 1-2)感想
読了。
アニメ映画も良かったけど、クライマックスの描写など映像の力は確かにすごいけど、原作も秀逸だったなぁ。このような物語を紡げる辻村美月という作家はすごいかもしれない。

読了日:04月18日 著者:辻村 深月
かがみの孤城 上 (ポプラ文庫 つ 1-1)かがみの孤城 上 (ポプラ文庫 つ 1-1)感想
とりあえず上巻読了。
細かい感想は下巻読了時にだけど、アニメ映画が比較的原作に忠実に作られてるなぁという感じ
読了日:04月13日 著者:辻村 深月
家康が最も恐れた男たち (集英社文庫)家康が最も恐れた男たち (集英社文庫)感想
読了。
今年の大河がトリガーではないんだけどタイムリーといえばそうかも。素材的にはありきたりかもしれないけど吉川永青さんの手によるとこんなにも面白くなるのだな…
読了日:04月02日 著者:吉川 永青
ボクたちはみんな大人になれなかった (新潮文庫)ボクたちはみんな大人になれなかった (新潮文庫)感想
区切りの1000冊目読了。
普段この手の小説は読まないので、ボリュームの割には時間がかかった。作者の世代の、5歳ほど上の世代もしては共感できるところもあったし、やはりこの手の小説は苦手かもと再認識もした。
あいにゃんのエッセイや相澤いくえのマンガも収録されてるけど今のワカモノにはササるのかな?
読了日:03月26日 著者:燃え殻
宝治合戦 北条得宗家と三浦一族の最終戦争 (朝日新書)宝治合戦 北条得宗家と三浦一族の最終戦争 (朝日新書)感想
読了。
去年の大河ドラマのその後であり、20年前の大河ドラマの最初の山場の宝治合戦の話。
間に挟まれた小説で鎌倉武士の話し言葉が仁義なき戦いっぽいのは当時の関東武士をわかりやすく伝えるための方便なんだろうなw
広島弁っぽいところはご愛嬌か
読了日:03月19日 著者:細川 重男
悪左府の女 (文春文庫)悪左府の女 (文春文庫)感想
久しぶりの伊東潤作品。
保元の乱前を舞台にした歴史「小説」だが摂関家の凋落、院政の迷走、武家の台頭が活き活きと描かれる秀作。
読了日:03月12日 著者:伊東 潤
八本目の槍 (新潮文庫)八本目の槍 (新潮文庫)感想
読了。
佐吉がスーパーマン過ぎるきらいはあるが、従来の虎之助こと加藤清正像、市松こと福島正則像が見事に打ち砕かれる面白さ。
小姓組の面々の物語を読んでいると、入社当時の会社同期との付き合いが想起される。定年がみえてきた歳のなせる業かなぁ…
読了日:03月05日 著者:今村 翔吾
ルージュの伝言ルージュの伝言感想
読了。40年前、ユーミンがまだ30歳頃で、自分はまだ中学生の頃の聴き取りエッセイ。
一言で言えば全てが「昭和」な一冊…例えば極端な言葉狩りの前の時代というか。今の若い世代がどんな感想持つかな?
読了日:02月28日 著者:ユーミン
世界史を俯瞰して、思い込みから自分を解放する 歴史思考世界史を俯瞰して、思い込みから自分を解放する 歴史思考感想
読了。
歴史の本というより、著者の考え方が表された本という感じ。
客観的に他の価値観に依存しないことの大切さが述べられているし、著者はそれを歴史や古典から学んだということで普遍的な手法ではないかもしれないけど、考え方は同感。
読了日:02月18日 著者:深井 龍之介
戦争の中国古代史 (講談社現代新書)戦争の中国古代史 (講談社現代新書)感想
読了。
ざっと中国古代史のおさらいができた。タイトルにあるほど「戦争」がキーになっているわけではないけど、春秋から漢の武帝あたりまではほぼ戦争が日常にあったこともおさらいできた。著者があとがきでもふれてるけど大人気「キングダム」の時代と被るけど、あれはあくまでフィクション、ということも再認識できるな(笑」
読了日:02月12日 著者:佐藤 信弥
ユーミンの罪 (講談社現代新書)ユーミンの罪 (講談社現代新書)感想
読了。
著者と同世代ということもあり共感できるところと女性の思考とはなるほどという気づきとがありなかなか楽しめた。
90年代前半までのユーミンに準えた日本女性の変遷史としても楽しめるかも。
読了日:01月28日 著者:酒井 順子
文系のための理数センス養成講座(新潮新書)文系のための理数センス養成講座(新潮新書)感想
ようやく読了。
本書内にもあるが元ネタは週刊誌のコラムということもあり、読みやすい。一般的な理系の考え方の紹介という感じではなく、日本独特の文理区分がこんなものでセンス(考え方)として必要なエッセンスが紹介されておりヒントがちりばめられている感じです。良書。
読了日:01月23日 著者:竹内薫

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